
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《【読書感想文が書けない小学生のみなさんへ】この「魔法の質問5つ」に答えるだけでスラスラ書ける! 》について紹介させて頂きます。
- 導入:目の前の原稿用紙は「敵」じゃない。「自分の心を探検する地図」だ!
- 第1章:なぜ魔法が必要? 感想文が書けない「本当の理由」
- 第2章:【実践】あなただけの物語を紡ぐ「5つの魔法の質問」
- 第3章:魔法の呪文! 質問の答えを「感想文」に変える組み立て方
- まとめ:魔法の杖は、もうあなたの手に
導入:目の前の原稿用紙は「敵」じゃない。「自分の心を探検する地図」だ!
本を読み終えた、その瞬間。 「面白かった!」「感動した!」 心の中には、確かに熱いものが残っているはずなのに、いざ原稿用紙を前にすると、その気持ちが言葉にならず、頭が真っ白になってしまう。真っ白な原稿用紙が、まるで大きな壁のように見えてしまう…。
これは、読書感想文で悩む、とても多くの人が経験する壁です。
しかし、安心してください。感想文が書けないのは、あなたの心に「感想」がないからでは決してありません。ただ、心の中に眠っている宝物のような「感想」を、どうやって見つけ出し、どんな順番で言葉にすればよいか、その**「探検の地図」**を持っていないだけなのです。
この記事では、誰でも簡単に「感想の宝物」を見つけ出せる**「5つの魔法の質問」**をご紹介します。
この質問に順番に答えていくだけで、あなただけの感想文の「設計図」が驚くほど自然に完成します。これは、小学生にとっては最高の冒険ガイドであり、お子さんをサポートしたい大人にとっては、一生使える「考える道具」としてご活用頂ければ幸いです。
✨関連記事はこちら👇
第1章:なぜ魔法が必要? 感想文が書けない「本当の理由」

そもそも、読書感想文とは何でしょうか。 それは、「上手な文章を書くテスト」ではありません。本当は、**「本という鏡を使って、自分自身の心をのぞき込み、そこで発見したことを報告するレポート」**なのです。
書けなくなる一番の理由は、とてもシンプルです。「さあ、感想を書きなさい」という問いが、あまりにも大きすぎること。これは、大人でも「自由に何か書いてください」と言われると困ってしまうのと同じです。
大切なのは、漠然とした「感想」という大きな魚を追いかけるのではなく、具体的な「問い」という釣り糸を垂らすこと。これから紹介する5つの質問は、あなたの心の中から、素晴らしい言葉を釣り上げるための、魔法の釣り糸なのです。
第2章:【実践】あなただけの物語を紡ぐ「5つの魔法の質問」

ここからが、あなたの心を探検する冒険の本番です。魔法の質問は、単なる問いかけではありません。一つひとつが、あなたの思考を次のステージへと導く「扉」の役割を果たします。
最近読んだ本を一冊思い浮かべながら、焦らず、じっくりと扉を開けていきましょう。
魔法の質問①【旅の始まりの扉】
数ある本の中から、なぜあなたはその本を選んだのですか?
-
この質問がひらく「思考のトビラ」(大人向け解説): これは、読書体験という旅の**「導入」**を言語化する質問です。「宿題だから」という受け身の姿勢から、「自分が選んだ」という主体的な関わりへと意識を転換させる効果があります。書き手自身の動機や期待から文章を始めることで、読者はスムーズにその世界に入り込むことができます。感想文の書き出しで悩む時間を、ゼロにするための扉です。
-
答えを見つけるヒント:
-
表紙の絵の、どこに惹かれましたか? 色使い、キャラクターの表情、描かれている風景?
-
タイトルから、どんな物語を想像しましたか? ワクワクする冒険、悲しいお話?
-
本の帯に書かれていたキャッチコピーや、裏表紙のあらすじに心を動かされましたか?
-
友達や先生は、この本をどんな風に紹介してくれましたか?
-
-
【やってみよう!】具体的な思考のステップ 例えば、『アリとキリギリス』を選んだとします。「夏なのに、なぜアリだけ必死に働いているんだろう?と不思議に思ったから」かもしれませんし、「バイオリンを弾いているキリギリスが、なんだか楽しそうだったから」かもしれません。その素朴な「なぜ?」や「いいな」が、あなただけの感想文の、最高のスタート地点になります。
魔法の質問②【心の震源地を探る扉】
物語の中で、あなたの心が最も大きく動いたのは、どの場面・どの言葉でしたか?
-
この質問がひらく「思考のトビラ」(大人向け解説): 感想文の**「核(コア)」**、つまり最も伝えたい感動の中心点(クライマックス)を発見するための質問です。物語全体のあらすじをなぞるのではなく、読者自身の感情が最も強く揺さぶられた「一点」に焦点を絞らせることで、文章に熱量と独自性が生まれます。面白い映画の「一番好きなシーン」を語るように、ここを熱く語ることができれば、感想文は成功したも同然です。
-
答えを見つけるヒント:
-
思わず「やったー!」と叫びたくなった、嬉しかった場面はどこですか?
-
胸が締めつけられるように、悲しくなった、切なくなった場面はどこですか?
-
「それはひどい!」「許せない!」と、腹が立った場面はどこですか?
-
ハラハラドキドキして、ページをめくる手が止まらなかった場面はどこですか?
-
-
【やってみよう!】具体的な思考のステップ 『アリとキリギリス』なら、「冬になり、キリギリスが食べ物を探しにアリの家を訪ねる場面」かもしれません。ここで心が動いた、と感じることが重要です。楽しい場面である必要はありません。心が「ザワッ」としたり「チクッ」としたりした場所こそ、あなたの感想の震源地です。
魔法の質問③【「なぜ」で深掘りする扉】
「なぜ」、あなたの心はそこで動いたのだと思いますか?
-
この質問がひらく「思考のトビラ」(大人向け解説): 感情の「理由」を問い、自己分析を促す扉です。②で発見した感情の源泉に対し、「なぜ?」と問いかけることで、感想は表面的な「面白かった」から、一段深い「分析」へと進化します。このプロセスこそが、物事の本質を考える論理的思考力のトレーニングそのものです。
-
答えを見つけるヒント:
-
登場人物の気持ちが、痛いほどよくわかったからですか?
-
「自分も同じような経験をしたことがあるな」と、過去の記憶と重なったからですか?
-
予想もしていなかった展開に、心底びっくりしたからですか?
-
作者の巧みな表現に、「こんな書き方があるのか!」と感心したからですか?
-
-
【やってみよう!】具体的な思考のステップ なぜ、キリギリスがアリの家を訪ねる場面で心が動いたのか。「あんなに夏を楽しんでいたのに、冬になって困っているのがかわいそうだったから」かもしれません。あるいは、「アリの言うことを聞いておけばよかったのに、という気持ちと、でもキリギリスの気持ちも少しわかる、という複雑な気持ちになったから」かもしれません。正解はありません。あなたの心の中を探ることが目的です。
魔法の質問④【自分と世界をつなぐ扉】
その心の動きは、あなた自身の経験や考えと、どう繋がっていますか?
-
この質問がひらく「思考のトビラ」(大人向け解説): 物語と自己を接続し、感想文に決定的な**「オリジナリティ」**を生み出す、最も重要な扉です。AIには決して書けない、その人だけの体験や価値観が文章に織り込まれることで、ありきたりな感想文から「あなたの作品」へと昇華します。ここで見つけた繋がりが、文章の最も説得力のある部分になります。
-
答えを見つけるヒント:
-
キリギリスのように、先のことを考えずに「今が楽しければいいや」と思って後悔した経験はありませんか?(宿題を後回しにしたことなど)
-
アリのように、コツコツ頑張ったおかげで、後で良い思いをした経験はありませんか?(ピアノの練習、スポーツのトレーニングなど)
-
困っている友達(キリギリス)がいたら、あなたならアリのように助けてあげますか?それとも、違う方法をとりますか?
-
-
【やってみよう!】具体的な思考のステップ 「自分も、夏休みの宿題を最終日まで残しておいて、泣きそうになったことがある。あの時のキリギリスの気持ちは、痛いほどわかる」。このように、自分の「小さな失敗談」や「ささやかな成功体験」と物語を結びつけることで、感想文は一気にあなただけのリアルな言葉になります。
魔法の質問⑤【新しい自分へ向かう扉】
この本を読んで、あなたの考えや気持ちに、どんな変化がありましたか?
-
この質問がひらく「思考のトビラ」(大人向け解説): 読書体験の**「結論」**を導き出し、学びを未来へと繋げるための扉です。読書を通じて何を得て、その結果、自分の視点や行動がどう変わる(変わりたいと思った)のかを言語化することで、文章全体が美しく着地します。これは「学びの定着」プロセスであり、感想文を単なる思い出話で終わらせないための重要なステップです。
-
答えを見つけるヒント:
-
この本を読む前と後で、主人公やテーマに対する考え方はどう変わりましたか?
-
明日から、少しだけ意識してみたい、行動してみたいと思ったことは何ですか?
-
この本を、もし誰かにおすすめするとしたら、どんな言葉で伝えますか?
-
-
【やってみよう!】具体的な思考のステップ 「ただ遊んでいるキリギリスはダメで、働いているアリは偉い、と単純に思っていた。でも、この本を読んで、楽しむ時間も頑張る時間も、両方大切なのかもしれない、と考えるようになった」。このように、読む前の自分と、読んだ後の自分の「小さな変化」に気づくことが、感想文の立派な結論になります。
第3章:魔法の呪文! 質問の答えを「感想文」に変える組み立て方

驚くかもしれませんが、5つの質問の答えを順番に並べるだけで、読書感想文の骨組みは、もうあなたの手の中にあります。
-
質問①の答え → 《はじめ》(導入・書き出し)
-
質問②+③+④の答え → 《なか》(本論・感想の中心)
-
質問⑤の答え → 《おわり》(結論・まとめ)
この順番で、あなたがメモした言葉たちを、自分の言葉で文章として繋いでいくだけで、驚くほど自然な流れの感想文が出来上がります。
もう「何を書こう…」と、真っ白な原稿用紙の前で悩む必要はありません。あなたはただ、自分が見つけた「答え」を報告すればいいのです。
まとめ:魔法の杖は、もうあなたの手に

読書感想文とは、漠然とした感想をひねり出す作業ではありません。それは、具体的な「問い」に一つひとつ答え、自分の心を深く探検していく、知的な冒険です。
今回ご紹介した「5つの魔法の質問」は、読書感想文のためだけのテクニックではありません。何かを学び、深く考え、それを誰かに伝える。これは、私たちが社会で生きていく上で、何度も繰り返し行う、とても大切な活動の基本です。
この魔法の杖は、もうあなたの手の中にあります。 さあ、自信を持ってあなたの心を探検し、そこで見つけた宝物を、あなた自身の言葉で語ってみてください。目の前の原稿用紙はもう、あなたの素晴らしい発見を書き記すための、頼もしいパートナーになっているはずです。
✨関連記事はこちら👇