
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《【雑学】七五三はなぜ「7・5・3」?数字に込められた意味と日本の風習を学ぼう》について紹介させて頂きます。
- 【第1章】「七五三」という数字の不思議
- 【第2章】奇数は「陽の数」―古代中国の思想から来た数字信仰
- 【第3章】数字が持つ意味 ― 3・5・7それぞれの象徴
- 【第4章】「7・5・3」は人の一生の節目を表すリズム
- 【第5章】「3・5・7」は日本の美意識にも通じる数
- 【第6章】数字に宿る祈り ― 家族の願いが形になった七五三
- 【第7章】西洋との違い ― 日本独特の「数字文化」
- 【第8章】七五三の日が「11月15日」になった理由
- 【第9章】数字と神社の深いつながり
- 【第10章】まとめ ― 数字の中に生きる祈りと文化
【第1章】「七五三」という数字の不思議
11月になると、着物を着た子どもたちが神社で笑顔を見せる光景をよく見かけます。七五三は日本の秋を代表する行事のひとつです。けれども、よく考えてみると「七五三」という名前は少し不思議です。なぜ「7・5・3」という数字なのか。どうしてこの三つの数字が子どもの成長と結びついているのでしょうか。
実は、七五三は単なる年齢の区切りではなく、**日本人が昔から大切にしてきた「数字の力」や「自然との調和」**が深く関係しています。日本人は古くから、数字そのものに「意味」や「祈り」を見出してきました。神社の石段や拍手の回数、和歌や俳句の音数、さらには祝儀袋の金額まで、すべてに「数の感覚」が宿っています。
七五三もそのひとつ。数字の組み合わせには、人の成長を祝うだけでなく、命の節目を美しく刻む日本人の感性が込められています。偶数ではなく奇数を選んだ理由、そして「3」「5」「7」それぞれの意味をたどると、七五三が単なる子どものお祝いではなく、文化としての数字の美学であることが見えてきます。
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【第2章】奇数は「陽の数」―古代中国の思想から来た数字信仰

七五三が「7・5・3」という奇数で構成されているのは偶然ではありません。古代中国の「陰陽思想」が大きな影響を与えています。陰陽思想とは、世界のすべてを「陰(女性的・静的)」と「陽(男性的・動的)」という二つの性質でとらえる考え方です。
この考えでは、奇数は「陽」、偶数は「陰」とされます。陽は力強さ・発展・生長を表し、縁起の良いものとして尊ばれてきました。逆に偶数は終わり・静けさを意味するため、祝い事では避けられる傾向があります。たとえば日本でも「割り切れる数」は避けることが多く、結婚式のご祝儀に「2万円」や「4万円」を包まないのはこのためです。
つまり、七五三の数字がすべて奇数であるのは、「陽の数」で子どもの生命力と成長を祝うという意味があるのです。さらに、3・5・7はいずれも連続する奇数であり、勢いよく上昇していく流れを感じさせます。この数字の並びには、「これからもまっすぐに育っていくように」という親の祈りが重なっています。
日本の行事の多くも奇数の日に行われます。1月7日の「七草の節句」、3月3日の「桃の節句」、5月5日の「端午の節句」、7月7日の「七夕」、9月9日の「重陽の節句」。これらはいずれも古代中国の「五節句」が由来で、奇数を重ねる日を「陽が重なる吉日」として祝いました。七五三もその伝統の延長線上にあるのです。
【第3章】数字が持つ意味 ― 3・5・7それぞれの象徴

数字には、それぞれ独自の意味があります。七五三を深く理解するには、「3」「5」「7」という数字が何を象徴しているのかを知ることが大切です。
**3(み)**は「始まりと安定」の象徴です。古くから日本では三という数字が特別視されてきました。三種の神器、三本締め、三本の矢など、「三つそろうと完全」という考えが根付いています。宗教的にも「天・地・人の調和」や「過去・現在・未来」といった三位一体の考えが存在します。3はすべての出発点であり、生命が安定し始める数なのです。
**5(いつ)**は「人間の中心」を意味します。五感、五大(地・水・火・風・空)、五行(木・火・土・金・水)など、5は人間や自然界の調和を表す数字です。人の身体にも五本の指、五つの感覚があり、世界を感じる基盤が「5」にあります。七五三での5歳の祝いは、子どもが社会や人間関係の中で自立し始める節目を示しているのです。
**7(なな)**は「神聖」や「完成」を意味する数字です。日本では七福神、七草、七夕、七回忌など、「7」は幸運や霊的な力と結びついてきました。西洋でもラッキーセブンとして愛される数です。七歳の祝いが女の子の成長儀式とされるのは、美しさ・知恵・感性といった内面的な成熟を象徴するからです。
このように、「3=誕生と安定」「5=成長と調和」「7=完成と神聖」という流れは、人の一生のリズムを数字で表しているとも言えます。七五三は、数字による生命の物語を祝う行事なのです。
【第4章】「7・5・3」は人の一生の節目を表すリズム

昔の日本では、子どもが無事に成長することが今よりずっと難しい時代がありました。医療や衛生の発展していない時代には、乳幼児が命を落とすことも多く、3歳を迎えることさえ「命の山を越えた」と表現されました。
そのため、人々は子どもの節目ごとに神様に感謝し、祈りをささげました。3歳で「髪を伸ばし始める髪置の儀」、5歳で「初めて袴を着る袴着の儀」、7歳で「帯を結ぶ帯解の儀」。これらの古い風習が一つにまとめられて、七五三という形になったのです。
つまり「7・5・3」は、成長のプロセスそのものを数字で表したもの。3歳は身体の基礎が整う時期、5歳は知恵と社会性が芽生える時期、7歳は人格や心が豊かに育つ時期。この自然なリズムが「奇数の節目」として定着しました。
また、数字の並びとしても3→5→7は「上昇の流れ」を感じさせます。少しずつ大きく、確実に育っていく姿を、数字のステップで表しているのです。この“上昇のリズム”こそが、七五三の数字が持つ最大の魅力であり、日本人が数字にこめた希望の形です。
【第5章】「3・5・7」は日本の美意識にも通じる数

七五三の数字が特別なのは、単に縁起が良いからではありません。日本語や日本文化の「音」や「形」の美しさとも深く関係しています。
たとえば、俳句は「五・七・五」、短歌は「五・七・五・七・七」というリズムで構成されています。これらの音の並びも奇数を基本にしており、聞いて心地よく、自然に響くよう設計されています。人の感覚が最も安定するとされるのが「3・5・7」のリズムなのです。
さらに、日本の建築や庭園にも奇数が多く用いられます。石灯籠の数、庭の石の配置、茶道具の並びなど、偶数ではなく奇数にすることで「動き」や「生きている感覚」が生まれます。七五三という行事名も、そうした日本人の美意識の延長線にあります。
数字をただの記号としてではなく、「美」「調和」「生命力」の象徴としてとらえてきた日本人の感性。それが最も身近な形で残っているのが七五三なのです。
【第6章】数字に宿る祈り ― 家族の願いが形になった七五三

日本の文化には、数字そのものに“意味”を見出して祈るという独特の感性があります。七五三の「7・5・3」も、まさにその代表といえるでしょう。
古くから日本人は、自然や命のめぐりを数字で表してきました。七五三の数字には、子どもの成長に合わせた家族の祈りが込められています。
「3」は「健やかに」。まだ言葉もたどたどしい幼い子どもが、初めて社会と関わり始める年齢です。昔から「三つ子の魂百まで」と言うように、3歳のころの純粋さや生命力が、その子の将来の人格を形づくると考えられてきました。親はこの時期、健やかに、そして明るく成長してほしいという願いを込めて神社に詣でたのです。
「5」は「たくましく」。五体満足・五感・五行など、「5」は調和や安定を表す数字です。5歳の男の子が袴をはき始めるのは、まさに心身が大きく成長し、自分で考え行動できるようになる節目。親は「強く、たくましく、正しく生きてほしい」という願いを込めて祝いました。
「7」は「美しく」。七転び八起きに象徴されるように、「7」は試練と成長を表す数字です。女の子がこの年に本格的な帯を結ぶようになるのは、心も体も一人前に近づく時期だから。昔の人々は、7歳で「魂が定まる」と考え、髪を伸ばし、帯を締めて“人としての完成”を祝いました。
七五三の数字は単なる年齢の区切りではなく、**「3=健やかに」「5=たくましく」「7=美しく」**という祈りを数字に託した文化です。家族の思いが数字のかたちで伝わる――それが七五三という行事の本質なのです。
【第7章】西洋との違い ― 日本独特の「数字文化」

数字に意味を見出すのは日本だけではありません。西洋にも「7はラッキーセブン」「3はトリニティ(三位一体)」というように、特別な数字の考え方があります。
しかし、七五三に見られる日本の数字文化には、宗教的ではなく、自然や命の循環に寄り添うという大きな特徴があります。
たとえばキリスト教では「3」は神の三位一体、「7」は神の創造の完結を表し、神聖な象徴としての意味が強調されます。対して日本では、「3」「5」「7」は人の成長や自然の調和を願う“縁起”の数字。神の教えよりも、暮らしの中に根づいた祈りとして数字を用いてきました。
さらに、日本人は数字の“音”にも意味を感じ取ります。「七(しち)」は「幸」に通じ、「五(ご)」は「護る」や「悟る」と音が似ていることから縁起がよいとされてきました。こうした言葉の響きにまで祈りを込める感性は、まさに日本文化の繊細さを物語っています。
西洋が「神と数」を結びつけたのに対し、日本は「自然と数」「人と数」を結びつけた。七五三は、そうした数字観の違いを知ることで、世界の文化を比較しながら学べる貴重な教材にもなるのです。
【第8章】七五三の日が「11月15日」になった理由

七五三が毎年11月15日に行われるようになったのには、いくつかの説があります。
最も有名なのは、江戸時代の将軍・徳川家光の子どもである「徳松君」の祝儀に由来するというものです。徳松君が3歳のとき、病弱だった体が回復し、無事に成長を祈って行われたお祝いの日が、まさに11月15日だったと伝えられています。
また、当時の暦では15日が満月に近く、「月が満ちる=成長が満ちる」と考えられていたことも理由の一つです。さらに、「1+1+1+5=8」となることから、「末広がりの8」に通じる縁起のよさも好まれました。日本人は昔から、こうした数字の並びや合計にまで祈りを込める文化を持っていたのです。
11月は稲の収穫を終え、自然の恵みに感謝する季節でもあります。収穫祭と同じ時期に、子どもの成長を神に感謝する七五三を行うのは、とても理にかなったことでした。数字・自然・命――それらすべてが調和する日として、11月15日は選ばれたのです。
【第9章】数字と神社の深いつながり

七五三の舞台となる神社には、いたるところに「数字」の文化が息づいています。
たとえば、石段の数が3段、5段、7段と奇数で造られている神社も多く見られます。奇数は「割り切れない=縁が切れない」とされ、縁起のよい数字として重んじられてきました。
また、参拝の作法にも数字が隠れています。「二拝二拍手一拝」という形式は、偶数と奇数を組み合わせることで、陰と陽の調和を表しています。さらに、柏手(かしわで)を打つ回数や鈴を鳴らす回数を3回にする地域もあり、数字を通して神様とのつながりを表現してきたのです。
つまり、七五三は神社文化の延長線上にある行事といえます。
子どもの成長を祝いながら、家族が自然と神に感謝を伝える。そこには「数字を通じて祈る」という古代から続く日本人の心のあり方が息づいています。
【第10章】まとめ ― 数字の中に生きる祈りと文化

七五三の「7・5・3」は、単なる年齢の区切りではなく、命の節目と祈りの象徴です。
日本人は、数字を使って自然や神、そして家族の思いを表してきました。数字は計算のためだけにあるのではなく、「生き方」や「願い」を映す鏡でもあるのです。
小学生に伝えるなら、「7・5・3の数字には、みんなを守る力があるんだよ」「昔の人は数字で願いを伝えたんだよ」と話してみましょう。数字の秘密を知ることで、日本文化の奥深さを楽しく学ぶことができます。
家族で神社を訪れるとき、3・5・7という数字の意味を思い出してください。
その数字の中には、長い歴史と、親の祈りと、命のつながりが込められています。
七五三は、数字を通して日本の心を感じる行事なのです。
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