
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《処暑に知っておきたい雑学10選|小学生におすすめの学習記事》について紹介させて頂きます。
1. はじめに
「処暑(しょしょ)」という言葉を聞いたことがありますか? 小学生のみなさんにとっては、まだ少し難しい言葉かもしれません。でも、この「処暑」というのは日本の季節を表す大切な区切りのひとつで、毎年8月23日ごろに訪れる日です。
夏休みの終わりに近いころ、昼間はまだまだ暑いけれど、夜になると少し涼しい風を感じたり、虫の声が聞こえてきたりしませんか? 実はそれが「処暑」という季節の変わり目を表しているのです。
この記事では、処暑の意味や、処暑にまつわる雑学を10個紹介します。どれも小学生にわかりやすく、大人が読んでも「なるほど」と思える内容になっています。夏から秋にかけての自然や文化を楽しく学びながら、自由研究や家庭での会話に役立ててください。
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2. 処暑とは?基本の意味を知ろう

処暑は、二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつです。二十四節気とは、中国で生まれ、日本でも昔から使われてきた季節の区分で、1年を24の時期に分けて自然の移り変わりを表したものです。
処暑は「暑さが処(おさ)まるころ」という意味を持ちます。まだまだ残暑が厳しい地域も多いですが、朝晩は涼しくなり、秋の気配を感じ始めるのがこの時期です。農家にとっては稲が実り始め、台風シーズンが近づく重要な時期でもありました。
つまり処暑は、ただの「暦の日」ではなく、人々の暮らしや自然観察に深く関わる大切な節目なのです。
3. 処暑に知っておきたい雑学10選

ここからが本題です。処暑にまつわる面白い雑学を10個紹介します。小学生でも理解できるようにやさしく、大人が読んでも知識になるように詳しく解説していきます。
雑学① 処暑の日付は毎年変わる
処暑は「8月23日ごろ」とされていますが、実は毎年同じ日ではありません。年によって8月22日になったり、24日になったりすることもあります。これは地球が太陽のまわりを回る周期と暦のずれを調整しているためです。
処暑は、太陽が「黄経(こうけい)150度」の位置に来たときに始まります。これは天文学的な基準で決められているので、カレンダー上の日付が少しずれるのです。
👉 豆知識:現代のカレンダーは太陽暦(グレゴリオ暦)ですが、昔の日本は旧暦(太陰太陽暦)を使っていました。そのため、江戸時代の人々が使っていた「処暑の日」は、今とは少し違う日付だったのです。
雑学② 「処」とは「落ち着く」という意味
「処暑」という言葉の「処」は、「落ち着く」「おさまる」という意味を持っています。つまり「暑さが落ち着くころ」が「処暑」です。
暑さが一気になくなるわけではなく、昼間はまだ真夏のように暑い日もあります。しかし、朝晩の涼しさや、空の色、虫の声などに秋の気配を感じ始めるのがこの時期です。
👉 豆知識:漢字の「処」は「場所」という意味も持っています。なので「処暑」は「暑さがとどまる場所」→「暑さが一段落する時期」というイメージで理解するとわかりやすいですね。
雑学③ セミから秋の虫へ、鳴き声の主役が変わる
処暑を過ぎると、夏の象徴であるセミの鳴き声が少なくなります。その代わりに、夜にはコオロギや鈴虫、マツムシなど、秋の虫の鳴き声が響くようになります。
これは気温の変化によるもので、セミは暑い時期に活動する昆虫ですが、気温が下がると鳴かなくなります。一方、秋の虫たちは涼しい時期に活動を始めるので、まさに「鳴き声の交代」が起こるのです。
👉 豆知識:日本では古くから「虫の声を楽しむ文化」があります。西洋では虫の鳴き声を「ただの音」としか捉えないことが多いのですが、日本では「虫が歌っている」と感じる人が多いのです。これは日本語が音を「意味」として聞き取る性質を持っているからだといわれています。
雑学④ 空に秋の雲「うろこ雲」が広がる

処暑のころ、空を見上げると夏の入道雲ではなく、「うろこ雲」「いわし雲」「さば雲」と呼ばれる秋の雲が広がることがあります。これらの雲は、小さな白いかたまりが魚の鱗のように並んで見えるのが特徴です。
うろこ雲は、上空に冷たい空気が流れ込むことでできる雲で、「秋が近づいているサイン」とされています。昔の人々は、雲の形を見て季節や天気を予想していました。
👉 豆知識:「うろこ雲が出ると天気が下り坂」と言われます。これは、うろこ雲が現れるときは湿った空気が入り込んでいる証拠で、雨が近いことを示しているのです。
雑学⑤ 田んぼの稲が色づく季節
処暑のころになると、田んぼの風景も大きく変わります。真夏の青々とした稲の葉が、次第に黄金色に変わっていくのです。これは稲穂に実が入り始め、収穫に向けて成熟していくサインです。
農家にとって処暑は、台風対策をしながら稲刈りの準備を始める重要な時期でした。昔から日本人は稲作と共に生きてきたため、この季節の変化を敏感に感じ取り、生活に取り入れていました。
👉 豆知識:田んぼに立てられる「かかし」も、この時期からよく見られるようになります。かかしは鳥や動物から稲を守るためのものですが、昔は悪霊を追い払う意味も込められていました。
雑学⑥ 台風シーズンの始まり
処暑を過ぎると、日本は本格的な台風シーズンに入ります。特に「二百十日(にひゃくとおか)」と呼ばれる日(立春から数えて210日目、だいたい9月1日ごろ)は、昔から台風が多いといわれてきました。
農家にとっては、せっかく実り始めた稲が台風で倒れてしまう危険があるため、処暑からの時期は天気の変化に特に注意が必要だったのです。
👉 豆知識:実際に気象庁の統計を見ても、台風の発生や上陸は8月から9月が最も多い時期です。昔の人々が経験的に残した「二百十日」の知恵は、現代の科学でも裏付けられています。
雑学⑦ 旬の食べ物が夏から秋へ移り変わる

処暑は食べ物の世界でも変化が大きい時期です。夏野菜のなす、きゅうり、ピーマン、ゴーヤなどがまだ美味しく食べられる一方で、秋の味覚であるぶどう、なし、いちじくといった果物や、秋刀魚(さんま)などの魚も出回り始めます。
つまり、処暑は「夏と秋の食材が同時に楽しめる」ぜいたくな時期なのです。
👉 豆知識:旬の食べ物は、その季節に体が必要とする栄養を多く含んでいます。夏野菜は水分やカリウムが豊富で、暑さによる疲れを和らげます。一方、秋の果物は甘みが強く、エネルギー補給にぴったりです。
雑学⑧ 「処暑の候」という季節のあいさつ
日本の文化には、手紙やビジネス文書に使う「時候のあいさつ」という表現があります。処暑のころには「処暑の候(しょしょのこう)」という表現を使うことができます。
例えば、学校で習字や作文を書くときに「処暑の候、皆さまいかがお過ごしでしょうか」と書けば、季節感あふれる文章になります。
👉 豆知識:二十四節気にちなんだあいさつは、それぞれの季節に合わせて使うことができます。「立秋の候」「寒露の候」など、知っていると大人になってからも役立つマナーです。
雑学⑨ 体調を崩しやすい時期
処暑のころは、昼と夜の気温差が大きくなるため、体調を崩しやすくなります。特に冷房の効いた室内と外の気温差が体に負担をかけ、夏バテや風邪をひきやすいのです。
👉 豆知識:東洋医学では、処暑から秋にかけては「肺」に負担がかかりやすいとされています。乾燥に備えて水分をとり、呼吸器をいたわることが昔からの養生法でした。
雑学⑩ 処暑は俳句や短歌の「季語」になる
処暑という言葉自体が、俳句や短歌の「季語」として使われます。季語とは、作品に季節感を出すために使われる言葉のことです。
俳句の世界では、「処暑」は夏の終わりから秋の始まりを表す季語として親しまれています。例えば「処暑の風」「処暑の雨」といった表現で、季節の空気感を表すのです。
👉 豆知識:小学生の自由研究や国語の勉強にも、処暑をテーマに俳句や短歌を作ってみるのはおすすめです。例えば「処暑すぎ 風にゆれるや 秋の草」といったように、自然を観察して表現してみましょう。
4. 小学生におすすめの学習・自由研究アイデア

処暑は、自由研究や日常の学習のテーマにぴったりです。いくつかアイデアを紹介します。
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気温の観測:処暑の前後1週間の朝と夜の気温を記録して、グラフにまとめてみる。
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虫の鳴き声調べ:昼と夜に聞こえる虫の声を録音し、図鑑で種類を調べる。
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旬の食べ物観察:処暑のころに出回る果物(ぶどう、なし、いちじく)を観察して、味や見た目の違いを記録する。
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俳句や短歌を作る:処暑をテーマに、季節感を盛り込んだ表現に挑戦する。
これらの学習は、小学生にとって身近で実践的な体験になるだけでなく、大人も一緒に取り組むことで親子の会話が広がります。
5. まとめ

処暑は「暑さが落ち着くころ」を意味する二十四節気のひとつで、日本人の暮らしや自然観察に深く結びついた大切な節目です。
今回紹介した雑学10選では、処暑の日付や言葉の意味、自然の変化、旬の食べ物、文化的なあいさつや俳句まで、幅広い知識を学ぶことができました。
小学生にとっては、自由研究や家庭学習の題材になりますし、大人にとっても日々の暮らしを豊かにするヒントになります。ぜひこの記事を参考にして、処暑の季節をより深く感じてみてください。
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