こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《小学生の運動会応援の指導法|盛り上がる声かけ・練習のコツまとめ》について紹介させて頂きます。
- 1. はじめに
- 2. 小学生の応援練習を成功させる3つのポイント
- 3. 盛り上がる応援の作り方|構成とアイデア例
- 4. 声かけの工夫とモチベーションの上げ方
- 5. 応援練習で気をつけたいこと
- 6. まとめ|応援は「心をそろえる」練習
1. はじめに
運動会は、子どもたちにとって一年の中でも大きな行事のひとつです。徒競走やリレー、ダンスなど見どころはたくさんありますが、「応援」もまた、子どもたちの気持ちがひとつになる大切な活動です。
応援には、勝ち負けを超えた仲間意識や協調性を育てる力があります。ただ声を出して盛り上げるだけでなく、「誰かを支える」「仲間を励ます」という体験を通して、子どもたちは人として大切なことを自然に学んでいきます。
とはいえ、応援の指導ってなかなか難しいもの。恥ずかしがって声を出せない子がいたり、練習が単調になったり、盛り上がりに欠けることもありますよね。
この記事では、小学生の運動会応援をスムーズに楽しく指導するためのポイントや、盛り上げるコツ、声かけの工夫などを具体的にご紹介します。特別なスキルやセンスがなくても、誰でも取り組める内容ですので、指導を担当される方や保護者の皆さんのお役に立てればうれしいです。
2. 小学生の応援練習を成功させる3つのポイント
2-1. 応援の目的を子どもに伝える
まず大事なのは、「なぜ応援するのか?」という目的を子どもたちに伝えることです。
応援は単に勝ちたいから、盛り上げたいからやるものではありません。自分が走らない種目でも、応援という形で仲間を支え、チームの一体感を作っていくことができます。
指導する際には、「応援も競技のひとつなんだよ」と伝えてあげると、子どもたちの意識も変わってきます。自分たちが応援していることで、走っている友達が元気になる、そんな気持ちのつながりを大事にしたいですね。
2-2. 無理のない時間配分と練習計画
小学校のスケジュールは限られています。授業に支障が出ないようにしながら、応援練習をどう組み込むかは大切なポイントです。
おすすめは、朝の会後の5分間や昼休みの10分間など、短時間でも定期的に練習時間を確保すること。1回にたくさん詰め込むよりも、毎日少しずつ練習する方が子どもたちの記憶にも定着します。
また、「今日は声出しだけ」「明日は動きの確認」など日ごとにテーマを決めると、練習がマンネリせずテンポよく進められます。
2-3. 学年に応じた指導の工夫
学年によって、できること・やりたいことは変わってきます。無理に統一しようとせず、学年の特性を活かすと指導もうまくいきます。
● 低学年(1・2年生)
この学年は「楽しい!」と感じてもらうことが第一。大きな声が出せなくても、リズムに合わせて体を動かすだけでも立派な応援です。繰り返しやすく、覚えやすいフレーズを使いましょう。
● 中学年(3・4年生)
少しずつ全体の動きを理解できるようになります。列や隊形を意識したり、友達と声をそろえる工夫もできるようになるので、簡単なパート分けやコール&レスポンスを取り入れても楽しいです。
● 高学年(5・6年生)
自分たちで応援を考えたり、下級生に教える役割も担える年齢です。責任感やリーダーシップが育つチャンスですので、指導者がすべて用意するのではなく、アイデアを引き出す姿勢が大切です。
3. 盛り上がる応援の作り方|構成とアイデア例
3-1. 応援コール・フレーズの工夫
応援の基本となるのが、コールやかけ声です。大事なのは「みんなが覚えやすく、言いやすいこと」。言葉が長すぎたり難しいと、練習でつまずいてしまいます。
たとえば:
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「ゴーゴー○○組!」
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「勝つぞ○○!」「オー!」
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「いちにのさんし!がんばれ○○組!」
語感がよく、リズムにのりやすいものが喜ばれます。また、手拍子やジャンプなど、声と動きを組み合わせると、全体の一体感も増していきます。
3-2. 身体表現の取り入れ方
声だけで応援するのは、ちょっと恥ずかしい…という子もいますよね。そんなときは、体の動きを加えることで、自然に盛り上がっていきます。
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両手を突き上げる
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リズムに合わせて左右にステップ
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グループごとの振り付け
難しいダンスでなくて構いません。「みんなで同じ動きをする」こと自体が楽しく、子どもたちの表情もパッと明るくなります。
3-3. 小道具の活用
目でも楽しめる応援にするために、小道具を使うのも効果的です。
安全に配慮しつつ、ちょっとした小物があるだけで子どもたちのテンションはぐんと上がります。「今日はポンポン使ってみよう!」というだけでも、練習が楽しくなります。
4. 声かけの工夫とモチベーションの上げ方
応援練習において「声かけ」は非常に大きなカギを握ります。単に「頑張ろう!」「もっと大きな声で!」と繰り返すだけでは、子どもたちの心にはなかなか届きません。
ここでは、子どもたちが前向きな気持ちで応援に取り組めるようになる声かけの工夫と、モチベーションを高めるための実践アイデアをたっぷりご紹介します。
4-1. 具体的に褒めることで、やる気を引き出す
応援練習では、つい「もっと声を出して!」「元気が足りないよ!」と注意に目が向きがちです。しかし、まず意識したいのは、良いところを具体的に言葉にして認めることです。
NG例:
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「もっとがんばって」
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「何回言ったら分かるの?」
OK例:
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「今、すごく大きな声が出てたね!後ろの人にも届いてたよ」
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「拍手のタイミングがピッタリだった!クラスがひとつになってたね」
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「今日は昨日よりも元気な表情が増えてたよ。すごくいい雰囲気だった!」
子どもたちは、どんなふうに努力が届いたのか、自分の変化に気づくことでさらにやる気が高まります。評価の言葉は「動き」「声」「表情」「一体感」など、具体的な視点をもって伝えるのがコツです。
4-2. 「できた実感」を積み重ねる声かけ
「すごいね!」「えらいね!」ももちろん嬉しい言葉ですが、より効果的なのは子ども自身が成長を実感できるような言葉です。
たとえば、
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「最初は恥ずかしそうだったけど、今日は自信が出てきたね」
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「昨日より揃ってる!みんなの練習の成果が出てきたね」
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「応援の動きにキレが出てきて、かっこよくなった!」
こうした声かけを積み重ねることで、「もっとがんばってみよう」という気持ちが自然に芽生えます。自分の成長を感じることは、何よりも子どもたちのモチベーションにつながります。
4-3. 応援リーダーの力を最大限に活かす
高学年の子どもたちを中心に、「応援団」「応援リーダー」などの役割を与えることで、より自主的に活動が進みます。
応援リーダーに任せたいこと:
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動きやかけ声の手本を見せる
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練習中の号令をかける
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下級生に優しく教える
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練習の最後に「よくがんばった!」とまとめの言葉を伝える
ただし、リーダーも最初から完璧にできるわけではありません。失敗や緊張も含めて、経験がリーダーを育てます。先生や大人が少しずつサポートしながら、見守っていきましょう。
リーダーに対しても、
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「リーダーの動きがハッキリしてたから、みんなもマネしやすかったよ」
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「今日のまとめ、しっかり声が通っててよかったね」
など、努力を認める声かけを意識することで、自信を育むことができます。
4-4. みんなが主役になれる「役割分担」
応援の場で活躍するのは、大きな声が出せる子や目立つリーダーだけではありません。
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持ち道具係(ポンポンや旗を配る)
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スタート合図係
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応援のタイミングをカウントする係
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応援パネルを持つ係
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歌やかけ声を盛り上げる担当
このように、「目立たないけど大切な仕事」を設定することで、どんな子にも役割を持たせることができます。
そして、その仕事ぶりをきちんと認めて声をかけることがポイントです。
「パネルのタイミング、完璧だったよ!応援がバシッと決まったね」
「道具をしっかり準備してくれたおかげでスムーズにできたよ!」
役割があるだけで、子どもたちは責任感を持ち、自分なりの頑張り方を見つけていきます。
4-5. モチベーションが下がったときの対処法
毎日元気いっぱい…とはいかないのが子どもたち。モチベーションが下がってきたときの対処法も知っておくと安心です。
1. 小さな変化で刺激を与える
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掛け声を少し変える
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応援をチーム対抗で競う(「どっちが揃ってたか」など)
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BGMや太鼓を入れて雰囲気を変える
単調になってきた練習も、ちょっとした工夫で「またやってみよう!」の気持ちを引き出せます。
2. 雑談や笑いを取り入れる
練習の合間に「ちょっと休憩!今日はおもしろ応援チャレンジ!」など、遊びの要素を入れるのも効果的。たとえば、
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「ロボット応援」
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「変顔応援」
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「先生になりきり応援」
などを行うと、緊張感がほぐれて一気に笑顔が戻ります。
4-6. 成長を見える化する記録・ツール
やる気を継続させるには、「自分たちがどれだけ頑張っているか」を可視化する仕組みがあると効果的です。
例:
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応援練習カレンダー(毎日できたことに○やスタンプをつける)
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「今日の応援王」表彰(ひとりひとり順番に)
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クラス全体のがんばり掲示(写真・一言コメント付き)
こういった工夫があると、「今日もがんばってみようかな」と自然に前向きな気持ちが育っていきます。
5. 応援練習で気をつけたいこと
5-1. 声が出ない子どもへの配慮
「恥ずかしくて声が出ない」「人前で緊張する」そんな子もいます。無理に声を出させようとすると逆効果になることもあります。
そういうときは、
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動きだけでも参加できるようにする
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少人数で練習する機会を作る
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クラスの中での居場所を感じられるようにする
など、できることを認める姿勢が大切です。「声が小さくても、一生懸命やってるのが伝わってるよ」と伝えるだけで、その子にとっての大きな励ましになります。
5-2. 体調・安全面への配慮
特に夏前の運動会では、練習中の熱中症や体調不良にも注意が必要です。声出しや動きをする練習は体力も消耗しますので、練習時間や内容をその日の天候や子どもたちの様子に合わせて調整しましょう。
帽子着用、水分補給、日陰での休憩など、「応援だから大丈夫」と思わず、体の負担も意識することが重要です。
6. まとめ|応援は「心をそろえる」練習
小学生の応援指導には、声の出し方や動きだけでなく、「仲間を思う気持ち」「協力しようとする姿勢」を育てるという、目には見えにくい大切な目的があります。
大人が完璧を求めすぎず、子どもたちのペースと個性を尊重することが、結果的に楽しく、盛り上がる応援につながります。
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簡単で覚えやすいフレーズ
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身体表現と小道具の活用
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声かけや応援リーダーを活かした工夫
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子どもたちの「できた!」を積み重ねていくこと
これらを意識するだけで、運動会の応援がグッと豊かなものになります。
子どもたちにとって、応援で感じた一体感や達成感は、運動会が終わったあともきっと心に残るはずです。先生も保護者も一緒に、温かく、楽しく、子どもたちを見守っていけたら素敵ですね。