
こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《「立春大吉」ってなに?小学生も楽しめるお札の由来と立春の豆知識》について紹介させて頂きます。
はじめに
もうすぐ春がやってきますね。暦(こよみ)の上での春の始まりを「立春(りっしゅん)」と言いますが、この時期になると、玄関や神社の柱などに**「立春大吉」**と書かれたお札(紙)が貼られているのを見たことはありませんか?
「どうして2月なのに『春』なの?」 「あのお札にはどんな意味があるの?」
ふと疑問に思うことはありませんか? あるいは、お子さんからそんな質問をされて、答えに困ってしまった経験がある方もいるかもしれません。
実はこの「立春大吉」という言葉には、一年間の無事を祈るための大切な意味が込められています。 なぜこの四文字が「厄除け(お守り)」として使われているのか。そこには、漢字の形をうまく利用した、昔の人ならではの面白い知恵が隠されているのです。
この記事では、お子さんにもわかるくらい優しく、でも大人が読んでも「なるほど」と思える深さで、「立春」の意味やお札に込められた由来を解説します。
明日、学校や家庭で誰かに話したくなるような春の豆知識。ぜひ親子で、あるいは大人の方一人でも、昔の人の知恵を楽しんでみてください。いつもの春が、もっと味わい深いものになるはずです。
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「立春大吉」ってどういう意味?

まずは、お札に書かれている「立春大吉」という四文字熟語の意味から紐解いていきましょう。この言葉は、二つの言葉が合体してできています。
「立春」は春のスタートライン
「立」という漢字には、「始まる」「立つ」という意味があります。つまり「立春」とは、「春が始まる日」という意味です。 今のカレンダー(暦)では、お正月といえば1月1日ですが、昔の日本の暦では「立春」こそが「一年の始まり」であり、お正月のようなとても大切な日でした。寒さが一番厳しい時期を乗り越え、これから暖かくなっていく希望の日、それが立春なのです。
「大吉」は最高にラッキーなこと
おみくじを引いたことはありますか? 「大吉」が出ると嬉しいですよね。「大吉」は、運勢がとても良いこと、素晴らしい幸せが訪れることを意味します。
つまり、「立春大吉(りっしゅんだいきち)」という言葉には、**「新しい春(一年)が始まりました。今年も一年、幸せで良いことがたくさんありますように!」**という、とてもおめでたい願いが込められているのです。 この言葉が書かれたお札は、ただの紙ではなく、一年間を無事に過ごすための「最強のお守り」のような役割を持っています。
ここが面白い!「立春大吉」に隠された秘密

さて、ここからが本題です。なぜ「立春大吉」というお札が、悪い鬼や災い(悪いこと)を追い払うお守りになるのでしょうか。 実は、その秘密は「漢字の形」にあります。
もし手元に紙とペンがあったら、縦書きで「立春大吉」と書いてみてください。そして、その文字をじっと見てみましょう。何か気づくことはありませんか?
秘密は「左右対称(シンメトリー)」
小学校の高学年で算数を習った人はピンとくるかもしれません。 この「立」「春」「大」「吉」という四つの漢字は、すべての文字が**「真ん中で折ると、左右がぴったり重なる形」**をしています。これを「左右対称(さゆうたいしょう)」といいます。
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「立」……真ん中で折っても同じ形です。
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「春」……これも左右同じ形ですね。
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「大」……人間が手足を広げたような形で、左右同じです。
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「吉」……上下は違いますが、左右は同じ形をしています。
この「左右が同じ形」であることが、どうして鬼を追い払うことになるのでしょうか? それには、昔から伝わるこんな面白い伝説があるのです。
鬼が勘違いして逃げ出した!?
むかしむかし、ある家の玄関に「立春大吉」のお札が貼ってありました。 あるとき、その家に悪い鬼がやってきました。鬼は玄関からコッソリと家の中に忍び込みました。
「しめしめ、この家に入って悪さをしてやろう」
家の中に入った鬼は、ふと玄関を振り返りました。すると、玄関に貼ってあるお札の裏側が見えました。 「立春大吉」の文字は左右対称なので、薄い紙に書かれた文字は、裏側から見ても表と同じように「立春大吉」と読めてしまいます。
それを見た鬼は混乱しました。 「あれ? おかしいぞ。俺は今、家の中に入ったはずだ。でも、振り返って見えたお札の文字が、入る前に見た時と同じだぞ?」
鬼はしばらく考え込み、とんでもない勘違いをしました。 「そうか! お札の文字が正しく読めるということは、俺はまだ家の外にいるんだな! まだ中に入っていなかったのか。よし、これから入るぞ!」
そう思った鬼は、家に入ろうとして、逆に出口(玄関の外)に向かって出て行ってしまいました。 こうして、左右対称の文字のおかげで、家の中に入ったはずの鬼は勝手に出て行ってしまい、その家は無事だったのです。
このユーモラスな物語がもとになり、「立春大吉のお札を貼っておくと、鬼(災難)が入ってこない、もし入ってきてもすぐに出て行ってくれる」と信じられるようになりました。 昔の人の「とんち」のような発想が、今でも日本の伝統として残っているなんて、とても面白いと思いませんか?
いつ、どこに貼ればいいの?お札の正しい扱い方
この不思議な力を持つ「立春大吉」のお札。せっかくなら、自分の家でも貼ってみたいと思う人もいるでしょう。ここでは、正しい貼り方やルールについて説明します。
お札はどうやって手に入れる?
このお札は、「曹洞宗(そうとうしゅう)」という種類のお寺などで配られていることが多いですが、自分で書いても効果があると言われています。 自分で書く場合は、半紙(習字の紙)のような白い紙に、筆や筆ペンを使って、心を込めて縦書きで「立春大吉」と書きましょう。小学生のみなさんが自分で書いたお札なら、さらに愛着が湧くはずです。
貼る場所は「玄関」が基本
鬼が入ってくるのは玄関だと考えられているので、玄関の高い位置(大人の目線より上)に貼るのが一般的です。また、勉強部屋の入り口や、神棚(かみだな)がある家では神棚に貼ることもあります。 鬼が迷うように、外から文字が見えるように貼ってくださいね。
いつ貼るのが正解?
基本的には「立春の日」に貼ります。 2026年の立春は2月4日です。昔からの厳しいルールでは「立春の日の朝一番に貼る」とか、「立春に日付が変わった瞬間に貼る」などと言われていますが、今ではそこまで厳しくなくても大丈夫です。 立春の期間中(次の「雨水」という節気が来るまでの約2週間)に貼れば良いとされていますが、一番のおすすめはやはり**「立春の日の朝」**です。
「新しい春が来たぞ!」という気持ちで、家族みんなで貼ってみてはいかがでしょうか。
小学生に教えたい!立春の楽しい豆知識

立春には、お札以外にも面白い風習や食べ物がたくさんあります。学校の先生や友達に教えてあげたくなるような、とっておきの豆知識をいくつか紹介しましょう。
1. 立春と節分はセットである
2月といえば「豆まき」をする「節分(せつぶん)」が有名ですが、実は節分と立春はセットになっています。 「節分」とは、「季節を分ける」という意味。つまり、季節の変わり目の前日のことです。 立春(春の始まり)の前日が節分(冬の終わり)になります。
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節分(2月3日頃): 豆をまいて、冬の間の悪い鬼を追い出す大掃除の日。
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立春(2月4日頃): 掃除が終わってきれいになった家に、新しい春の神様をお迎えする日。
このように覚えておくと、なぜ節分に豆まきをするのかがよくわかりますね。
2. 「立春大吉豆腐」を食べよう
立春の日には、「白い豆腐」を食べると縁起が良いと言われています。 昔から白には「体を清める力」があると信じられてきました。立春に食べる豆腐は「立春大吉豆腐」と呼ばれ、これを食べると、今まで犯してしまった罪や悪いことが消えてなくなり、清らかな体で新しい一年を始められると言われています。
お醤油をかけずにそのまま一口食べてみるのも、大豆の味がしっかり感じられて美味しいですよ。晩御飯のメニューに「今日は湯豆腐がいい!」とリクエストしてみるのも良いですね。
3. 立春の朝の水は「若水(わかみず)」
立春の日の朝一番に汲んだ水のことを「若水(わかみず)」と呼びます。 昔は井戸から水を汲んでいましたが、現代では水道の水でも構いません。この水は、一年の邪気(悪いもの)を払う神聖な水とされています。 この若水を使ってお茶を淹れたり、顔を洗ったりすると、一年間病気をせずに元気に過ごせると言われています。早起きをして、家族のために一番最初のお水を汲んであげるのも素敵ですね。
4. 立春に卵が立つって本当?
「立春の日には、卵が茶柱のように立つ」という不思議な噂を聞いたことはありますか? 中国や台湾などの一部の地域で話題になったことがあり、日本でも「立春の卵」として知られています。 「春のエネルギーが満ちているから立つんだ!」なんて言われていますが、科学的に言うと、実は卵は立春に関係なく、いつでも立てることができます。
卵の殻には小さなデコボコがあり、集中して重心を探せば、どの日でも卵は立つのです。 でも、「春の始まりに新しいことに挑戦する」という意味で、立春の日に家族みんなで「卵立てチャレンジ」をしてみるのも楽しいイベントになります。誰が一番早く立てられるか競争してみましょう。成功したら、きっと「今年は何かいいことができそう!」という自信につながるはずです。
まとめ:春を探しに行こう

ここまで、「立春大吉」の意味や、立春にまつわる様々な豆知識を紹介してきました。
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立春大吉のお札は、左右対称の文字で鬼を迷わせる、ユーモアたっぷりの最強のお守り。
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立春は、昔のカレンダーでの「お正月」。新しい一年のスタートライン。
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豆腐を食べたり、若水を汲んだりと、気持ちを新しくする行事がたくさんある。
まだまだ寒い日が続きますが、立春を過ぎると、少しずつ日が長くなり、風の中に春の匂いが混じるようになってきます。 梅の花が咲き始めたり、鶯(ウグイス)が鳴く練習を始めたりするのもこの時期です。
小学生のみなさんは、ぜひこの立春をきっかけに、身の回りの「小さい春」を探してみてください。 そして、玄関に「立春大吉」のお札を貼って、鬼も逃げ出すくらいの明るい笑顔で新しい季節を迎えてくださいね。
この豆知識が、あなたの自主学習や、家族との楽しい会話のきっかけになれば、元教師としてこんなに嬉しいことはありません。 素敵な春になりますように!
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