
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《七草粥ってなに?由来と意味を小学生向けに解説|簡単レシピ付き》について紹介させて頂きます。
- はじめに
- 1. 歴史ミステリー:なぜ「1月7日」に「草」を食べるのか?
- 2. ただの雑草じゃない!「春の七草」の正体と意味【完全版】
- 3. なぜ「苦い」のに食べるの? 親子で納得する科学的な理由
- 4. まな板を楽器に? 伝統の儀式「七草囃子(ななくさばやし)」
- 5. 【実践】お鍋不要!レンジで5分で作る「本格・七草粥」
- まとめ:知識という「調味料」でいただく
はじめに
1月7日の朝、日本の食卓に上る「七草粥(ななくさがゆ)」。
ニュースや学校の行事などで「今日は七草粥の日です」と耳にすることはあっても、その**「本当の意味」や「なぜその草なのか」**までを、詳しく語れる大人は意外と少ないかもしれません。
お子さんから**「どうして草を食べるの?」「苦いから食べたくない」**と言われたとき、ただ「決まりだから」と答えるのは少しもったいない気がします。
実は、七草粥には、古代中国の占いの物語や、平安時代の貴族の遊び、そして現代の栄養学にも通じる**「冬を生き抜くための驚くべき知恵」**が詰め込まれています。
この記事では、小学生のお子さんと親御さんが一緒になって楽しめるよう、七草粥の歴史、文化、植物学的な豆知識を徹底解説します。 また、忙しい朝でも「行事」を諦めなくて済む、**お鍋も火も使わない「電子レンジだけの本格レシピ」**もあわせてご紹介します。
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1. 歴史ミステリー:なぜ「1月7日」に「草」を食べるのか?

七草粥のルーツを辿ると、日本の歴史だけでなく、海を渡った中国の古い「神話」や「占い」の話に行き着きます。
⑴ 古代中国の「動物占い」と「人の日」
今から1000年以上前の中国(唐の時代)では、お正月になると「ある特別な占い」をしていました。元旦から順番に、毎日違う動物を大切にする日と決めていたのです。
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1月1日:鶏(ニワトリ)
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1月2日:狗(イヌ)
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1月3日:羊(ヒツジ)
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1月4日:猪(イノシシ)
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1月5日:牛(ウシ)
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1月6日:馬(ウマ)
そして、7日目が**「人(ヒト)」の日でした。 これを「人日の節句(じんじつのせっく)」**と呼びます。
この日は「人を大切にする日」として、もし犯罪者がいたとしても処罰を行わず、お互いをいたわり合う日とされていました。そして、この日に**「7種類の若菜を入れた温かい吸い物(七種菜羹)」**を食べて、立身出世や無病息災を願ったのです。
【親子で話せる豆知識】 「昔はね、1月7日は『人間を一番大切にする日』だったんだよ。だから、体に優しいスープを飲んで、みんなで『今年も元気でいようね』って励まし合ったんだって」
⑵ 日本の「若菜摘み」との合体
一方、その頃の日本には、冬の寒さの中で芽を出した若草を摘んで食べる**「若菜摘み(わかなつみ)」**という風習がありました。
雪の下からでも力強く生えてくる野草には、**「邪気を払う強い霊力(生命力)」**が宿っていると信じられていたからです。
中国から伝わった「人日の節句(7種類のスープ)」と、日本の「若菜摘み(生命力をいただく)」が長い時間をかけて合体し、江戸時代頃に現在のような**「七草粥」**として定着しました。
2. ただの雑草じゃない!「春の七草」の正体と意味【完全版】

「春の七草」と呼ばれる7つの植物。 現代では道端の雑草として扱われるものもありますが、それぞれに**「縁起の良い意味」や「薬としての効果」**があります。
お子さんと一緒に散歩をする時や、スーパーで実物を見る時のために、それぞれの特徴を深掘りしてみましょう。
① 芹(セリ)
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今の呼び名: セリ
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特徴: 水辺に群生する日本原産の野菜。独特の清々しい香りがあります。
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名前の意味: たくさんの葉が競(せ)り合うように生えることから「セリ」。「競り勝つ」に通じ、勝負運が強くなるという縁起が担がれています。
② 薺(ナズナ)
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今の呼び名: ペンペン草
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特徴: 道端や公園によく生えています。三角形の実を少し剥いて振ると「ペンペン」と音が鳴るおもちゃになります。
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名前の意味: 「撫(な)でて汚れを払う」という意味に通じ、けがれを落とすとされています。
③ 御形(ゴギョウ)
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今の呼び名: 母子草(ハハコグサ)
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特徴: 全身が白い綿毛で覆われています。
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名前の意味: 「仏様の体」を表すという説があり、縁起の良い植物とされています。昔は草餅の材料として使われていました(今はヨモギが主流です)。
④ 繁縷(ハコベラ)
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今の呼び名: ハコベ
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特徴: 小さな白い花を咲かせる、柔らかい草です。小鳥やウサギの餌としても親しまれています。
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名前の意味: 「繁栄(はんえい)がはびこる」に通じ、子孫繁栄の願いが込められています。
⑤ 仏の座(ホトケノザ)
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今の呼び名: 小鬼田平子(コオニタビラコ)
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特徴: 地面に葉を広げてロゼット状に生えます。
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名前の意味: 葉の広がり方が「仏様の座る蓮の台座」に似ていることから。
⑥ 菘(スズナ)
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今の呼び名: カブ(蕪)
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特徴: 私たちが普段食べている白いカブのことです。
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名前の意味: 「神様を呼ぶ鈴」に見立ててスズナと呼ばれました。
⑦ 蘿(スズシロ)
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今の呼び名: ダイコン(大根)
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特徴: 私たちが普段食べている大根のことです。
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名前の意味: 根が白くて清々しいことから「清白(すずしろ)」とも書きます。汚れのない純白な心を表します。
3. なぜ「苦い」のに食べるの? 親子で納得する科学的な理由

子どもたちにとって最大の壁は、七草特有の「苦味(青臭さ)」です。 しかし、この苦味にもちゃんと理由があります。
⑴ 冬のビタミン補給(天然のサプリメント)
昔はビニールハウス栽培などありませんから、冬場は新鮮な野菜がほとんど手に入りませんでした。人々は慢性的なビタミン不足になり、風邪をひいたり肌が荒れたりしていました。 雪の下でも枯れない七草は、貴重なビタミンCやミネラルの宝庫だったのです。
⑵ 胃腸薬の役割
スズナ(カブ)とスズシロ(大根)には、**「ジアスターゼ(アミラーゼ)」**という消化酵素がたっぷりと含まれています。 これは、お正月のお餅(炭水化物)の消化を助け、胃もたれを解消する働きがあります。
つまり、七草粥は単なる行事食ではなく、**「お正月疲れをリセットするための、理にかなった薬膳料理」**だったのです。これを伝えることで、「苦いけど、体の中を掃除してくれるんだね」と、お子さんも納得して食べてくれるかもしれません。
4. まな板を楽器に? 伝統の儀式「七草囃子(ななくさばやし)」

食べるだけでなく、作る過程にも面白い文化があります。 それが**「七草囃子(ななくさばやし)」**です。
昔の人は、前日の夜(1月6日)に七草を刻む時、まな板を包丁でトントンと叩きながら、こんな歌を歌いました。
「七草なずな 唐土(とうど)の鳥が 日本の土地に 渡らぬ先に ストトントン」
歌の意味は?
「大陸(唐土)から、作物を荒らす悪い鳥や、恐ろしい病気が飛んでこないうちに、大きな音を立てて追い払ってしまおう!」 という意味が込められています。
現代でも、お子さんと一緒にキッチンで調理する際、 「悪い鳥、あっちいけ! ストトントン!」 と言いながらリズミカルに野菜を刻むと、ただの料理が「悪いものを追い払う儀式」に変わり、とても盛り上がります。
5. 【実践】お鍋不要!レンジで5分で作る「本格・七草粥」

それでは、学んだ知識を活かして実際に作ってみましょう。 前の記事ではお鍋で作る方法をご紹介しましたが、ここでは**「とにかく忙しい朝」や「子どもが一人で作る時」**に最適な、電子レンジだけで作るレシピを詳しく解説します。
お鍋を使わないので吹きこぼれの心配が少なく、洗い物も最小限で済みます。
準備するもの(1人分)
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ご飯(冷やご飯 または パックご飯): 茶碗軽く1杯分(約100〜120g)
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水: 250ml〜300ml
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※さらさらが好きなら多め、ぽってりが好きなら少なめに。
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春の七草(市販): 適量
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※このレシピでは、苦味が出にくい「フリーズドライ(乾燥)」タイプもおすすめです。生の草を使う場合は、細かく刻んでおきます。
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塩: ひとつまみ
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(アレンジ用)鶏がらスープの素: 小さじ1/2
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※これを入れると中華風になり、お子さんが劇的に食べやすくなります。
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作り方(所要時間:約7分)
手順1:ボウルにご飯と水を入れる
深めの耐熱ボウル(または大きめのどんぶり)を用意します。浅いお皿だと沸騰した時に吹きこぼれてしまうので、必ず深さのある容器を使ってください。 ご飯と水を入れ、お箸でご飯をほぐしてバラバラにします。
手順2:生の七草を入れる(生の場合のみ)
生の七草を使う場合は、ここで刻んだ七草をすべて入れます。 (乾燥七草を使う場合は、まだ入れません)
手順3:ラップをかけずに加熱する
ここが最大のポイントです。ラップはかけません。 ラップをかけると、蒸気の逃げ場がなくなり、一気に吹きこぼれて庫内がベタベタになります。
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加熱時間: 600Wの電子レンジで4分〜5分
手順4:蒸らしと味付け
加熱が終わったら、ミトンなどを使って火傷しないように取り出します。 この時点で、お米が水分を吸ってふっくらしているはずです。
ここで**「塩」(乾燥七草を使う場合はここ投入)を入れ、全体を優しく混ぜます。 今度はふんわりとラップをかけて、2〜3分置いて「蒸らし」**ます。 この蒸らし時間で、お米の芯まで熱が通り、トロトロの美味しいお粥になります。
まとめ:知識という「調味料」でいただく

七草粥は、一見すると地味で質素な料理です。 しかし、そこに込められた**「人を大切にする心(人日の節句)」や「自然の生命力をいただく知恵(若菜摘み)」、そして「家族の健康を願う祈り」**を知ると、味わい深いものに変わります。
今年の1月7日は、 「これは昔のサプリメントなんだよ」 「悪い鳥を追い払う音を出そうか」 そんな会話を弾ませながら、レンジで手早く作った温かいお粥を親子で囲んでみてください。
そのひとときは、きっとお子さんの心に残る、温かい冬の思い出になるはずです。
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