
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《【小学生の清掃指導】ほうき・ちりとり編!教室のホコリを逃さない正しい使い方とステップ》について紹介させて頂きます。
- 【小学生の清掃指導】ほうき・ちりとり編!教室のホコリを逃さない正しい使い方とステップ
【小学生の清掃指導】ほうき・ちりとり編!教室のホコリを逃さない正しい使い方とステップ
掃除の時間が終わり、子どもたちが「終わりました!」と元気に報告にやってくる。しかし、いざ教室を見渡してみると、部屋の四隅にはフワフワとした綿埃が残り、机の下には消しゴムのカスが散乱している……。教育現場に立つ先生方であれば、このような光景に幾度となく直面してきたのではないでしょうか。
ふと子どもたちの様子を観察すると、長いほうきを剣に見立ててチャンバラごっこを始めてしまったり、ほうきの先を力任せに床にこすりつけてバサバサと音を立てて掃いたりしている姿が目に入ります。また、せっかく集めたゴミをちりとりに入れる際、ちりとりが床から浮いていてゴミが下をすり抜けてしまい、運ぶ途中でぽろぽろと落としていく子どもも少なくありません。このような状況を見ると、つい「もっと丁寧に掃きなさい!」「遊ばないでちゃんとやりなさい!」と声を荒げてしまいがちです。
しかし、子どもたちは決して悪気があって適当に掃除をしているわけではありません。最大の原因は、「ほうきとちりとりの正しい使い方を知らない」という極めてシンプルな事実にあるのです。大人が日常生活の中で無意識に行っている道具の使い方も、手先や身体の使い方が発達段階にある小学生にとっては、一つひとつの動作を細かく分解して教えなければ定着しません。
実は「ほうき」と「ちりとり」は、清掃用具の中でも最も基本的なツールでありながら、教え方のポイントを少し工夫するだけで、劇的に掃除の質が変わる魔法の道具でもあります。この記事では、子どもたちが迷わず、かつ確実にホコリやゴミを捕まえられるようになるための、具体的で実践的な指導ステップを詳しく解説していきます。指導のポイントを押さえることで、毎日の清掃時間が安全で落ち着いたものになり、教室は見違えるようにきれいになっていくはずです。
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なぜ「ほうき・ちりとり」の指導が清掃の基本なのか?

具体的な使い方に入る前に、まずは「なぜほうきとちりとりの指導にそこまで時間をかける必要があるのか」という点について確認しておきましょう。道具の基本を徹底することは、単に教室をきれいにする以上の大きな教育的意義を持っています。
ホコリを舞い上げないことが健康管理に直結する
小学校の教室は、何十人もの子どもたちが1日の大半を過ごす場所です。そのため、衣類の繊維、外から持ち込まれた土砂、消しゴムのカスなど、想像以上のホコリが発生します。もし、子どもたちが力任せにほうきを振り回して掃いてしまったらどうなるでしょうか。床にあるホコリはかき集められるどころか、教室の空気中に大量に舞い上がり、結果としてハウスダストを撒き散らすことになります。
これは、ぜんそくやアレルギーを持つ子どもたちの健康を直接的に脅かす原因にもなり得ます。「ほうきはホコリを舞い上げないために、静かに使うもの」という大前提を教えることは、クラス全員の健康管理に直結する、非常に重要な指導なのです。
道具を大切にする心は、学習用具の扱いにも繋がる
ほうきのように柄の長い道具は、使い方を誤れば凶器にもなり得ます。振り回して人に当たれば怪我に繋がりますし、乱暴に扱えば毛先がすぐに傷んで使い物にならなくなります。「長い道具は周囲に気をつけて安全に扱う」「使った後は毛先を整えて元の場所に吊るす」といったルールを徹底することは、他者への配慮や安全意識を育てる絶好の機会です。
清掃用具を丁寧に扱うことができる子どもは、定規やコンパスといった学習用具、さらには自分の持ち物や公共の備品に対しても、丁寧に向き合う姿勢を身につけていきます。道具への向き合い方は、生活態度そのものを映し出す鏡のようなものなのです。
達成感を得やすい「目に見える成果」
水拭きなどの作業に比べ、ほうきとちりとりを使った掃除は「ゴミが一点に集まっていく」「ちりとりの中にゴミが溜まる」という物理的な変化が視覚的にわかりやすいのが特徴です。子どもたちにとって、「自分がやった結果、これだけのゴミが集まった」という目に見える成果は、直接的な達成感や自己有用感に繋がります。
正しい使い方をマスターし、確実にゴミを集められるようになれば、子どもたちは掃除に対して「面倒な作業」から「やりがいのある活動」へと認識を改めていきます。この達成感こそが、自ら進んで環境を整えようとする自主性の原動力となるのです。
【保存版】ほうきの正しい使い方・4つの魔法のステップ

それでは、いよいよ具体的な指導に入ります。ほうきの使い方は、以下の「4つの魔法のステップ」として順を追って教えることで、低学年の子どもでも驚くほど上手に掃けるようになります。
ステップ1:持ち方は「利き手が下、反対の手が上」
子どもたちの様子を見ていると、片手だけでほうきを持ったり、両手がくっついた状態で柄を握ったりしている子がいます。これでは力点が定まらず、ほうきの先がフラフラと安定しません。
まずは持ち方の基本を教えます。「ほうきを持つときは、必ず両手を使います。字を書く方の手(利き手)を下の方に持ち、もう一方の手を上の方に持ちます。両手でお家(安定した空間)を作ってあげるイメージです」と伝えましょう。この「両手を離して持つ」という基本姿勢ができるだけで、柄のコントロールが格段に安定し、無駄な力が抜け、掃く動作がスムーズになります。
ステップ2:毛先は「床から絶対に離さない」
これが、ホコリを舞い上げないための最大の鉄則です。子どもはゴミを見つけると、上から叩きつけるようにほうきを下ろしたり、ゴルフのスイングのように空中に向かって振り上げたりしがちです。
指導の際は、「ほうきの毛先は、お掃除が終わるまで絶対に床から離しません。空中に浮かせると、魔法が解けてホコリが逃げてしまいます。床を優しく撫でるように滑らせましょう」と伝えます。「バサバサ」という音が聞こえたら、それは力が入りすぎているか、ほうきが浮いているサインです。「スー、スー」という静かな音が鳴るのが正しい力加減であることを、音を比較しながら教えると効果的です。
ステップ3:掃く方向は「自分の方へ、少しずつ」
ゴミを前方に押し出すように掃く子どもがいますが、これではゴミが拡散するばかりで一向に集まりません。ほうきの基本は「引き掃き」です。
「ゴミは、あっちこっちに追いかけるのではなく、自分の足元に向かって『おいで、おいで』と寄せてきます。一回で遠くまで掃こうとせず、自分の足の一歩前くらいから、少しずつゴミのお山を作っていくように集めましょう」と具体的に指示を出します。自分に向かって引き寄せることで、ゴミの取りこぼしを防ぐことができます。
ステップ4:直線ではなく「S字の軌道」で
ある程度ほうきの扱いに慣れてきた中学年以上に有効なのが「S字掃き」のテクニックです。直線的に何度も前後に掃くよりも、ほうきの先を床につけたまま、アルファベットの「S」を描くように左右に滑らせながら手前に引いてくると、広い面を効率よく掃くことができます。
「ほうきを床につけたまま、蛇さんがニョロニョロと進むように、Sの字を書きながら集めてごらん」と教えると、子どもたちはゲーム感覚で楽しんで取り組んでくれます。このステップをマスターすれば、教室の掃除時間は劇的に短縮されます。
【テクニック編】ちりとりにゴミを残さず入れるコツ

せっかくほうきで完璧な「ゴミのお山」を作っても、ちりとりの使い方が間違っていては全てが台無しになってしまいます。ちりとりには、ゴミを確実に取り込むための明確なコツがあります。
隙間ゼロ!「床にピタッ」と押し当てる
ちりとりを使う際の最大の失敗は、ちりとりの口が床から浮いていることです。ゴムの部分が少しでも浮いていれば、砂やホコリは全てその下をすり抜けてしまいます。
「ちりとりの黒いゴムの部分を、床に隙間ができないようにピタッと押し付けます。少しでも隙間があると、ゴミが『やったー!逃げ道だ!』と通り抜けてしまいますよ」と伝えます。利き手でほうきを持ち、もう一方の手でちりとりをしっかりと床に固定する動作を、繰り返し確認しましょう。
段差を乗り越える!「一歩下がって」掃き入れる
ゴミをちりとりに入れる際、ちりとりの手前でほうきを止めてしまい、ちりとりのゴムの段差を乗り越えられずにゴミが残ってしまうことがよくあります。
この問題を解決するには、「あと一歩」の引き方が重要です。「ゴミをちりとりに入れるときは、ちりとりの入り口で止まらずに、ちりとりの奥の壁に当たるまで、ほうきを『シュッ』と奥まで入れ込みましょう。そして、ちりとりを少しだけ後ろに引いてから持ち上げます」と教えます。奥まで掃き入れる意識を持たせることで、取りこぼしを完全に防ぐことができます。
運ぶときは「胸の高さ」で水平に
ゴミを無事にちりとりに入れた後も、油断は禁物です。ゴミ箱へ運ぶ途中で、腕をだらんと下げてちりとりを縦にしてしまったり、走って風圧でゴミを飛ばしてしまったりする子がいます。
「ちりとりの中のゴミは、とても軽いので風ですぐに飛んでしまいます。運ぶときは、ちりとりを胸の高さまで持ち上げ、おぼんの上にジュースを乗せて運ぶように、まっすぐ水平にして静かに歩きましょう」と指導します。ゴミ箱に捨てる際も、上からバサッと落とすのではなく、ちりとりの先をゴミ箱の奥深くまで入れてから静かに滑り落とすように教えることで、最後の最後までホコリを舞い上げずに作業を完結させることができます。
子どもが飽きない!「掃除名人」を育てる言葉かけのアイデア

技術的な使い方を教えた後は、子どもたちがそれを継続できるようにするための「言葉かけ」が不可欠です。ただ注意をするだけでは、子どもたちはすぐに掃除に飽きてしまいます。
「静かに掃除しなさい!」と怒るのではなく、子どもたちの挑戦心をくすぐる言葉に変換します。
「今日のほうき担当のみなさんへのミッションです。ほうきの『バサバサ』という音が、先生の耳に聞こえないくらい、忍者のように静かに掃ける人はいるかな?」
「この教室の角っこにあるホコリの固まりを、一回でちりとりに入れられる名人はどこにいるでしょうか?」
このように、指示を遊びや挑戦(ミッション)に変えるだけで、子どもたちの目の色が変わり、自ら工夫して丁寧に取り組むようになります。
掃除をしている最中、先生は教室内を歩き回りながら、子どもたちの良い行動を見つけて言葉に出していきます。「すごいね」「えらいね」といった抽象的な褒め言葉よりも、具体的な行動を認める「実況中継」が効果的です。
「おっ、〇〇さん。ほうきの先が一度も床から離れていませんね。完璧な使い方です。」
「△△さん、ちりとりが床にピタッとくっついているから、ゴミが一つも逃げていません。さすが掃除名人!」
正しい行動を名指しで言語化されることで、子どもは「これでいいんだ」という確信を持ち、周りの子どもたちも「あのようにやれば褒められるんだ」と自然に正しい行動を模倣するようになります。
現場でほうきとちりとりの指導をする際、言葉であれこれと説明する前に、必ず実践していただきたいことがあります。それは、「先生自身が無言で完璧な掃除の手本を見せる」というデモンストレーションです。
子どもたちを集め、「今から先生が、絶対にホコリが舞い上がらない、魔法の掃き方をします。どこがみんなと違うか、よく見ていてください」と前置きをします。そして、一切言葉を発さず、姿勢を低く保ち、「スー、スー」というリズミカルな音だけを響かせながら、鮮やかな手つきでゴミの山を作り、一瞬でちりとりに収めてみせます。
この時、ほうきの毛先がしなやかに床を滑る様子や、ゴミが一粒も残らずちりとりに吸い込まれていく「快感」を視覚と聴覚でしっかりと見せつけます。子どもたちは、大人の無駄のない洗練された動作に惹きつけられ、「おおー!」と歓声を上げることも珍しくありません。
百の言葉を並べるよりも、目の前で「美しい所作」を見せ、「あんな風にやってみたい!」という憧れや意欲を刺激することこそが、最も効果的な指導の第一歩となります。先生ご自身の華麗なほうきさばきを、ぜひ子どもたちに披露してあげてください。
まとめ:正しい道具の扱いで、心も教室もピカピカに
ほうきやちりとりといった清掃用具の使い方は、一度正しい型を身につけてしまえば、それは子どもたちにとって一生の財産となります。
最初は「うまく掃けない」「ゴミがこぼれる」と苦戦する子どももいるかもしれません。しかし、そこで焦って大人が手を出してしまうのではなく、今回ご紹介したような細かいステップに分け、何度でも根気強く正しい方法を伝えていくことが大切です。
子どもたちが少しでも上達した姿を見せたら、その小さな工夫や成長を見逃さずにたっぷりと褒めてあげてください。先生の温かい声かけと承認があれば、清掃の時間は単なる「面倒な義務の時間」から、自分の成長を「自慢できる時間」へと変わっていきます。
道具を大切に扱い、教室の隅々まで気を配れるようになった子どもたちの表情は、誇らしげでキラキラと輝いているはずです。明日からの清掃指導に自信を持って臨み、子どもたちと一緒に、心も教室もピカピカに磨き上げていってください。
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