【二十四節気】「秋分」とは?小学生にもわかる意味・由来と季節の豆知識

朝夕の風に涼しさを感じ、空が高く澄み渡る季節になってきました。厳しい夏の暑さが和らぎ、季節の変わり目を感じる時期にやってくるのが「秋分(しゅうぶん)」です。
カレンダーに赤文字で「秋分の日」と書かれているのを見て、「お休みの日だ!」と喜ぶお子さんも多いことでしょう。しかし、「秋分って具体的にどんな日なの?」と質問されたとき、正確な意味や背景をわかりやすく説明するのは、意外と難しいと感じるかもしれません。
今回の記事では、二十四節気のひとつである「秋分」の基本的な意味や由来、具体的な時期について詳しく解説いたします。さらに、お子さんに聞かれた際にわかりやすく説明できるポイントや、お彼岸の風習、行事食である「おはぎ」に関する豊かな季節の豆知識もたっぷりとご紹介します。
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1. 二十四節気の「秋分(しゅうぶん)」とは?

私たちが普段耳にする「秋分」には、天文学的な観点や古い暦の考え方が深く関わっています。まずは、秋分の基本的な意味や、いつの時期を指すのかを紐解いていきましょう。
秋分の基本的な意味
「秋分」は、古代中国から伝わった季節の区分方法である二十四節気(にじゅうしせっき)の第16番目の節気です。二十四節気とは、1年間の太陽の動き(黄道)を24の等しい部分に分け、それぞれに季節を表す美しい名前を付けたものです。立春から始まり、春分、夏至などを経て、秋分は暦の上で「秋の中間地点」にあたります。
天文学的に説明すると、太陽が天の赤道を南から北へ交差する「春分点」を0度としたとき、太陽の視黄経がちょうど180度に達した瞬間を「秋分」と呼びます。この日を境に、季節は本格的な秋へと深まっていくことになります。
2026年の秋分はいつからいつまで?
カレンダー上の祝日として定められている「秋分の日」は、年によって日付が変わる特徴を持っています。2026年の秋分の日は「9月23日(水)」です。
また、二十四節気において「秋分」という言葉は、特定の一日だけを指す場合と、次の節気である「寒露(かんろ)」の前日までの約15日間の「期間」を指す場合があります。2026年の期間としての秋分は、9月23日から10月7日頃までとなります。この約半月の間は、秋晴れの心地よい日が続き、夜の時間が徐々に長くなっていくのを感じられる時期です。
「秋分の日」はどうやって決まる?
毎年カレンダーを見ていると、秋分の日は9月23日になる年が続いたと思えば、9月22日になる年もあります。「なぜ毎年同じ日ではないのだろう?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
この理由は、地球が太陽の周りを公転する時間に関係しています。地球が太陽の周りを1周するのにかかる日数は、きっちり365日ではなく、およそ「365日と約6時間弱(365.24219日)」かかります。毎年カレンダーを365日で進めていると、この約6時間のズレが蓄積されていきます。このズレを調整するために4年に1度「うるう年」を設けていますが、それでも微妙な誤差が生じるため、太陽が黄経180度を通過する「秋分」のタイミングは年によってわずかに変動するのです。
日本のカレンダーにおける秋分の日の日付は、国立天文台が毎年観測と計算を行い、前年の2月に発行される「暦象年表(れきしょうねんぴょう)」という冊子と官報によって正式に決定・発表されています。法律により「秋分日」として祝日になることが定められていますが、具体的な日付は国が天文学的な観測に基づいて毎年決めている、という大変珍しい性質を持った祝日なのです。
2. 【子ども向け】秋分の意味と由来をわかりやすく解説

ここからは、お子さんに「秋分の日ってどんな日?」と聞かれたときに、わかりやすく説明するためのポイントや会話のヒントをご紹介します。科学的な事実と季節の感覚を組み合わせて伝えると、お子さんの興味を引きやすくなります。
「昼と夜の長さがほぼ同じになる日」
秋分の日について説明するとき、最もわかりやすい特徴は「昼と夜の長さがだいたい同じになる日」ということです。お子さんには次のように伝えてみてはいかがでしょうか。
- 「秋分の日はね、お日様が出ている昼の時間と、お星様が出ている夜の時間が、ちょうど同じくらいの長さになる不思議な日なんだよ」
- 「春にも『春分の日』があったのを覚えているかな?春分の日も昼と夜が同じ長さだったけれど、秋分の日はこれから冬に向かっていくから、この日を過ぎると少しずつ夜の時間が長くなっていくんだよ」
- 「秋分の日は、お日様がちょうど真東(まひがし)から昇って、真西(まにし)に沈んでいくんだよ。方位磁石があったら確かめてみるのも面白いね」
ここで大人の方向けの豆知識を一つ補足します。実は、秋分の日は昼と夜の長さが「完全に」同じになるわけではありません。厳密には、昼のほうが十数分ほど長くなります。理由は、太陽の上端が地平線から顔を出した瞬間を「日の出」とし、太陽が完全に地平線に隠れた瞬間を「日の入り」と定義しているため、太陽の大きさの分だけ昼が長くカウントされるからです。さらに、地球の空気がレンズの役割をして、地平線の下にある太陽の光を少しだけ曲げて届けてしまう(大気差)ため、実際よりも早く太陽が見え、遅く沈むように見えることも影響しています。お子さんが成長して理科に興味を持った時には、この少しマニアックな事実を教えてあげると驚くかもしれません。
「暑さ寒さも彼岸まで」ってどういう意味?
秋分の時期によく耳にする言葉に「暑さ寒さも彼岸まで」という昔の人の知恵を表すことわざがあります。この言葉も、お子さんに季節の移り変わりを教えるのにぴったりです。
「どんなに夏の厳しい暑さが続いても、秋のお彼岸(秋分の日がある期間)の頃になれば和らいで、涼しくて過ごしやすい季節になるよ」という意味を持っています。同時に「冬の厳しい寒さも、春のお彼岸(春分の日)の頃には暖かくなるよ」という意味も含まれています。
お子さんには、「昔の人は、天気予報がない時代から『秋分の日が来る頃には、涼しい風が吹くようになるぞ』って経験で知っていたんだね。実際に、夜になると虫の鳴き声が変わってきたでしょう?これからは涼しくて過ごしやすい季節になるから、読書をしたり、公園で思い切り遊んだりするのに最高の季節だね」と語りかけてみると、季節への感受性がより豊かに育まれるでしょう。
3. 秋分にまつわる季節の豆知識・風習

秋分には、天文学的な意味合いだけでなく、日本古来の伝統的な風習や行事食が深く結びついています。これらの背景を知ることで、秋分の時期の過ごし方がより一層味わい深いものになります。
秋の「お彼岸」とお墓参り
秋分の日と切り離せないのが「お彼岸(おひがん)」の風習です。お彼岸とは、秋分の日を真ん中の日(中日:ちゅうにち)として、その前後の3日間を合わせた合計7日間の期間を指します。初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸の明け」と呼びます。
仏教の考え方では、私たちが生きているこの迷いや煩悩のある世界を「此岸(しがん)」と呼び、ご先祖様たちがいる悟りの世界を「彼岸(ひがん)」と呼びます。此岸は東にあり、彼岸ははるか西の彼方にあると信じられてきました。
先ほど触れたように、秋分の日(と春分の日)は、太陽が真東から昇り、真西へと沈んでいきます。太陽が迷いなく西へ沈むこの日は、この世(東)とあの世(西)が最も真っ直ぐに通じ合い、距離が近くなる日だと考えられたのです。そのため、ご先祖様への思いが最も届きやすい時期として、お墓参りに行ったり、仏壇を綺麗に掃除して手を合わせたりする供養の風習が現代にも受け継がれています。家族そろってお墓を掃除し、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えることは、命のつながりを感じる大切な機会となります。
秋分の食べ物といえば「おはぎ」
お彼岸の時期の代表的な食べ物といえば、あんこで包まれた「おはぎ」です。では、なぜお彼岸におはぎを食べるのでしょうか。
その理由は、おはぎに使われる「小豆(あずき)」にあります。古くから日本では、小豆の持つ鮮やかな「赤色」には、邪気を払い魔除けの力があると信じられてきました。お祝い事でお赤飯を炊くのも同じ理由です。お彼岸の時期に魔除けの力がある小豆を使ったおはぎを作り、ご先祖様にお供えすることで、家族の健康や無病息災を願ったのです。また、昔は砂糖が大変貴重であったため、甘いおはぎは最高のご馳走であり、ご先祖様へのお供え物としてこれ以上ない特別な品でした。
「おはぎ」と「ぼたもち」の違い
ここでよく話題に上がるのが、春のお彼岸に食べる「ぼたもち(牡丹餅)」と、秋のお彼岸に食べる「おはぎ(御萩)」の違いです。実は、これらは基本的には同じ食べ物ですが、食べる季節に咲く花の名前になぞらえて呼び名を変えているという、非常に日本らしい風雅な理由があります。
- 春の「ぼたもち」:春に大きな花を咲かせる「牡丹(ぼたん)」の花に見立てて、少し大きめに丸く作られます。
- 秋の「おはぎ」:秋の七草のひとつである「萩(はぎ)」の花に見立てて、小ぶりで少し細長い俵型に作られます。
さらに、昔ながらの作り方では「あんこの種類」にも違いがありました。小豆は秋に収穫されます。秋のお彼岸の頃は収穫したばかりの新鮮な小豆を使えるため、皮ごと煮ても柔らかく、小豆の風味を存分に味わえる「粒あん」でおはぎを作っていました。一方、春のお彼岸の頃には小豆の皮が乾燥して固くなってしまうため、皮を取り除いてなめらかな「こしあん」にしてぼたもちを作っていたのです。季節によって呼び名や作り方を変える昔の人の細やかな工夫には、深く感心させられます。
秋分を告げる花「彼岸花(ヒガンバナ)」
秋分の時期、田んぼのあぜ道や川土手などで、燃えるような真っ赤な花を一斉に咲かせる植物があります。「彼岸花(ヒガンバナ)」です。ちょうど秋のお彼岸の時期に合わせたかのように、突然茎を伸ばして花を咲かせることからその名が付きました。別名を「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」とも呼び、これは仏教の経典に由来する「天上の赤い花」という意味を持つ美しい名前です。
彼岸花には少し怖いイメージを持っている方もいるかもしれません。それは、彼岸花が球根に強い毒を持っている有毒植物だからです。しかし、この毒も昔の人々の生活の知恵から利用されてきました。ネズミやモグラなどの小動物は彼岸花の毒を嫌うため、大切な農作物を守るために田んぼのあぜ道に植えたり、ご先祖様が眠るお墓を動物から守るためにお墓の周りに植えられたりしたのです。
また、彼岸花は「葉見ず花見ず(はみずはなみず)」と呼ばれる特徴を持っています。秋に花が咲いている時には葉が一切なく、花が枯れてからようやく緑の葉を伸ばし、冬を越して春に葉が枯れるという、一般的な植物とは逆の成長サイクルを持っています。花と葉が同時に見られないという不思議な生態も、この植物の神秘的な魅力を引き立てています。
4. まとめ

秋分は、昼と夜の長さが均衡し、季節が夏から秋へと明確にバトンタッチをする大切な節目です。天文学的な地球と太陽の動きがもたらす自然の摂理と、そこから生まれた日本独自の豊かな風習が重なり合う、非常に奥深い時期でもあります。
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、過ごしやすい気候となるこの時期は、何をするにも心地よい季節です。休日の「秋分の日」には、ご家族でお墓参りに出かけてご先祖様に思いを馳せたり、一緒におはぎを手作りして小豆の甘い香りに包まれたりするのも素晴らしい過ごし方です。また、少し夜更かしをして、虫の音を聴きながら読書を楽しんだり、秋の夜空の星を観察したりするのもよいでしょう。
今回の記事でご紹介した知識や豆知識をヒントに、ぜひお子さんと一緒に自然の移ろいを感じながら、実り多き秋の始まりを心豊かにお過ごしください。
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