
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《【節分雑学】柊鰯(ひいらぎいわし)とは?小学生も驚く「最強の魔除け」の意味と、親子で試したい臭い実験》について紹介させて頂きます。
- はじめに
- 小学生もギョッとする!「柊鰯(ひいらぎいわし)」の正体
- 鬼が逃げ出す2つの理由!「痛覚」と「嗅覚」へのダブルパンチ
- 【自由研究】親子で検証!鬼の気持ちになる「実証実験」
- 飾る場所と期間、そして正しい「処分の仕方」
- まとめ:五感で感じる「魔除け」の文化
はじめに
節分といえば、「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆を撒き、年の数だけ豆を食べる。そして近年では、その年の恵方を向いて太巻きをかぶりつく「恵方巻」が一大イベントとして定着しています。
しかし、ふと近所の玄関先や、神社の入り口などに目を向けると、ギョッとするような光景に出くわすことはないでしょうか。
トゲトゲした葉っぱのついた枝に、焼かれた魚の頭が突き刺さっている――。
それが、古来より伝わる節分の飾り**「柊鰯(ひいらぎいわし)」**です。 現代の感覚からすると、少しグロテスクで不気味にさえ映るこの飾り。しかし、これこそがかつての日本人にとって、見えない恐怖(鬼や疫病)から家を守るための「最強のセキュリティシステム」でした。
なぜ、植物の枝に魚の頭を刺す必要があったのか? そこには、現代の私たちも納得する「論理的な理由」と、大人も子どもも驚くような「植物の不思議」が隠されています。
この記事では、節分の隠れた主役「柊鰯」の正体と深い意味、そして実際に親子でその効果を体感するための「実験」としての楽しみ方を解説します。今年は豆まきだけでなく、五感を刺激する日本の風習を深く味わってみませんか?
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小学生もギョッとする!「柊鰯(ひいらぎいわし)」の正体

まずは、このインパクト抜群の飾りの基本的な知識から紐解いていきましょう。地域によっては見かけることが少なくなったため、初めて見るというお子さんも多いかもしれません。
名前そのままの姿「ヒイラギの枝」と「イワシの頭」
「柊鰯」は、文字通り常緑樹である「柊(ひいらぎ)」の小枝に、焼いた「鰯(いわし)」の頭を刺したものです。
一般的には、節分の日(2月3日頃)に玄関の戸口や軒下に飾られます。 地域によっては**「焼嗅(やいかがし)」「やっかがし」「柊刺し(ひいらぎさし)」**などとも呼ばれます。「焼嗅」という呼び名は、イワシを焼いた時の「激しい臭い(嗅ぐ)」に由来しており、この飾りの本質をよく表しています。
平安時代から続く「日本最古の防犯システム」
この風習の歴史は非常に古く、平安時代にまで遡ります。 紀貫之が記した『土佐日記』の天承2年(936年)の記述に、正月に「鯔(ボラ)の頭」を柊に刺して飾っていた様子が描かれています。当時はイワシではなくボラが使われていたようですが、千年以上も前から「魚の頭と柊」の組み合わせが存在していたことになります。
また、江戸時代の書物には、節分の夜にイワシの頭を焼いて柊の枝に刺し、家の入り口に挿して「鬼の目を突く」とする風習が記録されています。
昔の人々にとって、病気や災害、飢饉といった災いはすべて「鬼」の仕業だと考えられていました。現代のように科学や医療が発達していなかった時代、家の入り口に強力な「結界(バリア)」を張ることは、家族の命を守るための切実な願いだったのです。つまり柊鰯は、現代で言うところの「防犯カメラ」や「ホームセキュリティ」のような役割を果たしていたと言えるでしょう。
鬼が逃げ出す2つの理由!「痛覚」と「嗅覚」へのダブルパンチ

では、なぜ数ある植物や魚の中で、「柊」と「鰯」が選ばれたのでしょうか。 そこには、鬼の弱点をピンポイントで突く、非常に合理的な2つの理由があります。子どもに説明する際は、「鬼がどうしても家に入れない理由」として話してあげると、その仕組みに驚くはずです。
1. ヒイラギの鋭いトゲで「目を攻撃」する(物理攻撃)
一つ目の武器は、ヒイラギの葉にある鋭利な「トゲ」です。
ヒイラギの葉の縁は、ノコギリのようにギザギザしており、先端は針のように尖っています。うっかり触ると、人間でも飛び上がるほど痛いものです。 この鋭いトゲが、家に入ろうとする鬼の「目」を突き刺すと信じられていました。
「門のところにこんな危ないトゲがあったら、目を怪我してしまう!痛くて入れない!」 そう鬼に思わせて、侵入を物理的に阻止する役割があります。まさに有刺鉄線のような役割です。
【大人のための植物雑学:ヒイラギのトゲは丸くなる?】 ここで一つ、興味深い植物学的なトリビアを紹介します。 実はヒイラギの葉のトゲは、木が若いうちは鋭いのですが、樹齢を重ねて老木になると、葉の縁が丸くなり、トゲがなくなっていくという特徴があります。これは、若い木は草食動物に食べられないようにトゲで防御していますが、背が高くなれば食べられる心配がなくなるため、エネルギーをトゲ以外に使うようになるからだと言われています。 人間も歳を重ねると性格が丸くなると言いますが、ヒイラギも同じように「丸くなる」のです。節分で使われるのは、もちろんトゲの鋭い若い枝です。
2. イワシの焼いた臭いで「鼻を攻撃」する(化学攻撃)
二つ目の武器は、イワシを焼いた時に出る「強烈な臭い」と「煙」です。
脂の乗ったイワシを焼くと、独特の生臭さと焦げた匂いが混ざり合い、青白い煙が立ち上ります。これを「焼嗅(やいかがし)」と言います。 清浄な場所を好む神様とは対照的に、鬼や魔物は、この強く激しい臭いを極端に嫌うとされています。
「うわっ、この家はなんて臭いんだ! 鼻が曲がりそうだ、退散しよう!」 そう思わせて遠ざける効果があります。 また、一説には逆に「臭いで鬼をおびき寄せて、近づいてきたところを柊のトゲで刺す」という、攻撃的なトラップとしての解釈もありますが、一般的には「臭いで追い払う」という意味合いが強いです。
つまり柊鰯は、**「視覚・触覚への痛み」と「嗅覚への不快感」**というダブルパンチで、鉄壁の守りを固めているのです。
【自由研究】親子で検証!鬼の気持ちになる「実証実験」

知識として理解したところで、実際にこの「最強の魔除け」を作ってみましょう。 ただ作るだけでなく、五感を使った「実験」として取り組むことで、子どもたちの記憶に深く刻まれる行事となります。スーパーの鮮魚コーナーと花屋さん(または庭木)にある身近な材料で実践できます。
準備するもの
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真鰯(マイワシ): 1匹(頭がついているもの)
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柊(ヒイラギ)の枝: 1本(花屋の切り花コーナーや、スーパーの節分コーナーで入手可能)
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粗塩: 少々
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半紙(またはキッチンペーパー): 飾り付け用
実験①:ヒイラギの「痛さ」を確認する(触覚実験)
まずはヒイラギの枝を観察します。 お子さんと一緒に、恐る恐る葉っぱの先端に指を当ててみてください。
「うわっ、本当に痛い!」 「これは服の上からでも刺さりそう」
実際に触れてみることで、この植物がただの葉っぱではなく「武器」であることを実感できます。 ここで、先ほどの「老木になると丸くなる」という話をしながら、葉っぱの形を観察するのも良い学びになります。なぜこんな形をしているのか、生き物の生存戦略に思いを馳せてみましょう。
※注意: 勢いよく触ると出血する恐れがあります。必ず大人が見守り、優しく触れるように指導してください。
実験②:イワシの頭を焼いて「臭い」を嗅ぐ(嗅覚実験)
次は、イワシの調理です。これがこの実験のハイライトです。
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頭を落とす: イワシの頭を包丁で切り落とします。
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体を食べる: 体の部分は、その日の夕食(塩焼き、煮付け、フライなど)として美味しくいただきましょう。「節分イワシ」と言って、イワシを食べて体の中にたまった邪気を払うのも大切な風習です。
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頭を焼く: 切り落とした頭を、魚焼きグリルやフライパンで焼きます。今回は「魔除け」なので、しっかりと焦げ目がつき、脂が落ちて煙が出るまで強めに焼くのがポイントです。
換気扇を回しつつも、キッチンに漂う匂いを嗅いでみましょう。 「いい匂いだけど、ずっと嗅いでいるとちょっとキツイかも?」 「これが鬼の嫌いな匂いなんだね」
現代の私たちにとっては「食欲をそそる匂い」でもありますが、生臭さが混じる濃厚な香りは、確かに清らかな空間とは対照的なものです。この「生々しい匂い」こそが生命力であり、魔を払う力になります。
実験③:合体させて飾る
焼きあがったイワシの頭の目に、ヒイラギの枝を突き刺します。 (※目が一番刺しやすいですが、エラから口に通す方法など地域によって様々です。安定する方法で構いません)
これで「柊鰯」の完成です。 完成した実物を見ると、なかなかのインパクトがあります。「これを玄関に置けば、確かに誰も入ってこられなさそうだね」と、親子で納得できるはずです。
飾る場所と期間、そして正しい「処分の仕方」

せっかく作った柊鰯、どこに飾り、いつ片付ければよいのでしょうか。 また、生物(なまもの)を使うため、衛生面や処分のマナーも気になるところです。
飾る場所:基本は「玄関」
鬼(邪気)は外から入ってくるため、玄関のドアの外、または軒下に飾るのが基本です。 テープで固定したり、ドアノブに紐で吊るしたりします。 マンションなどで外に飾るのが難しい場合は、玄関の内側(下駄箱の上など)に置いても構いませんが、臭いがこもる可能性があるため、ラップで軽く包むか、喚起に注意が必要です。
飾る期間:地域によってバラバラ
実は、柊鰯を飾る期間には明確な全国統一ルールがありません。地域性が強く出ます。
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節分の日だけ: 2月3日の夕方から翌日の朝まで。
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2月いっぱい: 2月いっぱい飾り、3月に片付ける。
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来年の節分まで: 一年間ずっと飾り続ける(灰になるまで飾る地域もあります)。
現代の住宅事情(特にマンションなど)や、衛生面(猫やカラスに狙われる、腐敗臭など)を考慮すると、**「節分の日だけ」あるいは「立春(2月4日)まで」**として、短期間で片付けるのが最も現実的でおすすめです。
処分の仕方:感謝を込めて「お清め」を
役目を終えた柊鰯を、そのままゴミ箱に放り込むのは気が引けますし、縁起物としての扱いとしてもNGです。 以下の手順で、感謝を込めて処分しましょう。
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塩で清める: 半紙(なければキッチンペーパーや白い紙)の上に柊鰯を置き、粗塩を左・右・左とかけてお清めをします。
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包む: そのまま白い紙で包みます。トゲが突き出ないように、さらに新聞紙などで包むと収集員の方への配慮にもなります。
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処分する: 基本的には「燃えるゴミ」として出して問題ありません。 もし近くの神社で「どんと焼き」やお焚き上げを行っている場合や、古札納所がある場合は、そちらに納めるのが最も丁寧です。
「家を守ってくれてありがとう」と心の中で感謝を伝えれば、気持ちよく節分を締めくくることができます。
まとめ:五感で感じる「魔除け」の文化

柊鰯について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
現代のセキュリティシステムは、カメラやセンサーといった「無機質」なものですが、かつての日本人は「植物のトゲ」や「魚の臭い」といった**「自然界の力」**を借りて、家族を守ろうと必死でした。
一見すると奇妙で恐ろしい見た目の「柊鰯」ですが、そこには「家族が一年間、健康で無事に過ごせますように」という、現代と変わらない切実な親の愛情が込められています。
今年の節分は、豆まきだけでなく、ぜひスーパーでイワシとヒイラギを手に取ってみてください。 チクリとするトゲの痛みや、イワシの焼ける煙の匂いを通じて、教科書やネットの画像だけでは分からない「日本の伝統」の手触りを、お子さんと一緒に感じてみてはいかがでしょうか。
その強烈な体験は、きっと子どもたちの記憶に残る「原体験」となり、次の世代へと語り継がれていくはずです。
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