
小暑(しょうしょ)は、二十四節気のひとつで、毎年7月7日ごろにやってくる「本格的な夏の入り口」です。この時期になると、スーパーの野菜売り場や果物売り場には、色とりどりの夏の味覚が並びはじめます。実は、小暑の時期においしくなる食べ物には、昔からの知恵や体にやさしい理由がたくさん隠れています。「なぜきゅうりは夏によく食べるの?」「なぜトマトは赤いの?」といった素朴な疑問には、科学的な理由や、昔の人の暮らしの知恵がぎゅっと詰まっています。
今回の記事は、小学生と一緒に「なぜこの時期に食べるの?」を楽しく学べる豆知識をたっぷりご紹介します。夏休み前の自由研究のヒントや、給食の話題づくりにもぴったりですよ。ぜひ親子で読みながら、夏の味覚をより深く味わってみてください。
① 小暑ってどんな時期?(かんたんおさらい)

小暑は、「梅雨明けが近づき、暑さがぐんと増してくる時期」を指す言葉です。二十四節気は、1年を24このパートに分けて、季節の変化を表した昔からの暦(こよみ)の考え方で、小暑はそのうちの11番目にあたります。詳しい意味や由来については、以前の記事でくわしく解説していますので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。ここでは、「夏本番に向けて、体づくりを始める時期」というポイントだけおさえておきましょう。この時期を境に、食卓に並ぶ野菜や果物、魚の顔ぶれもぐっと夏らしくなっていきます。地域や年によって多少前後しますが、小暑からおよそ立秋(8月上旬ごろ)までの期間は、1年の中でもとくに気温が高くなっていく時期にあたります。体が暑さに慣れていない時期でもあるため、食事から水分やビタミンをしっかりとることが、体調を崩さずに夏を過ごすポイントのひとつとされています。
② 小暑に旬を迎える夏野菜の豆知識

この時期にぐんとおいしくなる夏野菜には、それぞれ面白い理由があります。
きゅうりは、全体の約95%が水分でできている野菜で、「世界でもっとも低カロリーな野菜」としてギネス記録に認定されたこともあるほど、水分の多さが特徴です。江戸時代から夏の食べ物として親しまれ、体を冷やす働きがあると言われてきました。塩をふって食べる習慣も、汗で失われる塩分を補うための、昔の人の知恵だったと考えられています。また、きゅうりにはカリウムという成分も含まれており、体の中の余分な水分を調整する働きがあることも知られています。
トマトが赤くなるのは、リコピンという成分がふえるためです。強い日差しをたくさん浴びるほど色が濃くなることから、「太陽をたっぷり浴びた印」ともいえます。まさに夏に旬を迎える野菜の代表格です。トマトはもともと南アメリカが原産の植物で、暑さと日差しを好む性質があります。日本には江戸時代に伝わったとされていますが、当初は観賞用として栽培されており、実際に食べられるようになったのは明治時代以降だといわれています。
なすの皮の紫色は、アントシアニンという成分の色です。7月から8月にかけては「なすの日」が複数回設けられており、昔から夏バテ予防の食材として親しまれてきました。なすは約90%以上が水分でできており、油と組み合わせて調理すると、体への吸収がよくなるといわれています。焼きなすや煮びたしなど、加熱してもトロッとした食感になるのも、なすならではの特徴です。
とうもろこしは、実がついている1本の中に、必ず偶数の列で粒が並んでいるという面白い豆知識があります。収穫してから時間がたつほど甘みが落ちてしまうため、「その日のうちに食べるのがいちばんおいしい」と言われる野菜のひとつです。夏の甘みをたっぷり感じられる、子どもにも人気の食材です。
ゴーヤ(にがうり)の苦み成分には、モモルデシンという成分が関係しているといわれています。沖縄など暑い地域で昔から親しまれてきた野菜で、暑い時期に食欲がわきにくいときでも、苦みが食欲を刺激してくれると考えられています。緑のカーテンとして育てられることもあり、日よけとしての役割も注目されています。
③ 小暑に旬を迎える果物・魚の豆知識

スイカは、約90%以上が水分でできている果物です。夏の水分補給にぴったりで、名前の「西瓜」は、中国から伝わった瓜(うり)という意味の漢字が由来とされています。実は植物の分類上はウリ科の仲間で、きゅうりやゴーヤと同じ仲間にあたります。皮の近くの白い部分にも栄養が含まれているため、漬物などにして食べる地域もあります。
ももは、夏に旬を迎える代表的な果物のひとつで、やわらかい果肉と甘い香りが特徴です。日本では古くから縁起の良い果物とされ、昔話にも登場するなど、親しみのある存在です。傷みやすいため、常温で追熟させてから冷やして食べると、より甘みを感じやすくなるといわれています。
この時期は「はしり」と呼ばれる、その季節にいちばん早く出回る魚介を味わえる時期でもあります。かつおなどは、春から夏にかけて味わいが変化していく魚として知られており、脂ののり方が季節ごとに異なるのも面白いポイントです。あじやいわしといった青魚も、この時期に脂がのっておいしくなるといわれています。
小暑のころは、七夕の時期とも重なります。七夕にそうめんを食べる風習がありますが、これも「暑い時期に食べやすく、涼を感じられる食べ物」という共通点があります。そうめんが七夕に食べられるようになった由来には諸説あり、そうめんの白い見た目を天の川に見立てたという説や、中国から伝わった行事食がもとになっているという説などが伝えられています。冷たいそうめんに夏野菜をのせたり、彩りのよい具材を添えたりすることで、見た目にも涼しさを感じられる一品になります。七夕の行事や工作について気になる方は、七夕特集の記事もあわせてご覧ください。
④ 昔の人はなぜこの時期にこれを食べた?
昔の人は、エアコンや冷蔵庫がない時代でも、季節ごとの体の変化に合わせた食事を大切にしていました。水分の多い野菜や果物、体を冷やす食材を積極的に取り入れることで、暑さに負けない体づくりをしていたと考えられています。現代の栄養学から見ても、この時期の旬の食材には水分やビタミンが豊富に含まれているものが多く、昔からの知恵にはしっかりとした理由があったことがわかります。
また、旬の食べ物は、収穫される量が多い時期のものであるため、価格が安定しやすく、味も良いという特徴があります。「旬のものを食べる」という習慣は、栄養面だけでなく、暮らしの知恵としても長く受け継がれてきました。冷蔵庫が普及する以前は、その季節に手に入るものを工夫して食べることが、健康を保つための大切な手段だったのです。子どもに伝えるときは、「昔の人はエアコンがなかったから、食べ物で体を冷やす工夫をしていたんだよ」と話してあげると、イメージしやすいかもしれません。給食に出てくる旬の野菜や果物を見つけたときに、「これは小暑のころが旬なんだよ」と話してみるのもおすすめです。
⑤ 小暑の旬食材 早見表

ここまで紹介した食材を、ジャンルごとに簡単にまとめました。買い物のときや献立を考えるときの参考にしてみてください。
野菜:きゅうり、トマト、なす、とうもろこし、ゴーヤ
果物:スイカ、もも
魚介:かつお、あじ、いわしなどの青魚
いずれも水分やビタミンが豊富なものが多く、暑さで食欲が落ちやすい時期でも取り入れやすい食材ばかりです。スーパーで買い物をするときに「今日はどれが旬かな?」と親子で探してみるだけでも、季節への興味がぐっと深まります。値段が下がっている野菜や果物は、旬を迎えているサインであることも多いので、買い物メモを見ながら探すゲーム感覚で取り入れてみるのもおすすめです。
⑥ 親子でチェック!旬の食べ物○×クイズ
まとめ

小暑は、夏本番に向けて旬の食べ物から元気をもらえる季節です。きゅうりやトマト、なす、とうもろこし、ゴーヤといった夏野菜、スイカやももといった果物、そしてかつおやあじなどの魚介まで、この時期においしくなる食材には、それぞれに理由や昔からの知恵が詰まっています。
「なぜこの野菜は夏においしいの?」「昔の人はどうして食べていたの?」といった問いかけを親子で楽しみながら考えることは、食への興味を育てるだけでなく、自由研究や理科の学びにもつながっていきます。ぜひ今回紹介した豆知識やクイズを活用しながら、夏の味覚をより深く楽しんでみてください。小暑についてもっと知りたい方は、由来を解説した前回記事もあわせてどうぞ。
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