
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《国語だけじゃない!小学生の「算数脳」を育てる意外な読書術とおすすめ本8選》について紹介させて頂きます。
- 導入:「読書好き=国語が得意」だけじゃない?物語が『算数脳』を覚醒させる秘密
- 第1章:なぜ「読書」が「算数脳」を育てるのか?3つのすごい繋がり
- 第2章:いつもの読書を「算数脳トレーニング」に変える!親子でできる3つの読書術
- 第3章:【タイプ別】読めば算数がもっと好きになる!おすすめ本8選
導入:「読書好き=国語が得意」だけじゃない?物語が『算数脳』を覚醒させる秘密
「うちの子、物語を読むのは大好きなのに、算数の文章問題になると途端に手が止まってしまう…」 「国語のテストはできるのに、算数になると図形がイメージできないみたいで…」
読書好きのお子さんを持つ保護者の方から、このような悩みをよく耳にします。「国語」と「算数」は、全く別の世界の能力だと感じてしまいますよね。
しかし、もしその**読書習慣こそが、算数を得意にするための「最高の隠れトレーニング」**になるとしたら、知りたくありませんか?
実は、物語の世界に夢中になることで、知らず知らずのうちに鍛えられている「ある力」が、算数の問題を解く上で不可欠な「算数脳」と深く結びついているのです。
この記事では、算数嫌いのお子さんでも、大好きな読書を通じて楽しみながら「算数脳」を覚醒させる、目からウロコの読書術と、その効果を最大限に引き出すおすすめの本を厳選してご紹介します。
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第1章:なぜ「読書」が「算数脳」を育てるのか?3つのすごい繋がり

まず、「算数脳」とは、単に計算が速いことではありません。それは**物事を筋道立てて考え(論理的思考力)、情報を整理し、目に見えないものを想像する(空間認識能力)「総合的な思考力」**です。そして驚くことに、これらの力は物語を読むことで効果的に鍛えられます。
繋がり①:文章問題の「読解力」が劇的にアップする(論理的思考力)
物語の「誰が」「何をしたか」「その結果どうなったか」という因果関係を追いかける力は、算数の文章問題で「何が問われ」「どの数字を」「どう使うべきか」を正確に把握する力と全く同じです。物語の伏線を回収するスリルは、式を立てる論理力に直結します。
繋がり②:頭の中に「見えない世界」を描く力がつく(空間認識能力)
文章だけを頼りに、冒険の地図やお城の見取り図を頭の中に思い描くことは、算数の平面図形や立体図形を、頭の中で回転させたり、組み立てたりする「空間認識能力」の最高のトレーニングになるのです。
繋がり③:「もしこうだったら?」と粘り強く考える力がつく(試行錯誤力)
「犯人は誰だろう?」「この後、主人公はどうするべきだろう?」と物語の展開を予測し、自分なりの仮説を立てることは、「この式で解けないなら、別の方法を試してみよう」という、算数の問題を解く上での「粘り強さ」や「試行錯誤する力」を育みます。
第2章:いつもの読書を「算数脳トレーニング」に変える!親子でできる3つの読書術

特別なドリルは一切不要です。いつもの読書の時間に、保護者の方の「声かけ」を少し変えるだけで、最高の算数脳トレーニングに変わります。
読書術①:「どうして?」「君ならどうする?」魔法の質問で論理力を鍛える
読後に、「どうして主人公はここで怒ったんだと思う?」「もし君が主人公だったら、この場面でどうした?」と問いかけます。物語の構造や登場人物の動機を自分の言葉で説明させることが、物事を筋道立てて考える訓練になります。
読書術②:「冒険の地図を描いてあげて!」でイメージ力を鍛える
冒険物語などを読んだ後に、「主人公たちが迷子にならないように、君が地図を描いてあげてくれる?」「登場人物たちがどんな風に動いたか、簡単な図にして教えて!」と促します。文章という情報を、図や絵という情報に変換する作業が、空間認識能力を直接的に刺激します。
読書術③:「数字探しゲーム」で数量感覚を鍛える
「この章には、動物が全部で何匹出てきたかな?」「家から学校まで何分かかった?」など、物語に出てくる数字(時間、人数、距離など)に注目させるゲームをします。物語を「数量」という算数的な視点で捉えるクセが自然と身につきます。
第3章:【タイプ別】読めば算数がもっと好きになる!おすすめ本8選

算数脳を刺激する本は、算数の問題集だけではありません。お子さんの「好き」に合わせて選べるよう、4つのタイプ別におすすめの本をご紹介します。
タイプ①:【論理パズル・謎解き系】ゲーム感覚で論理力を鍛える本
1. 『おしりたんてい』シリーズ (作・絵:トロル / ポプラ社)
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対象年齢の目安:小学校低学年~
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こんな子におすすめ!:クイズや迷路が好きな子
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この本の「算数脳」ポイント:事件解決のために、証言や証拠という断片的な情報を整理し、筋道を立てて犯人を追い詰めるプロセスは、まさに論理的思考そのものです。
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親子での会話のヒント:「おしりたんていは、どんな順番で犯人を見つけたかな?一緒に整理してみようか」
2. 『科学探偵 謎野真実』シリーズ (作:佐東みどり 他 / 朝日新聞出版)
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対象年齢の目安:小学校中学年~
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こんな子におすすめ!:科学や理科の実験が好きな子
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この本の「算数脳」ポイント:科学的な知識を根拠に、論理的に謎を解き明かしていきます。「AならばBである」という思考の連鎖を、物語を楽しみながら追体験できます。
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親子での会話のヒント:「このトリックを見破るために、一番大事なヒントはどれだったと思う?」
タイプ②:【冒険・ファンタジー系】壮大な世界観で空間認識能力を鍛える本
3. 『精霊の守り人』 (作:上橋菜穂子 / 偕成社)
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対象年齢の目安:小学校高学年~
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こんな子におすすめ!:本格的なファンタジーや、強い主人公の物語が好きな子
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この本の「算数脳」ポイント:主人公バルサが、追手から逃れるためにどのようなルートを辿り、どこに身を隠すのか。文章から国の地理や位置関係を読み取り、頭の中に地図を描くことで、高度な空間認識能力が鍛えられます。
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親子での会話のヒント:「もし自分がバルサだったら、どの道を通って逃げる?地図を描いて作戦会議をしてみよう!」
4. 『デルトラ・クエスト』シリーズ (作:エミリー・ロッダ / 岩崎書店)
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対象年齢の目安:小学校中学年~
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こんな子におすすめ!:地図や謎解き、カードゲームが好きな子
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この本の「算数脳」ポイント:各巻の最初に示される地図が物語の重要な鍵となります。地図と本文の情報を照らし合わせ、目的地までの道のりを計画し、危険を予測するプロセスは、空間認識能力と段取り力をダイレクトに刺激します。
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親子での会話のヒント:「地図を見て、次に主人公たちが向かう場所はどこだと思う?どんな危険が待っているか予測してみよう!」
タイプ③:【SF・科学読み物系】知的好奇心と数量感覚を刺激する本
5. 『ざんねんないきもの事典』シリーズ (監修:今泉忠明 / 高橋書店)
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対象年齢の目安:小学校全学年向け
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こんな子におすすめ!:生き物や雑学が好きな子
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この本の「算数脳」ポイント:「なぜそうなった?」という進化の理由を考えることは、科学的な思考の第一歩。生き物の大きさや寿命など、様々な数字に触れることで数量感覚も磨かれます。
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親子での会話のヒント:「この中で一番大きい生き物はどれかな?」「どうしてこんな形に進化したんだと思う?」
6. 『なぜ?どうして? 宇宙のお話』 (監修:渡部潤一 / 高橋書店)
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対象年齢の目安:小学校中学年~
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こんな子におすすめ!:星や宇宙、科学の不思議が好きな子
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この本の「算数脳」ポイント:「どうして星は光るの?」といった素朴な疑問に、専門家が答えるQ&A形式。原因と結果を考える論理力や、「光年」のような日常とかけ離れた大きな数をイメージする力がつきます。
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親子での会話のヒント:「この本を読んで、宇宙について一番びっくりしたことは何だった?」
タイプ④:【算数がテーマの物語】算数への苦手意識がなくなる本
7. 『数の悪魔 算数・数学が楽しくなる12夜』 (作:エンツェンスベルガー / 晶文社)
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対象年齢の目安:小学校高学年~
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こんな子におすすめ!:算数に強い苦手意識がある子
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この本の「算数脳」ポイント:算数嫌いの少年が悪魔と出会い、夜ごと夢の中で数の不思議な性質を発見していく物語。「0の魔法」や「無限」など、計算ではなく「数の概念」そのものの面白さに気づかせてくれます。
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親子での会話のヒント:「今日の夢で習った数の魔法で、一番面白いと思ったのはどれ?」
8. 『浜村渚の計算ノート』シリーズ (作:青柳碧人 / 講談社文庫)
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対象年齢の目安:小学校高学年~
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こんな子におすすめ!:ミステリーや少し大人っぽい話が好きな子
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この本の「算数脳」ポイント:数学テロ組織と戦う天才数学少女の物語。「鶴亀算」「植木算」などが、事件を解決する鮮やかな武器として登場し、「算数って、こんなにカッコよくて役に立つんだ!」と実感できます。
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親子での会話のヒント:「渚が使った数学の技、学校で習ったことある?」「この暗号、私たちも解けるかな?」
まとめ:読書で育む「しなやかな思考力」が、未来の算数力を支える

算数力とは、計算の速さだけではなく、物事を筋道立てて考え、情報を整理し、粘り強く解決策を探る**「総合的な生きる力」**です。
読書は、国語力はもちろんのこと、その土台となる論理力、想像力、試行錯誤力といった**「しなやかな思考力」**を、楽しみながら自然と育むための最高のツールなのです。
計算ドリルに向かう前に、まずはお子さんと一緒に、算数脳を意識して一冊の本を読んでみませんか?物語の世界を冒険することが、算数の世界を冒険する力に繋がっていることに、きっと驚くはずです。
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