
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《小学校高学年の水泳指導!平泳ぎのタイムを縮める「伸び」の姿勢と正しいキックのタイミング》について紹介させて頂きます。
- 小学校高学年の水泳指導!平泳ぎのタイムを縮める「伸び」の姿勢と正しいキックのタイミング
- プールで実践!タイムを縮めるための段階別アプローチ
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:焦らずに「待つ」ことが、平泳ぎを速くする最大の近道
小学校高学年の水泳指導!平泳ぎのタイムを縮める「伸び」の姿勢と正しいキックのタイミング
小学校高学年(5年生・6年生)のプールの授業では、泳げる距離を伸ばすことと並行して、タイムの測定が行われるようになります。中学年で平泳ぎの足(カエル足)を身につけ、なんとか25mを泳げるようになった子どもたちが次に直面するのが、「一生懸命キックをしているのに、ちっともタイムが速くならない」という悩みです。
私が小学校教員として10年間、体育の授業で高学年の子どもたちを見てきた中で、平泳ぎのタイムが伸び悩む原因は非常に明確でした。多くの子どもは、速く泳ごうとするあまり動作を早回しにしてしまい、水泳において最も重要な「水の抵抗を減らすこと」を忘れてしまっているのです。
平泳ぎのスピードアップに特別な筋力は必要ありません。クロール以上に「技術」と「タイミング」がタイムに直結する泳ぎ方です。
今回の記事では、平泳ぎを劇的に速くするための「伸び」の姿勢の作り方と、手足を動かす正しいタイミングについて、具体的な練習方法を交えて詳しく解説します。
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子どもたちがタイム測定でよくやってしまう「頑張っているのに進まない泳ぎ方」には、共通する原因があります。
「早くゴールしたい!」という焦りから、蹴り終わった瞬間にすぐ次の腕をかき始めてしまうパターンです。平泳ぎは、手足を体に引きつける動作(リカバリー)の際に、進行方向に対して最も大きな水の抵抗を受けます。常に手足を動かしている状態は、自らブレーキをかけ続けながら泳いでいるのと同じことになり、スピードが出ないばかりか著しく体力を消耗します。
腕をかきながら足を蹴る、あるいは腕を前に戻す動作とキックを同時に行ってしまう子どもが非常に多いです。平泳ぎは「腕の推進力」と「足の推進力」を別々のタイミングで発生させることで、途切れることなく前に進む泳法です。両方を同時に行ってしまうと、力がぶつかり合って進む力が半減してしまいます。
平泳ぎのタイムを劇的に縮める極意は「伸び(ストリームライン)」

平泳ぎで最もスピードが出ている瞬間は、いつだと思いますか?それは、力強くキックをした瞬間ではなく、「キックをした後、手足を真っ直ぐに伸ばして水中を滑っている瞬間」です。
この滑る姿勢を「ストリームライン(けのびの姿勢)」と呼びます。指先から足のつま先までを一本の細い矢のようにし、水の抵抗を極限まで減らすことで、キックで得た推進力を最大限に活かして前へ進むことができます。タイムを縮めるためには、この「伸び」の時間を意図的に作り出すことが不可欠です。
美しいストリームラインを作るポイント
- 頭の位置: 両腕の間に頭をしっかり入れ、後頭部から背中、お尻にかけてが一直線になるようにします。前を見ようと顔を上げると、下半身が沈んでブレーキになります。
- 腕と手: 両耳を二の腕で挟み込むように強く絞り、両手は重ね合わせて指先まで真っ直ぐに伸ばします。
- 足: キックの後は、左右のかかとと親指をピタッとくっつけ、足首を伸ばして水の抵抗をなくします。
手足が同時はNG!推進力を生み出す正しい「キックのタイミング」

ストリームラインの重要性を理解した上で、手足をどの順番で動かせば良いのかを確認しましょう。正しいタイミングの基本は「かいて、けって、のびる」の3拍子です。
正しいタイミングのサイクル
- 【かいて】 伸びの姿勢から、両手で水を後ろにかき込みながら顔を上げて息を吸います。(この時、足はまだ真っ直ぐに伸ばしたままです)
- 【けって】 息を吸って腕を前に戻し始めると同時に、かかとをお尻に引きつけ、足を蹴り出します。
- 【のびる】 足を蹴り終わると同時に腕も完全に前に伸びきり、美しいストリームラインを作ります。そのまま惰性で進むのを待ちます。
子どもに教える際は、「手のお仕事が終わってから、足のお仕事が始まるよ」と伝えると理解しやすくなります。両手が顎の下あたりに戻ってきた瞬間に、足の引きつけを開始するイメージを持たせましょう。
プールで実践!タイムを縮めるための段階別アプローチ

頭で理解したタイミングを体で覚えるための、具体的なドリル(練習法)をご紹介します。
ステップ1:陸上での「3拍子」シミュレーション
水に入る前に、まずは陸上で手と足の動かす順番を声に出しながら確認します。
- 立った状態で両手を上に伸ばし、ストリームラインを作ります。
- 「いち(かいて)」で腕をかき、顔を上げる動作をします。
- 「に(けって)」で腕を前に戻しながら、その場で軽くジャンプをしてカエル足の動きを表現します。
- 「さん(のびる)」で再び両手を上に伸ばし、3秒間静止します。
「『いち、に、さーん』のリズムだよ!『さーん』の時は絶対に動かないで、ロケットみたいにピタッと止まろうね!」
ステップ2:ビート板を使った「キック&グライド」
ビート板を使って足の動きに集中し、「蹴った後に伸びる」感覚を養います。
- ビート板を持ち、顔を水につけてけのびの姿勢をとります。
- 力強く1回カエル足でキックをします。
- キックの直後、心の中で「1、2、3」と数える間は足を動かさず、惰性で進む感覚を味わいます。
- 進むスピードが落ちてきたら、次のキックを行います。
「蹴る力」よりも「蹴った後に足を真っ直ぐ閉じて待つこと」を大げさに褒めてあげてください。伸びる時間を意図的に作ることで、少ないキック数で遠くまで進めることを体感させます。
ステップ3:「ストローク数(かき数)」を減らす練習
全体のコンビネーションの中で、伸びの姿勢を実践するための練習です。
- 普段の平泳ぎで25mを泳ぎ、手足を何回かいたか(ストローク数)を数えます。
- 「次は、今の回数より2回少なくして25mに着いてみよう」と目標を設定します。
- ストローク数を減らすためには、1回ごとの「伸び」の時間を長くするしかありません。
「急がなくていいから、1回蹴ったらスーッと滑る時間を長くしてみよう。回数が少ない方が、実はタイムは速くなるんだよ!」
よくある質問(Q&A)
高学年の平泳ぎ指導において、よく寄せられる疑問にお答えします。
まとめ:焦らずに「待つ」ことが、平泳ぎを速くする最大の近道

50mのタイムを1秒でも縮めたい。その思いが強いほど、子どもたちは腕を激しく回し、足をバタバタと素早く動かしてしまいます。しかし、水という抵抗の強い環境下では、焦って動けば動くほどスピードは落ちていくという矛盾が生じます。
平泳ぎのスピードアップにおいて大切なのは、「動くこと」と同じくらい「静止すること(伸びること)」の価値を知ることです。力強いキックで得たスピードを殺さないよう、美しいストリームラインを作って水の上を滑る感覚を掴めれば、タイムは驚くほど縮まります。
練習の際は、「もっと速く!」という声かけを一旦やめて、「しっかり伸びて!」「焦らないで待って!」という言葉をかけてあげてください。お子さんが力みから解放され、優雅でスピード感のある平泳ぎをマスターできることを願っています。