こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《【1年生~3年生別】中学生の人権作文テーマと書き方アイデア集~先生・保護者にも役立つサポートのヒントつき~》について紹介させて頂きます。
- はじめに|人権作文は“思いやり”を言葉にするチャンス
- 1. 中学1年生向け|“気づき”を大切にしたテーマと書き方
- 2. 中学2年生向け|“他者との関係”を掘り下げるテーマと書き方
- 3. 中学3年生向け|“社会とつながる視点”を持つテーマと書き方
- 4. 学年共通で気をつけたいこと|“いい作文”より“伝わる作文”をめざして
- 5. まとめ|人権を“じぶんごと”として考える一歩に
はじめに|人権作文は“思いやり”を言葉にするチャンス
中学生が取り組む人権作文は、ただの課題ではありません。
自分の気持ちや考えを深め、相手を思いやる気持ちを言葉にする大切な機会です。
しかし実際には、「テーマが思いつかない」「どんなふうに書けばいいの?」と、悩む声も少なくありません。特に学年によって、経験や考え方の深さには違いがあるため、年齢に合った題材選びと書き方の工夫が必要です。
この記事では、
✅ 中学1年生・2年生・3年生それぞれにおすすめの人権テーマ
✅ 学年に合わせた書き方のアイデア
✅ 保護者や先生ができる声かけ・サポートのコツ
を分かりやすくまとめました。
「書けそう」「考えてみたい」と思えるヒントが、きっと見つかるはずです。
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1. 中学1年生向け|“気づき”を大切にしたテーマと書き方

▶おすすめのテーマ例
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困っている友だちに声をかけられなかった経験
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誰かにやさしくされた時の気持ち
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自分とは違う考え方にふれて驚いたできごと
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「ありがとう」と言われてうれしかったこと
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SNSやLINEでのやりとりで感じた違和感や学び
▶書き方のヒント
中学1年生は、新しい環境に慣れるのに精一杯の時期です。小学校と比べて人間関係の広がりもあり、いろいろな「初めて」がたくさんある時期。そんな中で生まれた気持ちや違和感が、人権作文のきっかけになります。
たとえば、こんな形で書き出すとスムーズです。
例文導入:
「中学校に入ってすぐ、クラスで一人になっている子が気になった。でもどう声をかけていいかわからず、見ているだけだった。」
ここから、「なぜ声をかけられなかったのか」「その後どう思ったのか」「今だったらどうするか」と、自分の思いの流れを書いていくことで、人権を“自分ごと”としてとらえる作文になります。
作文にする際は、「上手に書こう」ではなく、「素直に感じたことを書く」ことを大切にすると、自然と心に残る文章になります。
▶保護者・先生へのサポートポイント
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子どもが話してくれた出来事に対して、「それ、大事な気づきだね」と一緒に喜んであげてください。人権は“感じる心”から始まります。
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子どもが「こんな小さなことでいいの?」と迷っていたら、「その気づきが大切なんだよ」と伝えると、自信を持って書き始められます。
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自分の言葉で自由に書かせることが第一。誤字や言い回しはあとで一緒に直していけば大丈夫です。
2. 中学2年生向け|“他者との関係”を掘り下げるテーマと書き方

▶おすすめのテーマ例
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無意識の「からかい」が相手をどう感じさせたか
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家庭や地域で体験した、世代を越えたやりとり
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クラブ活動での意見の食い違いや対話の経験
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自分と「ちがう」友だちと仲よくなれた理由
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友人関係での誤解や衝突、そしてその後の関係
▶書き方のヒント
2年生は、自分と他者との違いを意識するようになり、「どうすればうまく関われるか」と悩みながら学んでいく時期です。
だからこそ、作文では「相手の立場」や「その時の気持ち」を想像する力が育っていることを活かしましょう。
たとえば、こんな視点から書いてみると良いです。
例文導入:
「友だちを軽い気持ちでからかったら、急に真顔になってしまった。“そんなつもりじゃなかった”という言葉は、相手には届かなかった。」
この出来事をもとに、相手の表情、空気の変化、自分の後悔、そして「なぜそんなことを言ってしまったのか」まで深く見つめていきます。
さらに、「次からはどうするか」「こういう場面がまたあったら自分は…」と、行動の変化につながる考察があると、作文として完成度が高くなります。
▶保護者・先生へのサポートポイント
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「その時、相手はどんな気持ちだったと思う?」という問いかけをしてみると、考えが深まります。
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この時期の子どもは、「正しい言葉」を探して書こうとすることがありますが、「感じたことを自分の言葉で」が大前提です。
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書いた後は、「あなたの気持ちがちゃんと伝わってきたよ」と、作文の内容をしっかり“読んで受け止める”姿勢を見せてあげてください。
3. 中学3年生向け|“社会とつながる視点”を持つテーマと書き方

▶おすすめのテーマ例
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ニュースやSNSで見た社会課題についての気づき
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国籍、性別、宗教など多様な背景への理解と考察
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アルバイト体験や職場見学で見た“働く人の人権”
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防災や災害対応の中で見えた「助け合い」と「不平等」
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将来の進路と人権意識をどう結びつけるか
▶書き方のヒント
3年生になると、社会や世界との接点を意識しながら自分の考えを深められるようになります。
この時期の作文は、「自分の経験+社会の問題」を掛け合わせるような書き方が有効です。
例文導入:
「あるニュースで、“車いす利用者が駅で困っていた”という話を聞いた。私が通学で使っている駅でも、似たような場面を思い出した。」
こうした、自分の生活と社会の出来事をつなげる視点は、考える力が伸びている中学3年生だからこそできるアプローチです。
「なぜその問題が起きているのか?」「どうすれば解決に近づくのか?」といった問いを自分なりに掘り下げながら、自分の行動にどうつなげるかを書けると、説得力のある人権作文になります。
▶保護者・先生へのサポートポイント
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社会的なテーマに挑戦したいという姿勢が見られたら、応援の一言を。「それ難しそうだけど、考えたらきっといい経験になるよ」と後押しを。
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内容が大人びている分、本人も「これでいいのかな?」と不安になることがあります。考える姿勢自体を肯定することが、やる気につながります。
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書き終わった後に、「この考え、ぜひ誰かにも伝えたいね」と共感することで、作文が「伝える喜び」として残ります。
4. 学年共通で気をつけたいこと|“いい作文”より“伝わる作文”をめざして

中学生が人権作文を書くとき、特に大切にしてほしいポイントを学年共通でまとめておきます。ここは保護者・先生にもぜひ意識していただきたい内容です。
① 経験や感情にウソをつかない
「立派なことを書こう」と意識しすぎると、どこかで作り話のようになってしまいます。等身大の気持ちや体験こそ、人の心を動かす力を持っています。
大人の視点では物足りなく思えるような内容でも、本人が心から考えたことであれば、それは大切な“人権の学び”です。
② 難しい言葉より、自分の言葉で
「差別」「偏見」「尊重」など、人権に関する用語を無理に使おうとすると、文章が不自然になることがあります。
まずは、自分の感じたことを、自分の言葉で素直に書くことを大切にしましょう。そこに先生や保護者が少しだけ言葉の補足を加えてあげると、理解も深まります。
③ 構成を意識するだけで読みやすく
人権作文は「テーマ+体験+気づき+考え+これから」といった流れを意識すると、とても読みやすくなります。
構成の一例:
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はじめに:きっかけになったできごと
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中盤:そのときどう感じ、何を考えたか
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結び:これから自分がどう行動したいか
この流れを意識するだけで、子どもたちはぐんと書きやすくなります。
5. まとめ|人権を“じぶんごと”として考える一歩に

人権作文は、難しいテーマに取り組むものではありません。
むしろ、自分の中にある「モヤモヤ」や「うれしかった気持ち」「なんだかイヤだなと思った経験」などを、じっくり見つめ直す時間です。
学年ごとに経験の幅や考え方の深さは違いますが、どんな立場の子どもにも、「自分なりの気づき」は必ずあります。
保護者や先生がその気づきを信じ、サポートしてあげることで、子どもたちは言葉にする力、他者と向き合う力を少しずつ育てていきます。
「上手に書こう」とするのではなく、
「自分の言葉で、自分の気持ちを伝えてみよう」
そんなスタートを、ぜひ一緒に応援していただけたらと思います。
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