こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《【学年別】小学生のプール開き指導案|1年〜6年の活動内容とねらいまとめ》について紹介させて頂きます。
- 【はじめに】
- 1. 小学生の水泳学習におけるプール開きの意義
- 2. 指導案作成の基本的な考え方
- 3. 学年別プール開きの活動例とねらい
- 4. 学年を超えて共通する「安全指導」の実践法
- 5. 指導案作成のポイントとテンプレート活用法
- 6. よくある悩みと対策Q&A
- 7. まとめ|学年に応じた無理のないスタートで、水泳学習を充実させよう
【はじめに】
プール開きは学年に応じた段階的な指導がカギ
小学校の水泳学習は、子どもたちにとって楽しみな一方で、命に関わる重大な活動でもあります。そのスタートとなる「プール開き」は、単なるイベントではなく、水への関わり方や安全意識を育む重要な機会です。
私が教員として指導していた頃も、毎年のプール開きではまず「プールの神さま」に安全を祈る時間をとっていました。そして、水泳指導では必ず「バディ制度」を徹底。どんなに泳力に差があっても、互いに助け合いながら安心して活動できる環境を整えていました。
この記事では、小学生の各学年に応じたプール開きの活動内容とねらいを、具体的な指導案形式でわかりやすく解説します。教師の皆さんが実際に活用できるよう、安全指導や準備、学年別の活動内容を丁寧にご紹介していきます。
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1. 小学生の水泳学習におけるプール開きの意義

水泳学習において「プール開き」は、単なる初回授業ではなく、安全意識の育成や学年の目標確認、学級の連携強化など、さまざまな意味を持ちます。
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安全指導の第一歩:水の事故を防ぐための基本的な約束を全員で共有する大切な時間です。
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心の準備を整える:プールが好きな子もいれば、水が怖いと感じる子もいます。心理的な安心感を育てることが、初期の目標になります。
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年間学習のスタートライン:年間を通しての目標に向かって、どこから始めるかを確認する機会です。
教師がまず意識すべきなのは、「泳ぐこと」より「安全に取り組む姿勢を育てること」。その視点が、子どもたちの泳力だけでなく、生涯にわたる水の安全行動へとつながります。
2. 指導案作成の基本的な考え方

プール開きに限らず、水泳指導全体を通じて大切なのは「学年ごとの目標を明確にすること」と「安全・安心に配慮した活動内容の設計」です。以下の要素を意識しながら指導案を作成すると、実践がスムーズになります。
■ 目標設定
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各学年で「どこまでできるようにするか」を明確にします。
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例:1年生は水に慣れる、3年生はけのびに挑戦、6年生はクロール25mに挑戦、など。
■ 活動構成
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準備運動 → 水慣れ → 技の導入 → 振り返りという流れが基本。
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プールサイドでの指示や動線も事前にしっかり確認。
■ 指導のポイント
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無理をさせない:水への不安を持つ子にはペースを合わせ、安心感を優先。
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声かけの工夫:「がんばれ」より「一緒にやってみよう」が効果的。
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バディ制度の活用:ペアでの安全確認を通して、責任感と仲間意識を育てる。
■ 評価の視点
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泳げた・泳げなかっただけでなく、意欲的な姿勢や安全行動の理解度も評価対象に。
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学期末に向けた個別支援の材料として記録するのも有効です。
3. 学年別プール開きの活動例とねらい

ここでは、学年ごとにプール開きで行うべき活動の実例と、そのねらいを詳しく紹介していきます。
■ 1・2年生:水に親しみ、恐怖心を和らげる
活動例:
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プールの中を歩く(浅瀬をぐるぐる回る)
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バケツやジョウロで水をかけ合う
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顔をつける練習(水面に顔を近づける・数秒つけてみる)
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ビート板を使って浮いてみる・水に浮かぶ感覚を体験
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フラフープやボールを使った「水中宝さがし」
ねらい:
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水に対する抵抗感をなくし、「楽しい」と感じられるようにする
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安全に活動するためのルール(笛の合図・プールサイドを走らない・バディ確認)を覚える
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仲間と協力して行動する楽しさを知る
1年生・2年生では、「泳ぐ」ことそのものよりも、水とのふれあいを大切にします。プールサイドに座って足をバシャバシャしたり、水の中で歩くだけでも大きな成長。教師はひとりひとりの表情や緊張具合をよく見て、「よくがんばったね」と声をかけましょう。
■ 3・4年生:基本動作の習得とチャレンジ
活動例:
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ビート板を使った「けのび」や「バタ足」
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水中じゃんけんや、輪くぐりなどのゲーム
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浮く・潜る・水の中で目を開ける
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3秒浮く・5m進む・2人で協力して泳ぐ
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バディと一緒にペアけのび(2人並んでけのびしよう)
ねらい:
中学年は、遊びを取り入れながらも、技術的な要素が少しずつ入ってきます。「水に浮く」ことや「バタ足のリズム」などが自然と身につくような活動が効果的です。
■ 5・6年生:泳法の導入と安全な泳ぎの習得
活動例:
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クロール・平泳ぎの基本動作の確認(腕の動き・呼吸・キック)
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25m完泳への挑戦(ビート板なしでも泳ぎきる)
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安全泳法の練習(横泳ぎ、背浮き、浮いて助けを待つ練習)
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リレー形式でチームワークを高める「水泳リレー」
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プールでの事故を想定したロールプレイ(声のかけ方・助けの求め方)
ねらい:
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泳法の基礎を正しく習得し、持久的に泳ぐ力をつける
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水中でパニックにならずに安全に行動できる力を身につける
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課題に真剣に取り組む態度と、自己記録の更新への挑戦心を育む
高学年になると、「泳ぐことの技術」だけでなく、「命を守るための知識と行動」が学習の核になります。水の事故に巻き込まれない・助けを求められるというスキルを、実践的に・楽しく・真剣に教えることで、子どもたちは「泳げる自信」と「危険を回避する意識」を同時に育てていきます。
また、教師が「命を守るための泳ぎも大切なんだよ」と言葉にして伝えることが、子どもたちの心に響きます。
4. 学年を超えて共通する「安全指導」の実践法

水泳学習で最も大切なのは「安全指導」です。学年にかかわらず、全員が守るべき約束を、楽しく・印象的に伝える工夫がポイントになります。
■ プールの約束を教える工夫
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○×クイズ形式にして、「プールサイドは走っていい?」「バディは1人でいい?」などを出題
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絵カードやイラスト入りスライドで、視覚的にルールを伝える
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子どもに「まちがいやすいポイント」を逆に考えさせる(走ったらどうなる?)
指導では、「守りなさい」ではなく「なぜ守るか」を考えさせるようにすると、自主的な行動につながります。
■ 「プールの神さま」に安全を祈る儀式(実践例)
筆者が現場で行っていたのが、プール開きの日に、全員で目を閉じて安全を祈る時間をつくること。以下のような簡単な流れで行っていました。
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先生が代表して「プールの神さま、今年も安全に活動できますように」と声に出す
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子どもたちも「安全にがんばります!」と声をそろえる
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深呼吸して、気持ちを整えてから活動開始
この儀式によって、「水泳の授業=特別な時間」「安全に気をつけよう」という意識づけができるのです。
■ バディ制度の大切さと導入のコツ
水泳学習での安全確認は、教員の目+子ども同士の助け合いが基本。バディ制度(2人1組で互いを確認する仕組み)は、特に効果的です。
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毎回ペアを固定して、「開始前の健康確認」「準備運動」「水中チェック」などを行う
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終了時には「バディチェック!」の合図で、互いの無事を確認する
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バディ同士で「大丈夫?」「無理しないでね」と声をかけ合う文化を育てる
この制度は、高学年だけでなく1年生から導入可能。ペアの関係が自然な思いやりを生み、命を守る教育の第一歩となります。
5. 指導案作成のポイントとテンプレート活用法

「プール開き」の授業を成功させるには、計画的な指導案の作成が欠かせません。以下の5項目を整理することで、見通しを持った授業ができます。
■ 指導案に書くべき5項目
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目標:学年に応じた「できるようになってほしいこと」
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活動:水慣れ・技術練習・安全指導など、内容の流れ
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準備物:ビート板、バケツ、温度計、絵カードなど
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配慮点:水が怖い子への支援、体調不良者の対応、安全面の配慮
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評価:姿勢・安全意識・チャレンジする姿を含めて観察
■ 学年別テンプレートの紹介とアレンジ方法
学年ごとに使えるテンプレートを作っておくと、年間を通しての計画がスムーズです。
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1年生:水に慣れる → 足バシャバシャ・顔つけまで
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3年生:けのび・バタ足導入 → ビート板使用
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6年生:クロール・平泳ぎ→ 25m完泳チャレンジ
指導案は、ICTで共有したり、毎年少しずつ改善しながら使い回すことも可能です。
■ ICT活用例
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安全ルールや活動内容を、スライドで視覚的に説明する(特に1〜2年に有効)
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水中動作をアニメーション動画で紹介し、正しいフォームをイメージで伝える
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クロームブック等で「泳法を学ぶ動画」を自習用に配信するのもおすすめ
6. よくある悩みと対策Q&A

Q:水が怖い子への対応は?
A:安心感を育てるステップを意識しましょう。
水が怖い子には、「無理に顔をつけさせる」「がんばれと励ます」といった指導では逆効果になることがあります。
以下のようなステップで、少しずつ水への親しみを深めましょう。
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初日はプールサイドでの活動だけでもOK(手を入れる・水に触れる)
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バケツの水で手足を濡らすだけでも「できた!」という達成感に
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顔つけではなく「水中をのぞく」など、間接的な体験から入る
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友だちと一緒にできる活動にする(みんなで輪になってバシャバシャなど)
「できた体験を積み重ねる」ことが、最大の支援です。
また、教師がそっとそばにいることや、「今日はこれができたね」と本人に伝えることも安心感につながります。
Q:気温が低いけど実施するべき?
A:子どもの様子と気温・水温を総合的に見て判断します。
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水温 22℃以下、気温 20℃以下 → 実施しない
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水温 23℃以上、気温 21℃以上 → 条件により実施可能
ただし、以下の点に注意しましょう:
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日差しの強さや風の有無で体感温度は大きく変わる
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子どもが震えていたり、寒がる様子があれば中止も判断
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体調を崩しやすい時期は「無理せず、無理させず」の姿勢を大切に
また、活動後にはタオルでの保温・日陰での着替えなど、丁寧なケアが必要です。
Q:活動の差が大きいとき、どう対応する?
A:できることを軸にしたグループ分け+個別課題で調整しましょう。
泳力の差は、どの学年にもあります。重要なのは、子どもを比べるのではなく、「自分のペース」で取り組めるようにすることです。
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泳力別のグループ分け(例:水慣れグループ、ビート板ありグループ、完泳挑戦グループ)
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ビート板や浮き具を活用して、安心して取り組める環境をつくる
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各グループに「今日のめあて」「やってみよう」を明確にする(板ありでけのび5秒 → 板なしに挑戦 など)
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「昨日の自分より少しでも前へ」を評価の視点に入れる
教師が「この子は去年ここまでだったから、今はこの練習でいい」と把握していることが、子どもにとっての安心と成長の鍵になります。
7. まとめ|学年に応じた無理のないスタートで、水泳学習を充実させよう

プール開きは、単なる「水泳の始まり」ではありません。
子どもたちにとっては、「水と向き合う心の準備」「安全への意識を育てる」大切な一歩です。
学年によって発達段階が異なるからこそ、活動内容も“その子に合ったもの”を用意することが大切です。
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低学年:水を楽しむ → 「楽しい」が心の安全になる
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中学年:技術の基礎 → 「できるようになった」が自信に
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高学年:泳法+安全 → 「命を守る力」が挑戦を生む
教師が丁寧に子どもの不安や興味に寄り添えば、どの子にも**「水ってこわくない」「また泳ぎたい」という気持ち**が育ちます。
安全第一を前提に、子どもたちが達成感と楽しさを感じられるプール開きになりますように。
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