こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《二十四節気の「白露」って?小学生と学ぶ意味・由来・自然の雑学》について紹介させて頂きます。
1. はじめに
日本には、古くから自然の移り変わりを感じ取るための「二十四節気(にじゅうしせっき)」という暦があります。これは、1年を24に分けて季節の目安としたものです。現代でも天気予報や季節の話題の中で耳にすることがありますが、もともとは農業や生活に深く関わっていました。
その中の一つに「白露(はくろ)」があります。名前だけ聞くと、「白い霧?」とか「雪?」といったイメージを持つ人も多いかもしれません。けれども、白露は雪や霜ではなく、「朝晩の涼しさによって草木につく露」が由来となっている節気です。
この記事では、小学生にもわかるように「白露の意味」や「由来」を説明しつつ、大人が読んでも楽しめるように、歴史的な背景や自然の雑学まで幅広く紹介します。親子で一緒に読んで、「へぇ、そうなんだ!」と楽しめる内容にまとめました。
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2. 白露とは?

白露は二十四節気の中で「秋」の節気にあたります。立秋(8月上旬)から始まる秋の流れの中で、
例年の期間は 9月7日ごろから9月22日ごろ まで。この頃は、夏の暑さがやわらぎ、朝晩はぐっと涼しくなります。昼間はまだ暑さが残る日もありますが、季節は確実に秋へと歩みを進めています。
「白露」という名前の由来は、早朝に草花の葉に宿る“白く光る露”です。夜の間に冷え込んだ空気が、朝になって草や花を濡らし、光を反射して白く輝く。その姿を昔の人々は季節の印として名付けました。
現代の私たちも、朝の散歩をすると草の先に水滴がキラキラと輝いているのを見かけます。これこそが「白露」という節気の象徴なのです。
3. 白露の意味と由来

「白露」という言葉は、文字通り「白い露」を意味します。では、なぜこの時期に「露」が目立つのでしょうか?
理由は 昼夜の気温差 にあります。夏から秋にかけては、昼間はまだ太陽の光で暖かいのに、夜は気温がぐっと下がります。そのため空気中の水蒸気が冷やされて、草木や花の表面に小さな水滴となって現れるのです。この自然現象が「露」であり、古くから日本人はそれを季節のしるしとして大切にしてきました。
古代の人々にとって、二十四節気は農作業のカレンダーでもありました。白露の時期は稲刈りの直前にあたり、朝露が稲穂を濡らす様子は、収穫の合図でもありました。農家にとっては「もうすぐ収穫だ」という期待と緊張を感じる大切な節気だったのです。
また「露」という言葉は、和歌や俳句の世界でも重要な季語として使われています。露は「一瞬の輝き」や「はかなさ」を象徴し、日本人の美意識に深く結びついています。「白露」という言葉には、自然を繊細に感じ取る心が表れているといえるでしょう。
4. 白露の頃に見られる自然の変化

白露の時期は、夏から秋への移り変わりを実感できる季節です。自然界ではさまざまな変化が見られます。
朝晩の涼しさ
白露の頃になると、日中はまだ残暑が厳しい日があるものの、朝と夜はひんやりとした空気を感じられるようになります。布団をかけないと肌寒い夜も増えてきて、「秋が近い」と体感できる季節です。
草花に宿る露
早起きして外に出ると、草や花の上に小さな水滴がついているのが見られます。これは夜の冷え込みによって空気中の水分が凝結したもので、朝日を浴びてキラキラと光る様子はとても美しい光景です。
秋の七草
白露の頃は「秋の七草」がちょうど見頃を迎えます。萩(はぎ)、尾花(ススキ)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)の七つです。春の七草のように食べるのではなく、目で見て楽しみ、歌に詠む文化として親しまれてきました。
虫の音
この季節になると、夜にはコオロギやスズムシ、マツムシなど、秋の虫の声が盛んに聞こえてきます。日本では古くから虫の声を「音楽」として楽しむ文化がありました。白露の頃の夜長に、虫の音を耳を澄ませて聞くのも風情があります。
5. 白露にまつわる雑学・豆知識

白露はただの季節の区切りではなく、日本の文化や生活、自然観と深く結びついています。ここでは、大人も小学生も「なるほど!」と思える雑学をたっぷり紹介します。
二十四節気の中での位置づけ
白露は二十四節気の「第15番目」にあたり、秋の節気のひとつです。流れを整理すると、
という順番になります。つまり白露は「秋の深まりの入口」を示す節気といえるでしょう。
暦便覧での説明
江戸時代に書かれた『暦便覧(こよみびんらん)』には、白露について次のように記されています。
「陰気ようやく重なり、露にごりて白色となればなり」
これは「陰の気(冷えた空気)がだんだん強くなり、草木の上にできる露が白く見えるようになる頃」という意味です。昔の人々がいかに自然を注意深く観察していたかがうかがえます。
七十二候での細かい区分
二十四節気はさらに細かく「七十二候(しちじゅうにこう)」に分けられています。白露も3つの候に分けられ、それぞれ自然の移ろいを詩のように表しています。
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初候(9月7日〜11日頃)「草露白(くさのつゆしろし)」
草の上に降りた露が白く輝く時期。白露の名そのものを表した候です。 -
次候(9月12日〜16日頃)「鶺鴒鳴(せきれいなく)」
セキレイという鳥が鳴き始める頃。セキレイは水辺にいる鳥で、秋の訪れを告げる存在とされました。 -
末候(9月17日〜22日頃)「玄鳥去(つばめさる)」
夏を日本で過ごしたツバメが、南の国へ帰っていく頃。白露の終わりには、渡り鳥の動きで季節の移ろいを知ることができるのです。
こうした七十二候は、現代人にとっては少しロマンチックに響きますが、当時の人々にとっては農作業や暮らしの重要な手がかりでした。
旧暦とお月見との関係
白露の時期は、旧暦の8月にあたります。旧暦8月15日には「中秋の名月」と呼ばれる十五夜のお月見が行われます。ちょうど白露の時期と重なるため、「白露の夜はお月見」とも言えるのです。
日本人にとって月は特別な存在であり、秋の夜空に輝く満月は収穫への感謝と結びついてきました。白露の夜に月を眺め、ススキを飾り、団子を供える風習は今も続いています。
農業との関係
農家にとって白露は、稲刈りや収穫のサインでもありました。朝露が稲穂を濡らすと、重みで頭を垂れます。そこから「稲が実った」という判断をしたのです。露はただの水滴ではなく、実りの象徴でもあったのです。
また、露の多さはその年の天候を占う材料にもされました。自然を細やかに観察することで、農業と共に生きてきた日本人の知恵が感じられます。
文学や文化における「白露」
俳句や和歌では、「白露」は秋の季語として広く使われてきました。露は一瞬で消えてしまうため、「はかなさ」「無常」「もののあわれ」を表す象徴として好まれました。
たとえば万葉集や古今和歌集などにも「白露」を詠んだ歌が数多く残っています。そこには、自然の美しさだけでなく、人生のはかなさを重ね合わせた日本独自の感性がにじみ出ています。
世界との違い
実は二十四節気は中国から伝わったものですが、日本の自然や暮らしに合わせて独自に使われ続けてきました。ヨーロッパの暦にはこのような細かい季節区分はなく、日本特有の「自然を感じ取る文化」といえます。白露という言葉一つをとっても、日本人の自然観や感性が豊かに表れているのです。
白露と自然の変化
白露は秋の訪れを告げる節気で、朝晩の冷え込みが強くなる時期です。草木の上に白く光る露は、夏の名残と秋の訪れを同時に感じさせます。この露は単なる水滴ではなく、自然のリズムや季節の変化を知る手がかりとして昔から重要視されてきました。白露の頃には以下の自然現象が観察できます。
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草花や葉に光る朝露
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セキレイなどの渡り鳥の鳴き声が聞こえ始める
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春から夏を過ごしたツバメが南へ帰る
七十二候では、「草露白」「鶺鴒鳴」「玄鳥去」といった三つの候に分かれ、それぞれの微妙な自然の変化が詠まれています。これにより、農作業や日常生活にも自然のリズムが反映されていました。
白露と旬の食べ物
白露の時期は食材も夏の名残と秋の実りが重なるため、食卓が豊かになります。旬の食べ物には以下のようなものがあります。
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果物:ぶどう、なし、いちじく、柿(出始め)
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野菜:里芋、さつまいも、かぼちゃ、きのこ類(しめじ、松茸)
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魚介:さんま、さば、秋鮭
ぶどうは巨峰やシャインマスカットなど品種によって甘みや香りが異なり、なしはみずみずしさが特徴で、いちじくは食物繊維やポリフェノールが豊富です。柿は「柿が赤くなれば医者が青くなる」と言われるほど栄養価が高く、秋の健康維持に役立ちます。野菜では里芋やさつまいもが旬を迎え、煮物や蒸し料理で秋の味覚を楽しめます。きのこ類は香りや食感で秋の到来を感じさせ、魚ではさんまや秋鮭が脂の乗った最も美味しい時期を迎えます。
白露と行事・生活習慣
白露の季節は生活や行事にも深く関わっています。朝夕の冷え込みが始まるため、古くから「白露を過ぎたら一枚上着を」といわれ、衣替えや体調管理の目安とされました。
また、この時期は十五夜(中秋の名月)と重なることが多く、月見団子やススキを飾って収穫に感謝する風習があります。里芋を供える地域では「芋名月」と呼ばれ、農作物の実りと密接に結びついた行事となっています。
白露と文学・文化
白露は文学の世界でも秋の象徴として詠まれています。露は儚く消えやすいことから、無常やもののあわれを表す象徴として俳句や和歌に多く登場します。古典から現代まで、多くの作品で秋の情緒を感じさせる重要な季語として使われています。
6. 白露を感じる身近な体験アイデア

白露を本や知識だけで終わらせず、実際に感じ取ることもできます。子どもと一緒に自然に触れながら学べば、より深く心に残るでしょう。
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朝の散歩で露を探してみる
草花の上に光る小さな水滴を探してみましょう。カメラで撮影すると、キラキラ輝く宝石のように写ります。 -
秋の虫の声を観察する
夜に窓を開けると、スズムシやコオロギの声が聞こえます。図鑑で調べながら聞くと楽しい観察日記になります。 -
秋の七草を調べて絵に描く
公園や道端で見かけた草花を調べ、七草に含まれているかを調べてみると、身近な自然と歴史がつながります。 -
お月見を楽しむ
白露の頃は中秋の名月。家族で月を眺め、ススキや団子を飾ると、日本の伝統を肌で感じることができます。
こうした体験を通じて、小学生も大人も「白露」という言葉の意味を実感できるはずです。
7. まとめ

白露は、二十四節気のひとつであり「朝晩の冷え込みで草花に白い露が宿る時期」を表しています。9月上旬から中旬にかけて、自然は夏から秋へと大きく移り変わります。
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朝晩の涼しさ
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草花に光る露
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秋の七草の見頃
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虫の音の響き
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お月見や農業とのつながり
これらすべてが白露の季節を象徴しています。さらに、七十二候の細やかな表現や、俳句や和歌における露のはかなさなど、日本人の自然観が豊かに詰まっています。
小学生にとっては自然観察の良いきっかけになり、大人にとっては古来からの文化や季節感を見直す機会になるでしょう。親子で一緒に白露を感じれば、ただの「暦の言葉」ではなく、身近で心に残る季節の体験になるはずです。
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