
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《小学校中学年から始まる「平泳ぎ」対策!苦手なカエル足を自宅でマスターする段階別ステップ》について紹介させて頂きます。
- 小学校中学年から始まる「平泳ぎ」対策!苦手なカエル足を自宅でマスターする段階別ステップ
小学校中学年から始まる「平泳ぎ」対策!苦手なカエル足を自宅でマスターする段階別ステップ
小学校3年生や4年生といった中学年になると、学校のプール授業の内容はより専門的な泳法の習得へと移り変わります。これまでに練習してきたクロールに加えて、新しく授業に導入されるのが「平泳ぎ」です。しかし、この平泳ぎの登場によって、急に水泳への苦手意識を強めてしまう子どもが毎年後を絶ちません。
私は小学校の教員として10年間、夏のプールサイドに立ち続けて多くの子どもたちを指導してきましたが、平泳ぎ、特に独特な足の動きである「カエル足(平泳ぎのキック)」に苦戦する割合はクロールのバタ足よりも圧倒的に高いと感じています。それまでバタ足やクロールが上手にできていた子ほど、左右対称に、かつ足首を複雑にコントロールしながら蹴る平泳ぎの動きに戸惑い、パニックを起こしてしまうのです。
平泳ぎが進まない原因のほとんどは、下半身のフォームにあります。水泳全体の推進力において、クロールが「腕7割・足3割」と言われるのに対し、平泳ぎは「腕3割・足7割」と言われるほど、足の動き(キック)が命となる泳ぎ方です。つまり、カエル足の正しいフォームさえ身につけてしまえば、学校の授業でも劇的に泳げるようになります。
学校のプールという短い授業時間の中だけでは、一人ひとりの足の細かな向きや足首の硬さまで修正するのは技術的に困難です。しかし、このカエル足の動きの本質は、水の抵抗がない「自宅の陸上」でこそ、最も効率的に理解させることができます。今回の記事では、子どもが平泳ぎのキックでつまずく原因を専門的に分析し、家庭でゲーム感覚で取り組めるスモールステップの陸上練習法を詳しく解説します。
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なぜ進まない?平泳ぎキックで中学年の子どもが陥る「3つの大きな原因」

子どもたちの泳ぎを水面上から観察していると、一生懸命に足を動かしているにもかかわらず、その場で足踏みをしているかのように全く前進しないケースが目立ちます。カエル足が正しく機能しなくなる代表的な3つの原因を紐解いていきましょう。
平泳ぎの最大のつまずきポイントであり、自己流で練習している子どもの約7割がこの状態に陥っています。「あおり足」とは、足を引いて蹴り出すときに、足首が伸びた状態のまま、足の甲や足の裏で水を下に向かって叩いてしまう動きのことです。これはバタ足の癖が抜けきっていないことが原因で起こります。平泳ぎは「足の裏」で水を後ろに向かって真っ直ぐ押し出さなければ推進力が生まれませんが、足首が伸びていると水がすべて逃げてしまい、ただ水を上下にかき回すだけの動きになってしまいます。
「カエル足」という名前のイメージが強すぎるあまり、足を後ろに引きつける際、お相撲さんの股割りのように膝を真横にガバッと大きく開いてしまう子どもがいます。水中で膝を肩幅よりも大きく開くと、その開いた太もも全体に強烈な水の抵抗(ブレーキ)を受けることになります。これでは、どんなに強い力でキックをしても、自分でかけたブレーキを相殺するだけで終わってしまい、体力だけが消耗していきます。
平泳ぎのキックは、お尻に向かってかかとを優しく引き寄せるのが基本です。しかし、焦っている子どもはお腹の方に膝を丸め込むようにして足を引き込んでしまいます。これを行うと、水中でお尻がポコッと水面に浮き上がり、下半身全体のバランスが崩れてしまいます。さらに、蹴り出す前に体が垂直に近い形に変形してしまうため、前に進むための流線型(ストリームライン)の姿勢が完全に崩れてしまいます。
平泳ぎの命!陸上で身につけるべき「引き付け・外向き・蹴り出し・挟む」の4拍子
カエル足をマスターするためには、一連のキック動作を「4つのフェーズ」に細かく分解して体に覚え込ませることが最も近道です。この一連の流れを感覚的に掴むことが大切になります。
カエル足キックの4つのフェーズ
子どもに教えるときは、言葉のイメージを大切にしながら、以下の4つの動作を一つずつ確認していきます。
- 1. 引き付け(ひく): 膝は肩幅よりやや狭い状態をキープしたまま、かかとをお尻に向かってゆっくりと引き寄せます。この時はまだ足首の力は抜いておきます。
- 2. 足首を曲げる(むく): かかとがお尻の近くまで来たら、足首をギュッと直角に曲げ、つま先を外側に向けます(ペンギンのような足の形)。この瞬間に「足の裏が後ろの壁を向く」状態を作ります。
- 3. 蹴り出し(ける): 直角に曲げた足の裏で、後ろの水を斜め後ろに向かって円を描くように力強く押し出します。
- 4. 挟み込み(そえる): 蹴り終わった両足を、中央に向かって「ピタッ」と挟み込むように閉じ、つま先まで真っ直ぐに伸ばします。この挟む動作(内転筋の動き)で最後の推進力が生まれます。
お家で今すぐできる!カエル足マスターへの陸上スモールステップ

それでは、具体的な家庭での練習方法をステップ順に解説します。布団やベッドの上、またはヨガマットを敷いた床の上など、体が痛くならない場所で行ってください。
ステップ1:仰向け寝での「ペンギン足首」チェック
まずは、最も重要な「足首を直角に曲げてつま先を外に向ける」という柔軟性と感覚を養います。
- 床に仰向け(上向き)に寝転がり、両足をまっすぐ伸ばします。
- かかとを床につけたまま、足首を自分の方にギュッと引き寄せて直角(90度)に曲げます。
- 足首を曲げた状態のまま、左右のつま先を外側に大きく開きます。かかと同士はくっつけた状態、または少し離す程度にします。
- この「足首が曲がり、つま先が外を向いた状態」を3秒キープし、その後パッと力を抜いて足を伸ばします。
「足の裏で天井を押し上げるみたいにギュッと曲げて、ペンギンさんの足を作ってみて!親指を外側にぐーっと開くのがコツだよ。」
現代の子どもは和式トイレを使わないことなどから、足首が硬くなっているケースが多いです。もし足首が直角に曲がらない、またはつま先が外を向かない場合は、保護者の方が優しく手でサポートして、正しい角度を関節に覚えさせてあげてください。
ステップ2:うつ伏せでの「かかと引き寄せ」練習
実際の平泳ぎと同じ姿勢になり、膝を開かずに足を引く感覚をマスターします。
- 今度はうつ伏せ(下向き)に寝転がり、手はあごの下に置いてリラックスします。
- 両方の膝をくっつけた状態(または拳一つ分だけ開けた状態)にします。
- 膝の位置を床の上で固定したまま、かかとをお尻に向かってゆっくりと引き上げます。
- お尻の近くまで来たら、ステップ1で練習した「ペンギン足(足首を曲げてつま先を外に向ける)」を瞬時に作ります。
「かかとでお尻をトントンって叩くみたいに引き寄せてみよう。ほら、膝が横に大きく広がっちゃうとカニさんになっちゃうから、膝は閉じたままだよ!」
ステップ3:壁を使った「足の裏の押し出し」シミュレーション
あおり足を劇的に改善するためのステップです。壁の抵抗を利用して、どの面で水を押すべきかを脳に理解させます。
- 壁から少し離れた場所に、壁に向かってうつ伏せになります(または、仰向けでも可能です)。一番やりやすいのは、壁の前にうつ伏せになり、足を壁の方に向ける姿勢です。
- 足を壁につけたとき、ちょうど足首が直角に曲がって「足の裏全体」が壁にピタッと張り付く位置に体を調整します。
- 足首を曲げ、つま先を外に向けた状態で、足の裏全体で壁を「ぐーっ」と力強く後ろに押し出す感覚を体験させます。
「足の裏全体で壁を強くキックしてみて!足の甲じゃなくて、靴下を履くときの足の底の部分でグーッと押すんだよ。その感覚がプールで水を捕まえる感覚だよ!」
ステップ4:ベッドの縁を使った「空中4拍子キック」
いよいよ全ての動作を繋げて、一連のリズムを完成させます。ベッドやソファーなどの段差を利用します。
- ベッドやソファーの縁に、骨盤(お腹のあたり)から下が外に飛び出すような形でうつ伏せになります。下半身が宙に浮いている状態を作ります(安全のため、上半身はしっかりベッドの上に乗せて固定します)。
- 保護者の方が「いち、に、さん、し」と声をかけます。
- 「いち」でお尻にかかとを引き寄せます。
- 「に」で足首を直角に曲げてつま先を外に向けます。
- 「さん」で後ろの空間を円を描くように斜め後ろに蹴り出します。
- 「し」で両足をピタッと真っ直ぐに閉じ、1本の棒のようになって2秒間静止(伸びの姿勢)します。
平泳ぎは、足を閉じた後の「伸び(し)」の時間に一番前に進みます。多くの子どもは蹴り終わった瞬間にすぐ次のキックを始めようとしますが、これでは推進力を自分で消してしまいます。陸上練習の段階から、「しー、のびるー」と声をかけ、足を完全に閉じて静止する時間を必ず作らせてください。
プールへ行く前に確認!水中で効果を発揮させるコツ

家庭での陸上練習でフォームが綺麗になったら、いよいよ水中の授業での実践となります。しかし、水に入ると浮力が働くため、陸上での感覚を忘れてしまいがちです。プールに入る直前には、お子さんに次の点を確認してあげてください。
プールサイドでの直前アドバイス
授業が始まる前に、プールサイドでお子さんの足首の運動を一緒にしながら、以下の合言葉を復習しましょう。
「平泳ぎは、蹴る前の『あし首カチッ(直角)』が一番大事だよ。そして、蹴り終わったら足をピタッと閉じて、ロケットみたいに伸びるんだよ」
この2つのポイントを意識するだけでも、水中で「あおり足」に戻ってしまう確率を大幅に下げることができます。ビート板を使って練習する際も、慌てて何度もキックをするのではなく、「1回蹴ったら、3秒間まっすぐ伸びて進むのを待つ」というゆったりとしたリズムを心がけるよう伝えてあげてください。
よくある質問(Q&A)
平泳ぎのキック習得において、保護者の方からよく寄せられる質問にお答えします。
まとめ:お家での正しいフォーム作りが、プールでの自信に繋がる

平泳ぎは、これまでに習ってきたクロールとは全く異なる体の使い方を求めるため、小学校中学年の子どもたちにとっては非常に難易度の高い挑戦です。しかし、裏を返せば「感覚のスポーツ」でもあるため、正しいフォームの仕組みさえ一度体が理解してしまえば、運動神経に関係なく誰でもスイスイと泳げるようになる種目でもあります。
学校の集団指導では、水中に沈んでいる子どもの足首の角度まで細かく修正してもらうのは難しいのが現実です。だからこそ、お家のお部屋の中で、落ち着いて自分の足の動きに向き合える「陸上トレーニング」が絶大な効果を発揮します。
「カニさんじゃなくてカエルさんになれたね!」「足の裏の形、すごく上手!」など、お家の方がポジティブな言葉でフィードバックしてあげることで、子どもはプールに対する恐怖心や劣等感を無くし、「次の授業で試してみたい!」という前向きな意欲を持つようになります。今回の記事でご紹介した4つのスモールステップを参考に、ぜひ毎日の生活の中で楽しくカエル足をマスターさせてあげてください。
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