こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《「穀雨」ってどんな時期?小学生にもわかる!季節の豆知識まとめ》について紹介させて頂きます。
はじめに
春も終わりに近づき、新緑がいよいよ色濃くなってくる頃、「穀雨(こくう)」という言葉を目にしたことはありませんか?
季節の便りとして、カレンダーや天気予報などにも登場するこの言葉は、実は昔の日本人が自然とともに暮らす中で生まれた「二十四節気」のひとつです。
「穀雨」とはどんな意味を持つのか、いつ頃のことを指すのか、また子どもたちの学びや暮らしとどう関わっているのか——。
この記事では、小学生にも理解できる言葉で穀雨について解説しながら、自然や文化にまつわる豆知識も紹介していきます。家庭での会話のきっかけや、自由研究のヒントとしてもお役立ていただければ幸いです。
1. 「穀雨」とは?

「穀雨(こくう)」とは、春の雨が田畑を潤し、穀物の芽吹きや生長を助ける時期を意味します。
もともとは中国から伝わった暦「二十四節気(にじゅうしせっき)」の一つで、日本でも長い間、季節の移り変わりを知る手がかりとして用いられてきました。
■ いつのこと?
穀雨は、毎年おおよそ4月20日頃から5月5日頃までの時期を指します。これは「太陽の動き(黄道上の位置)」によって決まっており、年によって少し前後することもありますが、ほぼゴールデンウィーク前の約15日間を表しています。
■ 二十四節気の中では?
二十四節気は、1年を24の季節に分けて表現した暦で、それぞれに自然の変化や暮らしのリズムが反映されています。
その中で「穀雨」は6番目の節気にあたり、「春の最後の節気」として位置づけられています。次に来る「立夏(りっか)」からは、いよいよ夏が始まります。
■ 名前の由来
「穀雨」という名前は、漢字の通り「穀物(お米や麦など)に恵みの雨が降る時期」という意味を持っています。春の終わりに降る雨が、種まきを終えた田畑を潤し、これから成長していく植物にとって大切な水分を与える。そんな自然の循環を、たった二文字で表現しているのです。
2. 穀雨の頃の自然と暮らし

穀雨の時期には、自然界でも人々の暮らしの中でも、さまざまな変化が見られます。
■ 雨が多くなる
「春の長雨」という言葉があるように、この時期は雨の日が比較的多くなります。とはいえ、梅雨のようにジメジメと長く続くわけではなく、ほどよい雨が降ったり止んだりするのが特徴です。
この雨が、土の中にまかれた種に水を届け、芽吹きを促してくれます。
■ 植物がぐんぐん育つ時期
気温が安定し、日差しも少しずつ強くなる穀雨の頃は、植物にとって成長にぴったりの環境です。
家庭の庭や学校の花壇、公園などでも、チューリップや藤の花、たんぽぽ、つつじなど、色とりどりの春の花々が見られる季節です。
また、田んぼでは水を張る準備が始まり、地域によっては田植えの第一歩である「代かき(しろかき)」の作業が行われるところもあります。
■ 農業のスタート時期
穀雨という名前からもわかるように、農業にとってはとても重要な時期です。冬の間に休んでいた田畑が目覚め、いよいよ稲作や野菜作りが本格的に始まるタイミング。
昔の人々にとっては、この穀雨が「作物の一年が始まる合図」のようなものでした。自然とともに生きていた時代には、こうした節目が日々の暮らしを支えていたのです。
3. 穀雨にまつわる豆知識

「穀雨」という言葉には、短いながらも深い意味が込められています。ここでは、この季節にまつわる豆知識をいくつか紹介します。
■「穀物」の意味
「穀」という字は、稲(いね)や麦(むぎ)、あわ、きび、ひえ、とうもろこしなど、私たちが日々の食事でお世話になっている作物のことを指します。特に、米や麦のように主食になるものを「穀物」と呼びます。
この時期の雨は、そうした穀物の成長に欠かせないもの。乾燥しがちな春の終わりに降る恵みの雨が、田畑を潤し、芽吹いた作物に栄養を届けてくれるのです。
■「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」という言葉
「穀雨」にちなんだ言葉のひとつに、「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」があります。これは、「春に降る雨は百種類もの穀物に恵みを与えるありがたいものだ」という意味で、穀雨の時期を象徴する表現でもあります。
天から降る雨は、どの穀物にも等しく恩恵をもたらします。そのありがたさを知り、自然への感謝の気持ちを忘れない。そんな昔の人の暮らしぶりが、言葉の中にも息づいています。
■ 気温や天気の変化にも注目
穀雨の頃は、日中は暖かくても朝晩は肌寒さを感じることがあります。地域によっては急なにわか雨や風も見られるため、衣類の調節や天気のチェックが欠かせません。自然のちょっとした変化に目を向けることは、子どもたちの感性を育てるきっかけにもなります。
4. 小学生の学びと「穀雨」

穀雨の話題は、単なる季節の話にとどまりません。小学校で学ぶさまざまな教科とも関連しており、総合的な学びにつなげることができます。
■【国語】季語や俳句とリンク
俳句や短歌など、日本の伝統的な文学には季節の言葉「季語(きご)」がよく使われます。「穀雨」も春の季語の一つ。国語の授業で俳句を学ぶ際には、こうした節気の言葉に触れることで、自然と日本語の豊かさに親しむことができます。
たとえば、
「穀雨過ぎ 畦道歩く 苗の香や」
といった俳句を作れば、季節の風景を言葉で表現する練習にもなります。
■【理科】植物の成長とのつながり
穀雨の時期は、植物の生長が活発になる頃。理科の授業では、植物の育ち方や日光・水の大切さを学びます。この時期に外に出て、実際に発芽や成長の様子を観察することで、教科書の内容がより深く実感できるでしょう。
また、春の天気の特徴(気温の上昇、雨の多さ)について学ぶ単元とも関係してくるため、身の回りの天候と合わせて学習するのがおすすめです。
■【社会・生活】昔の農業や自然との暮らし
日本の農業は、昔から自然のリズムとともに歩んできました。「穀雨」はその代表的な節目です。地域によっては今でも田植えの準備が行われ、伝統的な農作業や行事を体験できるところもあります。
生活科や社会の学習では、地域の行事や農業体験を通じて、自然との関わりを学ぶことができます。穀雨をきっかけに、今と昔の暮らしを比べてみるのも良い学びになります。
5. 覚えやすいポイントと活用法

「穀雨」という言葉にまだなじみがない場合でも、次のように覚えると印象に残りやすくなります。
■ 覚え方のコツ
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**「穀」=穀物(お米や麦など)
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「雨」=それを育てる恵みの雨
つまり、**「穀雨=穀物を育てる春の雨」**と覚えるだけでOKです。意味がわかると、カレンダーに書かれている言葉もぐっと身近に感じられるようになります。
■ 日常生活での活用アイデア
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天気予報を見るときに、「今日は穀雨の頃だな」と思い出してみる
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散歩や通学中に、田んぼや畑の変化に注目してみる
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自宅や学校で、花や野菜を育てて観察してみる
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家族との会話の中で、「穀雨って知ってる?」と話題にしてみる
ほんの少しの意識でも、自然の変化や季節のリズムに敏感になり、自分の暮らしと自然とのつながりを感じやすくなります。
まとめ

「穀雨(こくう)」は、ただの季節の名前ではなく、自然や農業と深く関わる大切な節目のひとつです。
春の最後を彩るこの時期は、草花が咲き、田畑が動き始め、自然の生命力があふれる頃でもあります。
小学生にとっても、言葉や知識だけでなく、「見て、感じて、考える」体験として学ぶ絶好のタイミングです。家庭や学校での会話の中に「穀雨」という言葉が登場するだけでも、自然に目を向けるきっかけになります。
そして、何よりも、「自然の恵みに感謝する心」を育てることは、これからの未来を生きる子どもたちにとって、とても大切なこと。
毎年やってくる季節のリズムに少しずつ親しんでいけるよう、大人も子どもも一緒に楽しみながら学んでいけたら素敵ですね。
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