こんにちは。晴田そわかです。
今回の記事では《中学年向け!小学生の徒競走が速くなる指導ポイント10選》について紹介させて頂きます。
- はじめに:中学年の走りが伸びる理由とは?
- 指導ポイント①:スタート姿勢を整える
- 指導ポイント②:腕の振りを意識する
- 指導ポイント③:足の上げ方とストライドの確保
- 指導ポイント④:姿勢をまっすぐに保つコツ
- 指導ポイント⑤:地面の蹴り出しを強くする練習法
- 指導ポイント⑥:リズム感を身につける
- 指導ポイント⑦:まっすぐ走る練習法
- 指導ポイント⑧:スタート反応を速くするコツ
- 指導ポイント⑨:競う楽しさと勝ち負けの受け止め方
- 指導ポイント⑩:継続的な練習で成功体験を積ませる
- よくある質問(Q&A)
- まとめ|中学年の「今」が走り方を変えるチャンス
はじめに:中学年の走りが伸びる理由とは?
小学校の中学年、つまり3年生・4年生の時期は、「運動神経の伸びしろ」がぐっと広がる大切な時期です。この年齢は、体の使い方を覚えるスピードがとても速く、「ゴールデンエイジ」とも呼ばれています。
徒競走においても、中学年からフォームが整い始める子が増え、走る楽しさや「もっと速くなりたい!」という意欲が強くなってくる頃です。指導のしかたによって、苦手意識を持つ子も「コツをつかめば走れるようになった!」と変化を感じられる貴重なチャンスです。
この記事では、中学年の子どもたちに合った走りの指導ポイント10選を紹介します。運動会や体育の授業、また家庭での声かけの参考にもなる内容をまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
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指導ポイント①:スタート姿勢を整える
徒競走で大きく差がつくのが「スタートの一歩目」です。中学年の子どもたちは、勢いで走り出そうとしてしまい、スタート姿勢が崩れてしまうことがよくあります。
まず意識したいのは、「前足と後ろ足のバランス」です。前に出す足はしっかり曲げて体重を乗せ、後ろの足は支える役割。腕は曲げて軽く振り上げる準備。目線は前方、できればゴールを見るように促します。
「よーい」のポーズができたら、そのまま一歩目をすばやく前に踏み出す練習をしましょう。このとき、「手と足を同時に出さない」「体が後ろに反らないようにする」こともポイントです。スタートだけを繰り返す練習もおすすめです。
指導ポイント②:腕の振りを意識する
走るときの「腕振り」は、スピードとバランスの両方に関わります。中学年の子は、腕が横にぶれてしまったり、小さくなりすぎたりすることがあります。
指導の際には、「前に押し出す」「後ろに引く」この2つの動きをしっかり意識させましょう。特に後ろへの振りを大きく取ると、前への推進力が高まります。
子どもには「ポケットの下まで手を引く」「ひじは曲げて、手はグーにしてリズムよく」など、イメージしやすい言葉で伝えるのがおすすめです。スローモーションで腕だけを動かす練習も効果的です。
指導ポイント③:足の上げ方とストライドの確保
速く走るためには、「大きく一歩を出す(ストライドを広げる)」ことが必要です。これを実現するには、しっかり膝を上げて、足を高く保ったまま地面を蹴ることが大切です。
中学年の段階では、足をただ前に出すだけでなく、「上げる」「押し出す」感覚をつけることが重要です。「膝をおへその高さまで上げてみよう」といった指示が分かりやすいでしょう。
遊びながらできる「もも上げリレー」や「スキップ走」なども、自然と足の上げ方を覚えさせるのに役立ちます。
指導ポイント④:姿勢をまっすぐに保つコツ
走っているときの姿勢が崩れていると、どんなに足が速くてもタイムは落ちてしまいます。特に中学年では、走るスピードが上がってくる分、重心が後ろに残ったり、前のめりになりすぎたりすることがあります。
基本は「背筋を伸ばして、少し前傾姿勢をとる」こと。頭はブレずにゴールを見るようにすると、姿勢が安定します。腕や足がしっかり使えるように、体幹を意識した姿勢づくりがポイントです。
指導の際には「風に向かってまっすぐ進むイメージ」「背中に1本の棒が入っているつもりで」など、子どもの想像力を使った声かけが効果的です。
指導ポイント⑤:地面の蹴り出しを強くする練習法
走るときの「地面を蹴る力」が、実はスピードに直結します。中学年の子どもたちは、まだつま先の使い方に慣れていないことが多く、地面を“流して”しまう傾向があります。
この段階で、「つま先で地面を強く蹴る」感覚を育ててあげましょう。効果的なのが、片足ジャンプやその場ジャンプを取り入れた練習。足首のバネを使う練習は、地面からの反発力を感じる良い機会になります。
また、「走る=押す」というイメージを持たせるのも大切です。足で地面を押すと前に進む。その感覚を覚えるだけで、走りが格段に変わります。
指導ポイント⑥:リズム感を身につける
ケンケン・スキップでリズム感を育てる
徒競走の中で見逃されがちなのが「リズム感」です。速く走るには、ただ筋力があるだけでなく、リズムよく足を運ぶ感覚がとても大切です。走り方がぎこちない子どもは、足の運びがバラバラだったり、タイミングが合わなかったりすることが多いです。
そんな子にはまず、ケンケンやスキップといった遊びを取り入れた練習がおすすめです。片足ジャンプ(ケンケン)は足の着地のタイミングと体のバランスを取る力を育てますし、スキップは「右・左・右・左」と一定のリズムを保つ動きに自然とつながります。毎日数分でも継続して遊ぶことで、少しずつテンポよく走れるようになってきます。
音楽を使ったウォームアップも効果的
さらに、音楽を使って体を動かす練習も効果的です。たとえば、テンポの良いリズムの曲に合わせてジャンプや足踏み、もも上げを行うことで、音と体の動きを一致させる感覚が身につきます。子どもたちが楽しんで取り組める点も大きなメリットです。
ウォーミングアップの時間に、軽快な音楽を流して全身を動かすだけでも、リズム感のある走りに一歩近づきます。
指導ポイント⑦:まっすぐ走る練習法
蛇行を防ぐコーン走・ライン走などの具体例
中学年になると走力がついてくるぶん、フォームの乱れも目立ってきます。特にまっすぐ走ることができない子は、スピードが出ても蛇行してタイムをロスしてしまうことが多くあります。
そこで有効なのが「コーン走」と「ライン走」です。
-
コーン走:直線上にコーンを3〜5個置いて、その真上をまっすぐ通り抜けて走る練習。横ぶれを意識的に減らせます。
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ライン走:白線の上や、ロープなどで引いたまっすぐな線の上を走る練習。視線や姿勢のブレが少なくなるようになります。
視線をゴールに向ける癖をつける
また、走っているときの視線が下がる子も多いです。これも蛇行の原因になります。正しい走りを身につけるためには、スタートした瞬間から**「視線はゴールをしっかり見ること」**を意識させましょう。
「つま先を見るな!ゴールを見よう!」という声かけ一つで、姿勢が改善することもあります。
指導ポイント⑧:スタート反応を速くするコツ
「よーい、どん!」に反応する遊びの工夫
徒競走ではスタートの一瞬が勝負を分けることもあります。反応がワンテンポ遅れるだけで、取り返しがつかない差になることもあります。
そんな子には、「反応力を養う遊び」がぴったりです。たとえば:
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スタートごっこ:先生や保護者が「よーい…ドン!」と声をかけ、少しずつタイミングを変えてスタートさせる。
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フェイント遊び:「よーい…ド・ド・ドン!」などと変化をつけて、反応を試す。
楽しみながら、音に対する集中力と反応のスピードを高めることができます。
反応スピードを高めるゲーム形式の練習
もっと取り入れやすいのが、信号ゲームやフラッシュカードゲームです。赤・青・黄のカードを見せて、その色によって動きを変える。音や合図に即座に反応する力が育ち、徒競走のスタートにも直結します。
指導ポイント⑨:競う楽しさと勝ち負けの受け止め方
仲間と競う楽しさを伝えること
徒競走は「順位」がつく競技です。そのため、時には「負ける」経験もします。中学年の子どもたちは、この勝ち負けに敏感な時期。指導者や保護者がどのように接するかで、子どもが運動を好きになれるかどうかが大きく左右されます。
まず大切なのは、「競う楽しさ」をきちんと伝えることです。ただ勝ち負けを意識させるのではなく、「全力で走るって楽しい!」「友だちと競うと燃えるね!」という気持ちを引き出すことがポイント。
練習中に「今の一番カッコよかったね!」「惜しかったけど最後まで粘ったね!」と、勝敗ではなく努力や姿勢を褒めることで、競争そのものを前向きに受け止められるようになります。
「勝ったら嬉しい」「負けても前進」
「勝てて嬉しい」という気持ちをしっかり味わうことはもちろん大事です。しかし同時に、「負けても次につながるよ」と声をかけることで、失敗を成長のきっかけとして受け止める力も育ちます。
たとえばこんな声かけが効果的です:
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「今回は◯◯くんが速かったね。でも前より君のスタート、すごく良くなってたよ」
-
「タイムは落ちたけど、最後まで力を抜かなかったのが素晴らしい」
子どもの心を傷つけず、前向きに頑張り続けられる環境をつくることが、何よりの指導です。
指導ポイント⑩:継続的な練習で成功体験を積ませる
練習ノートやタイム記録で自信につなげる
中学年の子どもたちは、数字や記録が見えることに達成感を覚える時期です。そんな子には、練習ノートやタイム記録のグラフ化がおすすめ。
毎回の徒競走練習で、「今日の50mのタイム」を記録してみましょう。「0.2秒縮まった!」「今日は風が強かったけど、ベスト出た!」といった小さな変化に気づけます。
記録が積み重なることで、子どもは「自分は頑張れば伸びるんだ」と実感し、自然と前向きに取り組めるようになります。
小さな進歩を認める声かけの例
たとえタイムが伸びなくても、「腕の振りが前よりスムーズだったよ」「最後まで走り切れたね」など、小さな成長を具体的に認める声かけがとても大切です。
子どもは、大人のちょっとした言葉でやる気が大きく変わります。結果だけでなく、プロセスを褒める意識を持ちましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. 走るのが苦手な子にはどう声をかけたら?
A. 苦手意識を持っている子には、「順位よりも、自分のベストを目指そうね」と声をかけましょう。「昨日より速かったね!」など、自己ベストを更新したことに着目して励ますのがポイントです。得意な動きを見つけて褒めてあげると、子どもは自信を持ちやすくなります。
Q2. 練習はどれくらいの頻度で行えばいい?
A. 毎日である必要はありませんが、週2〜3回程度の短時間練習でも十分に効果があります。ポイントは「継続」と「楽しい雰囲気」です。5分でも、本人が前向きに取り組めるように工夫して行いましょう。
Q3. 靴や服装で気をつけることはある?
A. はい、あります。走りやすい**運動靴(足にフィットして軽いもの)**を選ぶことが基本です。サイズが合っていないと転倒や足の痛みの原因になります。服装は、動きやすく汗を吸収しやすい素材を選ぶと、練習中も快適に動けます。
Q4. 家庭でできる補助運動はある?
A. もちろんあります。たとえば:
こうした動きは遊びの延長でできるので、楽しく続けやすいですよ。
まとめ|中学年の「今」が走り方を変えるチャンス
小さな成長を見逃さず、ポジティブに指導しよう
中学年は、身体がしっかりしてくる一方で、技術や意識の伸びしろも大きい時期。だからこそ、「今」どんな指導をするかが、その子の「走り」の未来を決める鍵になります。
大切なのは、完璧なフォームを目指すことではなく、子どもの中の“変化”を認めてあげること。1回の練習で劇的に変わらなくても、少しずつの積み重ねが大きな成果になります。
中学年期の徒競走は“走りの基礎づくり”
この時期の徒競走は、ただ順位を競うだけでなく、将来のスポーツ活動や体力づくりにもつながる「走りの基礎」を築く期間です。
走る楽しさ、努力の面白さ、そして成長の実感——それらを子ども自身が感じられるよう、焦らず、じっくり、あたたかくサポートしていきましょう。
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