こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《水が苦手な子も安心!小学生低学年のプール開きで使える楽しいアクティビティ集》について紹介させて頂きます。
- ① はじめに
- ② 水が苦手な子の特徴と気持ちに寄り添う指導とは
- ③ プール開きにぴったり!水に親しむ楽しいアクティビティ10選
- ④ アクティビティ導入時の声かけ例
- ⑤ 安全面での注意と教師の配慮
- ⑥ まとめ
① はじめに
小学校低学年にとって、プール開きは夏の始まりを感じるわくわくのイベント。でも、中には「水がこわい」「顔をつけるのが苦手」という子もいますよね。そんな子どもたちにとって、最初のプールの印象が「楽しい」「またやりたい!」になるかどうかは、その後の水泳指導に大きく影響します。
この記事では、水が苦手な子でも安心して参加できるような、やさしくて楽しい水遊びアクティビティを10個ご紹介します。どれも低学年向けで、教師がすぐに授業に取り入れられる内容になっています。
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② 水が苦手な子の特徴と気持ちに寄り添う指導とは
まず大切なのは、**「水が苦手な子は怠けているのではない」**という理解です。水に対する恐怖には、理由があります。
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顔に水がかかるのが怖い
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水の中で目を開けるのができない
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足がつかない深さが不安
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他の子がバシャバシャする音にびっくりする
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失敗するのが恥ずかしい
こうした子どもたちには、安心できる環境と段階的なアプローチが必要です。
教師ができることは、
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一人ひとりの表情をしっかり見ておくこと
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無理に「やらせない」こと
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小さな成功体験を積ませること
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「できたね!」「すごい!」と、具体的に褒めること
また、「見本を見てもピンとこない」「急に顔をつけるのは怖い」といったこともあるので、まずは水と仲良くなるところから始めることが大切です。
③ プール開きにぴったり!水に親しむ楽しいアクティビティ10選
ここからは、低学年の水慣れにぴったりな10個のアクティビティを紹介します。どれもシンプルですが、「楽しい!」「もっとやりたい!」と感じられる工夫を凝らしました。
① プール探検ツアー
ねらい: プールに慣れる・水に触れることへの安心感を持つ
準備物: なし
所要時間: 約10分
やり方:
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プールサイドに立ち、列になって歩く。
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教師の「探検隊の出発です!」というかけ声で、プールの浅瀬をぐるりと一周する。
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水に手を入れてみたり、しゃがんで足をつけたり、顔にパシャっとかけたり。
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教師が「ここがワニがすんでる水たまり!」など想像を交えながら案内。
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探検の最後には、「ミッションクリア!みんなすごいね」と褒める。
指導のコツ・安全配慮:
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一列で行動するように声かけを。
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事前に水温を確認し、冷たい日は足のみで。
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必ず教師が先頭と最後尾につく。
② バシャバシャ水かけっこ
ねらい: 水への恐怖を楽しさに変える・友だちとのふれあい
準備物: なし
所要時間: 約10分
やり方:
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バディを組む。
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浅瀬で向かい合い、「せーの!」の合図で足を使って水を蹴り合う。
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手で水をバシャバシャかけ合ってもOK。
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教師が「バシャバシャ名人!」などと盛り上げる。
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最後に「止まれ」でピタッと止まる遊びも加えると◎。
指導のコツ・安全配慮:
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目に水が入るのが苦手な子には「顔にかけないでね」と伝える。
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足元が滑りやすいので、走らないよう注意を促す。
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水が怖い子は見学でもOK。やりたくなったら参加できるようにする。
③ ペットボトル浮かべレース
ねらい: 水面に物が浮く様子を楽しむ・浮力への興味
準備物: 500mlペットボトル(キャップをした状態)各自1本
所要時間: 約10〜15分
やり方:
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子どもにペットボトルを1本ずつ渡す。
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浅瀬に並んで、合図でペットボトルを水面に置く。
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手で水を押して、ペットボトルを進ませていく。
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誰が一番遠くまで進ませられるかを競う。
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「風を起こすように」「そーっと押すとよく進むよ」とコツを教える。
指導のコツ・安全配慮:
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浅瀬で行い、子どもが無理に深い方へ行かないよう注意。
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キャップはしっかり閉めておくこと。
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水に慣れていない子は、教師が横について見守る。
④ 水中宝探しごっこ(浅瀬版)
ねらい: 水の中を見ること、手を入れてみることへの挑戦
準備物: カラーボール、ビー玉、ミニおもちゃ、コップなど沈むアイテム
所要時間: 約10分
やり方:
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浅瀬に沈むおもちゃ(宝物)を教師がバラバラに置いておく。
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子どもたちはバディで一緒に、決められた個数の宝を探す。
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顔をつけられない子は、目を閉じて手探りでもOK。
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見つけたらバケツに入れてゴール。
指導のコツ・安全配慮:
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顔をつけることを無理に強要しない。
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教師は周囲で見守りながら声かけを。
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宝物は拾いやすい大きさ・色のものを選ぶ。
⑤ 洗面器うきうきボート
ねらい: 浮く感覚を楽しむ・安心して水に浸かる体験
準備物: 洗面器(人数分、または数人で1つ)
所要時間: 約10分
やり方:
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子どもたちが洗面器に水を入れて浮かべる。
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洗面器に人形やおもちゃを乗せて「ボート」を作る。
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水面をそっと押して進ませていく。
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ゴール地点を決めて競争しても楽しい。
指導のコツ・安全配慮:
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洗面器に体を乗せない(あくまでおもちゃ用)。
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洗面器が滑って周囲の子にぶつからないよう注意。
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水中を見ながら動かす遊びとして導入。
⑥ バディで水かけジャンケン
ねらい: 友達と楽しく水に触れる・勝ち負けのルールを楽しむ
準備物: なし
所要時間: 約10分
やり方:
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子どもたちはバディで向かい合う。
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「じゃんけんぽん!」のあと、負けた子が勝った子に足で軽く水をかける。
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慣れてきたら、両手でもOK。
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3回勝負などで繰り返す。
指導のコツ・安全配慮:
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顔にかけないことをあらかじめルールに。
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水に怖がる子は、足だけで参加も可。
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距離を取りすぎず、接触しないよう配置。
⑦ 水上電車ごっこ
ねらい: 体を動かして水に慣れる・リズム感や団体行動も意識
準備物: なし
所要時間: 約10分
やり方:
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4~5人のグループで列になり、肩に手を乗せて「電車」を作る。
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「ガタンゴトン」の合図でゆっくり歩いて進む。
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駅(先生が決めた場所)で停まってポーズ!
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駅名やアナウンスは先生のアドリブで盛り上げる。
指導のコツ・安全配慮:
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深さに不安がある子は、先頭または最後尾で見守りながら参加。
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滑らないよう、歩くスピードはゆっくりと。
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列が崩れても「大丈夫、またつなげよう」と安心の声かけを。
⑧ 水の橋渡りゲーム(旧名:フラフープまたぎジャンプ)
ねらい: 飛び越える動き・水の中でのバランス感覚の育成
準備物: フラフープ5〜10個
所要時間: 約10分
やり方:
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浅瀬にフラフープを等間隔で並べ、「水の橋」に見立てる。
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子どもたちは一人ずつフラフープの中を渡っていく。
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跳んでもOK、ゆっくりまたいでもOK。
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最後まで渡れたら「ゴールおめでとう!」
指導のコツ・安全配慮:
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フラフープが浮かないよう、底に沈めておく。
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順番待ちの間も座って見学できるよう配慮。
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水に不安な子は手をつないで渡ってもよい。
⑨ キャップリレー
ねらい: チームワークを楽しむ・浅瀬での移動に慣れる
準備物: 水泳帽子またはペットボトルキャップ
所要時間: 約10〜15分
やり方:
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グループでチームを作る。
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一人ずつ、帽子またはキャップを手に持ち、浅瀬を歩いて次の人に渡す。
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バトンリレーのように、全員が一周する。
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速さよりも、しっかり歩いて渡せたらOK!
指導のコツ・安全配慮:
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絶対に走らないように、事前にしっかり伝える。
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転ばないように歩幅を小さく。
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水に不安な子は先生と一緒に歩いてもOK。
⑩ 先生のまねっこ体操 in 水中
ねらい: 体を自由に動かす楽しさを感じる・模倣力の育成
準備物: なし
所要時間: 約10分
やり方:
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教師が前に立ち、「まねっこ体操」をはじめる。
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例:手をバシャバシャ、足でジャンプ、体をくねくね、クラゲのポーズ、バンザイ!など
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子どもたちは真似して動く。
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最後は「おしまいのポーズ」でしめくくる。
指導のコツ・安全配慮:
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スピードはゆっくり、テンポは子どもに合わせて。
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水中でジャンプする動作は控えめに。
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元気なBGMがあれば、より楽しめる。
④ アクティビティ導入時の声かけ例
水が苦手な子が安心できるように、声かけはとても大切です。以下のような言葉を日常的に使っていくことで、「できるところからでいい」という文化が根づきます。
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「できるところまででいいよ」
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「水の中で遊ぶと、気持ちいいね」
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「お友だちと一緒ならこわくないよ」
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「“顔をつける”じゃなくて“水にさわってみる”だけでもOK」
子どもが水を触れた瞬間や、足をつけられた瞬間にしっかり褒めることで、自己肯定感が育ちます。
⑤ 安全面での注意と教師の配慮
低学年のプール指導では、安全面の管理が最も重要です。
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**プール開きの前には「プールの神様へのお祈り」**をすることで、子どもたちの意識も高まります。
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必ずバディ制を導入し、互いの存在を意識させましょう。
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水が苦手な子の近くには教師がついて見守るようにします。
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水の中で慌てる子には無理強いをしないこと。泣いてしまった場合も「がんばったね」と声をかける姿勢を大切に。
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クラス全体で「水がこわい子がいても大丈夫な空気」を育てるような雰囲気づくりが鍵です。
⑥ まとめ
水が苦手な子にとって、最初の印象が「楽しい」かどうかはとても重要です。
プール開きで楽しく過ごせれば、それが「できた!」「また入りたい!」という思いにつながり、結果的に泳力の向上へとつながります。
低学年では、「泳げるようにする」よりも、「水と仲良くなる」ことを目標に。
楽しいアクティビティを通して、水を好きになるきっかけをたくさん用意してあげましょう。きっとその子なりのペースで、ぐんぐん伸びていきます。
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