こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《小学校3年生の算数の主なつまずきと4つの分野別対処法》について紹介させて頂きます。
前回までの記事はこちら👇
小学校3年生の算数のつまずきと対処法
小学校3年生になると、算数の内容が少しずつ難しくなってきます。足し算や引き算は桁が増え、より複雑な計算力が求められるようになってきます。さらにかけ算の筆算や分数などの、新しい単元も加わってきて、1〜2年生の基礎がしっかりと身についていないと、問題を解くことは出来なくなってしまいます。そのため、つまずくお子さんも増えてくる時期です。
しかし、この時期のつまずきは、まだまだ巻き返しが可能な時期ですので、子どもが学習についていけていないなと感じたら早期に対策をしましょう。
ここでは3年生が特につまずきやすい分野とその対処法について、解説します。
3年生でよくつまずく4つの分野
◉分数
2年生で分数の入り口ともいえる学習もあることはあるのですが、本格的に分数を学びはじめるのは3年生からになります。
分数の概念を理解するのが難しく、計算も苦手とする子もいます。
◉かけ算の筆算
繰り上がりが多くなり計算ミスが増えたり、桁が多くなるとかけ算の順番を間違えたりすることがあります。また、位を揃えて筆算を書くことができておらず、間違ってしまうこともあります。
◉時間の計算
時刻や時間の計算が複雑で難しくなってきます。日常生活にも影響が出てくることがあります。
◉長さ
単位変換や、図形の問題で長さを考えることが難しく、苦手意識を持つことがあります。
つまずきの原因と4つの分野別対処法
分数
〈概念の理解不足〉
◉具体物を活用
分数に限らず概念がしっかりと理解できていない場合は、具体物を使うことが有効です。
ピザやケーキなど、身近なもので分数を説明しましょう。
8等分のピザ
上記の写真のような8等分のピザがあるとします。そのうちの1つを、1/8と表し、「はちぶんのいち」と読みます。
概念がなかなか理解できない子どもさんには、指でひとつひとつピザを数えさせ、「1、2、3、4、5、6、7、8枚に分けたピザ。そのうちの1枚が1/8」と、唱えさせることが大事です。
わかっている大人からすれば、なんとまどろっこしい!と思うかもしれませんが、この復唱することがとても大切なのです。
人からこれはこうだよ、と教えられるだけでは、いくら子どもが「うん、わかった」と答えたとしても、本当に理解できているかどうかは分かりません。自分の口で、説明できるようになってこそ、本当に理解できたと言えるのです。子どもが自分の口で唱える練習をすることにより、それが出来るようになります。概念が頭の中にしっかりと入り、理解することができるようになります。
◉図や絵を活用
図や絵を使って、分数の大きさを視覚的に捉えやすくしましょう。
上記の写真の場合、1/5なら、1つ分を、2/5なら、2つ分を
色で塗るなどすると、わかりやすいです。
〈計算ミス〉
◉計算の練習
3年生の段階の分数の計算は、基本的に真分数の足し算〈分母が同じ足し算〉です。通分が要らないので、基礎的な計算力があれば大丈夫です。
1〜2年生で学んだ足し算引き算を中心に、練習問題を繰り返し解くことで、計算力を向上させましょう。
◉計算の仕方を覚える
分母はそのままで、分子だけ計算するという、分数の基本の計算の仕方を一つ一つ丁寧に説明し、理解を深めましょう。その後は、練習問題あるのみです。
かけ算の筆算
〈計算ミス〉
◉かけ算九九の徹底
かけ算の筆算は、2年生で学習するかけ算九九をマスターしていないと、解けません。九九が怪しい、という子どもさんは、まずはかけ算九九を完璧にマスターするところからスタートしましょう。100マス計算などで徹底的に訓練しましょう。全ての九九を3秒以内に言えるようになるまで練習を積んでください。
◉計算の仕方を覚える
かけ算の筆算の計算の順序を確実に覚えましょう。特に、2桁×2桁以上の計算になると混乱してしまう子もいます。
◉位をしっかりそろえて書く
特に2桁×2桁以上の筆算では、位をまっすぐそろえて書くことが大切になってきます。位がずれていると、どの数字が一の位なのか、十の位なのかが、わかりづらく、数字を取り違えて計算してしまう子どもさんもいます。筆算を書くときに、数字の大きさをそろえて書くと位をまっすぐそろえやすくなります。意識して丁寧に数字を書くくせをつけましょう。
◉くりあがりの数をしっかり書く
途中の計算を省かずに、しっかり書くことでミスを減らすことが出来ます。特に計算ミスが多い場合は、くりあがりの数を必ず書くようにしましょう。
時間の計算
〈概念の理解不足〉
◉時こくを読む練習
時こくが読めない場合は、まずは時こくが確実に読めるようになることが大切です。
算数セットにある時計や、家にある時計を実際に動かしながら練習しましょう。
◉60進法へ慣れる
10進法に慣れている子どもにとって、1時間が60分、1分が60秒という60進法は、最初は戸惑いやすいものです。「1時間の半分は0.5時間だから50分」といった誤った考えをしてしまうことがあります。
1時間は60分、半分は30分、その半分は15分ということが、ぱっとわかるように練習をしましょう。
具体物を使うと頭に入りやすいです。
時計の模型や、分数の概念を視覚的に説明できる教材を使って、時間の長さを実感させましょう。
〈時間の単位の変換がスムーズに出来ない〉
◉繰り返し練習問題を解く
時間、分、秒の単位をスムーズに変換できないと、計算が複雑になり、間違いが起こりやすくなります。
例えば、「3時間15分」を「195分」に変換するといった計算です。
繰り返しの練習問題で基礎を固めましょう。
◉図や表を活用する
時間の経過を図や表に表すことで、視覚的に理解が深まり、変換もスムーズに出来るようになります。
長さ
〈単位の理解不足〉
◉単位の大きさを実感させる
m(メートル)、cm(センチメートル)、mm(ミリメートル)など、それぞれの単位の大きさがイメージできていない場合は、定規やメジャーを使って、実際に様々なものを測る活動を取り入れましょう。
〈単位間の関係が分からない〉
◉単位間の関係を視覚的に説明
mとcm、cmとmmの換算が苦手な場合は、数直線などを使って、単位間の関係を分かりやすくみていくと良いです。
◉計算練習を積み重ねる
単位の換算は、繰り返しの練習が最も効果的です。しっかりと計算練習を繰り返すことで定着を図ることが出来ます。
家庭でできるサポート
🌟毎日少しずつ学習する習慣をつける
毎日少しずつでも良いので、算数の学習を習慣化しましょう。
🌟褒める
子供の頑張りを具体的に褒めることで、自信をつけさせましょう。
🌟一緒に問題を解く
子供と一緒に問題を解きながら、考え方を教えてあげましょう。
焦らずゆっくりと 子供のペースに合わせて、焦らずゆっくりと教えてあげることが大切です。
⚠️その他の注意点
◉苦手意識を克服する
算数が苦手だと感じている子供には、簡単な問題から始め、少しずつ難易度を上げていくことで、自信をつけさせましょう。
◉他の教科との関連性
算数は他の教科とも関連しています。例えば、分数や割合は理科の実験とも関係しています。他の教科との関連性を意識することで、学習意欲を高められます。
◉プロの力を借りる
どうしても一人で対応できない場合は、家庭教師や塾の先生に相談することも検討しましょう。
3年生で特に大切なこと
九九の定着: かけ算の基礎となる九九は、3年生までに完璧にマスターしておきましょう。
時計の見方: まずはしっかり時こくが読めるようになりましょう。
図形の基礎: 図形の名前や性質を覚え、簡単な図形の問題を解けるようにしましょう。
おわりに
小学校3年生の算数は、今後の学習の基礎となる大切な時期です。お子さんの様子をよく観察し、どこでつまずいているのかを把握することで、適切なサポートを行うことができます。上記を参考に、お子さんの算数学習をサポートしてあげてください。