
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《【雑学】ひな祭りと桃の節句の違いって!?小学生にもわかりやすく解説》について紹介させて頂きます。
- はじめに
- ズバリ結論!「ひな祭り」と「桃の節句」は同じ?違う?
- 「桃の節句」ってなに?(季節のカレンダーのお話)
- 「ひな祭り」ってなに?(女の子の遊びのお話)
- どうして2つが合体したの?(江戸時代のひみつ)
- 小学生のお子さんに伝えるときのポイント
- まとめ
はじめに
カレンダーやテレビのニュース、スーパーの特設コーナーなどで、3月3日が近づくと「ひな祭り」と「桃の節句」という2つの言葉をよく見かけるようになります。大人にとってはどちらも同じ「女の子のお祝いの日」として馴染み深い言葉ですが、小学生くらいのお子さんから「ねえ、ひな祭りと桃の節句って何が違うの?」と突然聞かれて、答えに詰まってしまった経験はないでしょうか。
「あれ、言われてみればどうして2つの呼び方があるんだろう?」「桃の節句っていうお祭りがあるの?」と、大人でも正確な違いや歴史的な背景を知っている方は意外と少ないものです。
実は、この2つの言葉のルーツを探っていくと、日本の古い歴史や古代中国から伝わったカレンダーの考え方、そして昔の人々が子どもたちの健康を願った深い愛情の物語が見えてきます。言葉の本当の意味を知ることで、毎年何気なく飾っている雛人形や桃の花が、より一層特別でありがたいものに感じられるはずです。
この記事では、「ひな祭り」と「桃の節句」の言葉の成り立ちと歴史的な違いを、小学生のお子さんにもスッと理解できるようにわかりやすく解説していきます。今年の3月3日は、ぜひご家族でこの歴史の雑学を話し合いながら、学びのある楽しいお祝いの時間を過ごしてみてください。
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ズバリ結論!「ひな祭り」と「桃の節句」は同じ?違う?

お子さんに「2つの違いは何?」と聞かれたら、まずはズバリ結論から伝えてあげましょう。
現代の私たちの生活においては、「ひな祭り」と「桃の節句」は、どちらも3月3日の女の子の健やかな成長を願うお祝いの日を指す言葉であり、意味はまったく同じとして使われています。カレンダーに桃の節句と書いてあっても、ひな祭りと書いてあっても、やることは同じです。
しかし、日本の歴史をずっと昔までさかのぼっていくと、元々は生まれた理由も意味もまったく違う、別々のものでした。
簡単に言ってしまうと以下のようになります。
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桃の節句: 季節の変わり目を示す「カレンダーの日付(タイミング)」の名前
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ひな祭り: その日に行われる「お人形を使ったお祭り(イベント)」の名前
例えるなら、「桃の節句」というカレンダーの特別な日に、「ひな祭り」というイベントを開催している、というイメージです。では、なぜ別々だった2つのものが現在のようにピッタリとくっついて一つになったのでしょうか。それぞれの言葉のルーツを順番に詳しく見ていきましょう。
「桃の節句」ってなに?(季節のカレンダーのお話)

まずは「桃の節句」という言葉の本来の意味から解説します。この言葉を理解するためには、昔のアジアの国々のカレンダーの考え方を知る必要があります。
季節の変わり目「節句」とは
「桃の節句」の「節句」とは、古代中国から日本に伝わってきたカレンダーの考え方で、季節の変わり目のことを指します。
昔の中国の陰陽道という考え方では、奇数(1、3、5、7、9)は縁起の良い「陽」の数字とされていました。しかし、その縁起の良い奇数が「3月3日」や「5月5日」のように同じ数字が2つ重なる日は、パワーが強すぎて逆にバランスが崩れ、悪いもの(邪気や病気、災いなど)が寄り付きやすくなる大変危険な日だと考えられていたのです。
そこで昔の人々は、奇数が重なる季節の変わり目に、旬の植物のパワーを借りて悪いものを追い払う「お祓い」の行事を行うようになりました。これが節句の始まりです。
江戸時代になると、日本の幕府は特に重要な5つの節句を「五節句」として公式な祝日に定めました。
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1月7日:人日の節句(七草がゆを食べる日)
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3月3日:上巳の節句(現在の桃の節句)
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5月5日:端午の節句(現在の子どもの日)
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7月7日:七夕の節句(現在の七夕)
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9月9日:重陽の節句(菊の節句)
つまり、桃の節句の正式な名前は「上巳の節句」と言い、元々は「季節の変わり目に悪いものを追い払うための特別な日」のことだったのです。
どうして「桃」の節句と呼ばれるようになったの?
では、なぜ上巳の節句が「桃の節句」と呼ばれるようになったのでしょうか。それには2つの大きな理由があります。
1つ目の理由は、桃の木には悪いおばけや病気を追い払う魔法のパワー(魔除けの力)があると信じられていたからです。 古代中国では、桃は不老長寿の仙人が食べる神聖な果物とされていました。日本でも、日本神話に登場する伊弉諾尊という神様が、恐ろしい鬼たちに桃の実を投げつけて追い払うという有名なお話があります。昔の人々は、桃が持つ強い生命力と不思議なパワーが、子どもたちを病気や災いから守ってくれると固く信じていたのです。
2つ目の理由は、旧暦の3月上旬が、ちょうど桃の花が美しく咲き誇る季節だったからです。 現在のカレンダーの3月3日はまだ少し肌寒いですが、昔のカレンダー(旧暦)の3月3日は、今のカレンダーでいうと4月の上旬から中旬頃にあたります。まさに春らんまん、桃の花が満開になる素晴らしい季節でした。
魔除けのパワーを持つ神聖な植物であり、なおかつその季節を代表する美しい花であったことから、3月3日の上巳の節句は、いつしか親しみを込めて「桃の節句」と呼ばれるようになったのです。
「ひな祭り」ってなに?(女の子の遊びのお話)

カレンダーの特別な日である「桃の節句」に対して、「ひな祭り」という言葉は、女の子の「お人形遊び」と「厄払い」の儀式から生まれました。
平安時代の貴族の遊び「ひいな遊び」
ひな祭りの歴史は、今から約1000年以上前の平安時代にまでさかのぼります。当時の宮中に住む身分の高い貴族の女の子たちの間で、「ひいな遊び」というおままごとが大流行していました。
「ひいな」という言葉には、「小さくてかわいらしいもの」という意味があります。紙や布で作った小さなお人形に綺麗な着物を着せたり、小さなお道具箱を並べたりして遊ぶ、まさに現代のお子さんたちがリカちゃん人形やシルバニアファミリーで遊ぶのと同じような感覚の遊びです。日本最古の長編小説である紫式部の『源氏物語』の中にも、女の子がこの「ひいな遊び」に夢中になっている可愛らしい様子が描かれています。
身代わりになってくれるお人形「流し雛」
一方で、同じ平安時代の貴族の大人たちの間では、別の大切な儀式が行われていました。それが、自分の体の汚れや悪いものを、紙や草の葉で作った簡単な人形(形代)に移して、川や海に流すという厄払いの儀式です。
当時は現代のように医療が発達していなかったため、小さな子どもが病気で亡くなってしまうことがとても多い時代でした。親たちは「どうかこの子が病気にならず、元気に育ってほしい」という切実な願いを込めて、子どもの身代わりとなる人形を作り、子どもの体を撫でて悪いものを移してから、川の冷たい水に流して清めていたのです。これを「流し雛」と呼びます。
この「女の子の楽しいお人形遊び(ひいな遊び)」と「子どもの身代わりとして悪いものを引き受けてくれる人形(流し雛)」という2つの文化が、長い時間をかけてゆっくりと混ざり合っていき、「ひな祭り」の原型が作られていきました。
どうして2つが合体したの?(江戸時代のひみつ)

「季節の変わり目のお祓いの日(桃の節句)」と、「お人形を使った身代わりの儀式(ひな祭り)」。別々に存在していたこの2つが、どのようにして現在のような一つの華やかなお祭りになったのでしょうか。その謎を解く鍵は、江戸時代にあります。
江戸時代の将軍様が決めたルール
戦いのない平和な江戸時代に入ると、江戸幕府(将軍様)は、これまでバラバラに行われていた季節の行事を整理し、先ほどご紹介した「五節句」を公式な祝日として法律で定めました。
この時、3月3日の「桃の節句」は、女の子の健やかな成長と幸せを願う日として正式に位置づけられました。(ちなみに、5月5日の端午の節句は男の子の日として定められました)。国が認めた公式な祝日になったことで、桃の節句の行事は武士の家から一般の庶民の家へと、あっという間に全国に広まっていきました。
立派な雛人形を飾る華やかなお祭りへ
世の中が平和で豊かになってくると、人形を作る職人たちの技術もどんどん進歩していきました。紙や草で作られていた簡単な人形は、立派な顔を持ち、美しい西陣織の着物を着た、まるで芸術品のような豪華な人形へと進化していきました。
人形がそれほどまでに美しく高価なものになると、人々は「こんなに立派なものを川に流してしまうのはもったいない」と考えるようになります。そして、「川に流して悪いものを持ち去ってもらう」という考え方から、「家の中に飾って、いつもそばで悪いものから守ってもらう」という考え方へと変化していきました。
こうして、3月3日の「桃の節句」という国が定めたお祝いの日に、女の子の幸せを願って豪華な雛人形を飾る「ひな祭り」が行われるようになりました。季節のカレンダーの言葉と、お人形を飾るイベントの言葉が完全に一つに結びつき、現代私たちが知っている「桃の節句=ひな祭り」という形が完成したのです。
小学生のお子さんに伝えるときのポイント

ここまで「桃の節句」と「ひな祭り」の歴史と違いを詳しく解説してきましたが、小学生のお子さんに説明するときは、あまり難しく考えず、身近な例え話を使って伝えてあげるのがおすすめです。
【おすすめの説明フレーズ例】 「桃の節句っていうのは、カレンダーに書かれている『日付の名前』なんだよ。そして、ひな祭りっていうのは、その日に雛人形を飾ってケーキやちらし寿司を食べる『イベントの名前』なんだよ。 例えば、『12月25日』っていうカレンダーの日付のことは『クリスマス』って呼ぶよね。そして、その日にチキンを食べたりプレゼントをもらったりして楽しむイベントのことは『クリスマスパーティー』って言うでしょ?それと同じような関係なんだよ。」
このように説明してあげると、お子さんも「なるほど、そういうことか!」と直感的に理解しやすくなります。
さらに、「昔の人は、桃の木には悪いおばけをパンチして追い払う魔法の力があるって信じてたんだって。だから、〇〇ちゃんが病気にならないように、魔法のパワーがある桃の花を飾っているんだよ」と付け加えてあげると、お子さんもお祝いの日の飾りに興味を持ってくれるはずです。
まとめ

今回は、「ひな祭り」と「桃の節句」の違いについて、言葉のルーツと歴史をさかのぼって詳しく解説しました。
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桃の節句: 奇数が重なる季節の変わり目に、魔除けのパワーを持つ桃の花を使って悪いものを追い払うカレンダーの日のこと。
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ひな祭り: 平安時代の貴族のおままごとと、子どもの身代わりとして厄払いをする人形の文化が結びついてできたお祭りのこと。
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2つの合体: 江戸時代に3月3日が女の子の祝日として定められ、立派な雛人形を家の中に飾るようになったことで、2つの言葉が完全に結びついた。
私たちが毎年何気なく使っている言葉の裏には、子どもたちに健康で幸せに育ってほしいと願う、何百年も前の親たちの深い愛情の歴史が隠されていました。
言葉の本当の意味を知ると、お部屋に飾ってある桃の花や、すまし顔で並んでいる雛人形たちが、いつもよりずっと特別で頼もしい存在に見えてきますよね。今年の3月3日は、ぜひお子さんと一緒に「桃の魔法のパワー」や「身代わりになってくれるお人形」の歴史のお話をしながら、楽しく美味しいお祝いの時間を過ごしてみてください。
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