こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《【小学生の人権作文】学年別ネタ&テーマ40選|書きやすい例と書き方のコツ》について紹介させて頂きます。
- はじめに|「人権作文って、何を書けばいいの?」という戸惑いに寄り添って
- 1. そもそも「人権」ってなに?小学生にどう説明する?
- 2. 人権作文でよく出るテーマとは?
- 3. 学年別・人権作文のネタ40選
- 4. 人権作文の書き方・テンプレート
- 5. 人権作文を書くときの注意点とサポートのコツ
- まとめ|人権作文は「自分の気持ち」を見つめる時間
はじめに|「人権作文って、何を書けばいいの?」という戸惑いに寄り添って
小学校で毎年のように出される「人権作文」。
でも実際には、こんな声が多く聞かれます。
-
「人権って言われても、子どもに説明するのが難しい…」
-
「ネタが思いつかなくて、親が一緒に悩んでいる」
-
「そもそも“正解”があるのかわからない」
特に、学年が低いほど「人権」という言葉自体がむずかしく感じられがちです。
でも、子どもたちの毎日の暮らしや体験の中には、「人権」に関わるテーマがたくさんあります。
この記事では、**小学生の学年ごとにわかりやすく、「人権作文のネタ」や「書き方のコツ」**を紹介します。
作文が得意でない子でも、自分の言葉で「人権」について考え、表現できるよう、保護者や先生がサポートしやすいヒントをまとめました。
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1. そもそも「人権」ってなに?小学生にどう説明する?
「人権」という言葉、大人にとっても少しかたく感じますよね。
ましてや小学生に、「人権とは…」と説明してもピンとこないことが多いです。
そこで、まずは子どもにも伝わりやすい言いかえから始めましょう。
✔ 人権=「みんなが大切にされて生きること」
たとえば、こんな言葉ならどうでしょう?
-
「自分の気もちを大事にしてもらえること」
-
「いやなことを“いや”って言っていいこと」
-
「お友だちを大切にすること」
-
「見た目やできることがちがっても、バカにされないこと」
これらはすべて、「人権」に関わる内容です。
子どもたちは、けんかをしたり、仲直りしたり、助け合ったり、さまざまな場面で感情を経験しています。
そこに**「どんな気持ちだった?」「どうしてそう思ったの?」**と問いかけることで、自然と「人権」に近づくことができます。
2. 人権作文でよく出るテーマとは?

学校で出される「人権作文」は、「道徳」や「学級活動」で学んだこと、あるいは普段の生活の中で感じたことを元に書くのが基本です。
以下のようなテーマは、特に多くの子どもが取り組みやすい定番ジャンルです。
よくある人権作文のテーマ例
| テーマ | 内容の例 |
|---|---|
| いじめやからかい | からかわれて悲しかった経験、友達を助けたこと |
| 思いやりの大切さ | 親切にされたこと、逆に冷たくされたときの気持ち |
| 命の大切さ | ペットの死、ニュースを見て感じたこと |
| 自分の考えを言うこと | 学級会で意見を言った体験、言えなかったときの後悔 |
| ちがいを大切にすること | 外国の子や障がいのある友だちとのふれあい |
テーマに正解はありません。
大切なのは、「自分が経験したことを通して、人の気持ちや自分の考えを深める」ことです。
保護者や先生は、子どもの日常のエピソードを丁寧に聞きながら、「それって、人を大切にすることだったね」「嫌な気持ちになったのも、大事なことだよ」と言葉をかけてあげることで、作文のきっかけを作れます。
3. 学年別・人権作文のネタ40選

ここからは、学年ごとに「書きやすい人権作文のネタ」をご紹介します。
低学年(1・2年生)、中学年(3・4年生)、高学年(5・6年生)で子どもたちが体験しやすいことをベースに、保護者や教師の方が一緒に「これ書けそうだね」と話を広げられるように工夫しています。
■ 低学年向け(1・2年生)|身近な出来事から人の気持ちにふれる
低学年の子どもたちは、まだ「人権」という言葉は難しくても、「うれしかった」「かなしかった」「いやだった」などの感情にはとても敏感です。
作文のテーマは、自分の体験に寄り添いながら、気持ちに注目するものが書きやすいです。
テーマ例(1〜2年生)
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やさしくしてもらってうれしかったこと
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いやなことを言われてかなしかったこと
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ともだちを助けたら、ありがとうと言われたこと
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まちがえても笑われなかった話
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あいさつをして気持ちがよかったこと
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けんかをして、ごめんねって言えた話
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手伝ってあげたときの気持ち
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おともだちが泣いていたとき、どうしたか
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ちがう考えをもつ友だちと話せたこと
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いやなことを「いや」と言えた体験
指導のポイント
-
「どんな気持ちだった?」と感情を掘り下げると、作文に深みが出ます
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結論から書くのではなく、「こんなことがあったよ」という出来事の紹介から始めるとスムーズです
-
短い文章でも「自分の言葉」で書いているかを大切に
■ 中学年向け(3・4年生)|自分とちがう誰かと関わる経験を
中学年になると、「自分と違う立場や気持ちをもった人がいる」ということに気づき始めます。
ここでは、友だちとの違いや、クラスの中での関わり、集団生活の中で感じたことなどが良い題材になります。
テーマ例(3〜4年生)
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学級会で自分の意見を言えたこと
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違う意見の友だちと話して気づいたこと
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からかわれている子を見たとき、自分はどうしたか
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友だちの名前をからかってはいけないと思ったこと
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失敗した友だちを笑わなかった話
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外国から来た友だちと話したこと
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しょうがいのある人とふれ合って感じたこと
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「ありがとう」と「ごめんね」の大切さ
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みんなと同じじゃなくていいと思った話
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仲間外れにされていた子と仲よくなった経験
指導のポイント
-
「そのとき、自分はどう思った?」「どう行動した?」という内面と行動のセットを引き出すと◎
-
教室であった小さな出来事でも十分。大げさなエピソードよりもリアルな日常が心に響きます
-
保護者・教師は「これは人権に関係あるんだよ」と意味づけてあげるサポートが重要
■ 高学年向け(5・6年生)|社会の中の「人権」に目を向ける
高学年になると、「自分の気持ち」や「クラス内の出来事」だけでなく、ニュースや社会問題、歴史などに目を向ける力が育ってきます。
作文テーマも少し踏み込んだ内容にして、「それについて自分はどう思うか」「どうしたらいいか」を考えるきっかけにできます。
テーマ例(5〜6年生)
-
SNSやゲームでの言葉の使い方について考えたこと
-
無視やいじめが起きる理由と、自分ができること
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見た目や性別で人を決めつけない大切さ
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「ふつう」ってなんだろう?と思ったこと
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誰もが安心できるクラスをつくるには
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家族の中で話し合ったルールとその意味
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災害時に「弱い立場の人」をどう助ける?
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高齢者や障がいのある人への思いやり
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外国の人が安心して暮らせるには?
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自分の思いを言えなかったときの反省と学び
指導のポイント
-
「社会とのつながり」をテーマにすることで、より深い気づきを引き出せます
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保護者や教師が、ニュース記事や動画、読み物などを事前に共有してあげると、思考のヒントになります
-
感じたことだけでなく、「なぜそう思ったのか」「どうしていきたいのか」まで書けると説得力のある作文になります
4. 人権作文の書き方・テンプレート

どの学年でも、「何から書けばいいのか分からない」と悩む子どもは多いです。
ここでは、**書きやすくするための構成の型(テンプレート)**をご紹介します。
人権作文の基本構成
作文の構成は、大きく分けてこの4つの流れが基本です。
①【きっかけ・出来事】
→ いつ・どこで・どんなことがあったか
例)ある日、学校の帰り道にこんなことがありました。
②【感じたこと】
→ そのとき、自分はどう感じた?
例)わたしは、見ていてとてもいやな気持ちになりました。
③【考えたこと】
→ どうしてそう思った?そこから何に気づいた?
例)きっと、わたしもあの子の立場だったら、すごく悲しいと思います。
④【まとめ・これから】
→ この経験から学んだこと・今後どうしたい?
例)これからは、困っている子がいたら、すぐ声をかけたいです。
テンプレートにあてはめた例(中学年)
テーマ:いじめを見て、何も言えなかったこと
① 学校の休み時間、友だちが他の子をからかって笑っていました。
② わたしは、それを見て「かわいそう」と思ったけど、何も言えませんでした。
③ 「もし自分だったら、やめてほしいって思うはずなのに」と気づきました。
④ 次からは、声に出して「それはよくないよ」と言える人になりたいと思います。
このように、きっかけ → 感情 → 気づき → 行動につなげる流れを意識するだけで、文章にまとまりが生まれます。
保護者や先生が、「これ、どこまで書けたかな?」と一緒に確認していくと、作文に対する苦手意識もぐっと減っていきます。
5. 人権作文を書くときの注意点とサポートのコツ

子どもにありがちなつまずきポイント
人権作文では、子どもたちが「人権ってなに?」「テーマがむずかしい…」と感じて、手が止まることがあります。特に、
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難しい言葉を使いすぎてしまう
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書きたいことが多すぎて、何を伝えたいのか分からなくなる
-
体験を書かずに、教科書的なことばかり並べてしまう
などがよく見られるポイントです。
こうした時、保護者や教師がそっと導くことで、子どもが「自分の言葉」で書けるようになります。
サポートのコツ①|「人権」より「気持ち」に目を向ける
まずは「人権ってなに?」よりも、
「それ、どんな気持ちだった?」「いやだった?」「うれしかった?」と、感情を引き出す質問が効果的です。
子どもが体験した「うれしかったこと」「いやだったこと」は、ほとんどの場合、誰かが自分の人権を大切にしてくれた/してくれなかったということに繋がります。
サポートのコツ②|体験を引き出す対話を
作文に向かう前に、子どもとゆっくり話す時間をとるのもおすすめです。
たとえば、
-
最近学校でびっくりしたことあった?
-
困ってる子、見かけたことある?
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先生や友だちに言われてうれしかったことは?
-
おうちで話し合ってよかったことは?
といった日常をヒントにした問いかけで、子どもが自分の中にあるエピソードに気づくことがあります。
サポートのコツ③|「型」があれば安心
先に紹介した作文の型(きっかけ→感情→気づき→まとめ)は、特に作文が苦手な子に有効です。
「まず何を書くか」がはっきりすると、不安も和らぎ、自信を持って書き進められます。
教師の場合は、授業の中で型の例を紹介したり、他の児童の例文を許可のもとでシェアするのも効果的です。
まとめ|人権作文は「自分の気持ち」を見つめる時間

人権作文は、「正しい答え」を書くためのものではありません。
それよりも、子ども自身が体験したことや感じたことを、じっくり見つめ直すきっかけになります。
とくに小学生の場合、「人権=むずかしいこと」と思いがちですが、
-
友だちとケンカしたとき
-
お年寄りに席をゆずったとき
-
自分の気持ちを言えてうれしかったとき
そうした何気ない毎日の中に、「人権」はたくさんかくれています。
子どもの視点をていねいにすくい上げ、大人がサポートすることで、人権作文はぐっと書きやすく、伝わりやすくなります。
作文を書いたあと、読み返して「これ、自分の気持ちがちゃんと書けてる!」と子ども自身が思えたら、それはもう立派な人権作文です。
保護者や先生が少しだけ手助けをすることで、子どもたちの「自分を表現する力」と「相手の気持ちを考える力」が、自然と育っていきます。
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